不振『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』監督、「物事には終わりがあることを観客に受け入れてほしかった」と無念振り返る
ハリソン・フォード主演の伝説的冒険映画シリーズを甦らせた『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は2023年最大の目玉映画の一つとして公開されたが、結果は期待に遠く及ばず。3億8,700万ドルとされる製作費にマーケティング費も乗ったが、最終的な世界興収は3億8,400万ドル。あのインディ・ジョーンズが赤字転落となったことに、大きな動揺が広がった。
80代に突入したハリソン・フォードがインディ役をパワフルに再演し、新たな冒険、新たなキャラクターもが描かれた『運命のダイヤル』。手綱を託されたジェームズ・マンゴールドの演出術についてはシリーズ監督のスティーブン・スピルバーグもお墨付きを与えていたが、結果として作品が興行的な成功を収めることはなかった。
マンゴールド監督は、本作にほろ苦い後味が残ったようだ。米では、「楽しい経験でしたが、辛さもあった」と振り返っている。
「素晴らしく、輝かしい俳優(=ハリソン・フォード)が80代であるということで、80代の彼についての映画を作りました。しかし彼の観客は、こういった年齢のヒーローと向き合いたいわけではなかったのです」とマンゴールド。「私としては、それは構わない」と続けるが、「問題は、新しい男でもう一度やり直すことなく、観客を満足させることはできたのかということです」とコメント。リブート以外に果たして道はあったのだろうか、と尋ねているわけだが、今となっては、元も子もないような……。
なおマンゴールドによれば、『運命のダイヤル』の企画は、彼が主演で進めるボブ・ディラン伝記映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』がコロナ禍およびシャラメの(2024)撮影突入に伴って中断されていた間に舞い込んできたものだったという。
「私の子ども時代からの生涯のヒーローが私の人生にやってきて、“君にやってほしい仕事がある”と言われた」と、その興奮を振り返るマンゴールド。「ハリソンのことが大好きでしたし、観客にもありのままの彼を愛してほしかった。あの映画が伝えようとしていること、つまり“物事には終わりがあり、それは人生の一部なのだ”ということを受け入れてほしかった」と、物語の狙いがうまく受け入れられなかったことの無念を振り返った。
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