大磯二宮漁協 脱出装置でウミガメ守る 漁師の理解で実現
大磯二宮漁業協同組合が今年1月に新しく設置した定置網に、年に数回網にかかり死んでしまうというウミガメのための脱出装置が搭載されている。同漁協の高橋拓郎さんは、「魚が逃げるリスクがゼロではない中、漁師さんたちの理解もあり設置に至った。今のところ、ウミガメはかかっていません」と話す。
大磯の定置網は、海底に網を沈めて行う「底建網」という方法。エサとなる魚を求めたウミガメが網の中に入ってしまうと、息継ぎのために海面に浮上しようとしても難しく、沈んだ網の中で窒息してしまうという。
脱出装置は後付けできるもので、ウミガメが海面に浮上しようと網をつっつくと、重なっていた部分が開いて出られるようになっている。高橋さんは、「ウミガメがかかると異臭が出るなどの問題もある。ウミガメの産卵について活動する地元の人からの声もあったので、設置できてよかった」と話していた。
同組合では今年、定置網漁船「いそかぜ」を操業。船頭と乗組員を新たに雇用している。