日吉駅西口 一方通行化、本格実施へ アンケート、社会実験経て
歩行者環境の改善が課題となっている日吉駅西口の道路を巡り、地域の商店街・町内会の代表を中心に組織する「日吉まちづくり推進委員会(重田清委員長)」では、地元住民、事業者に対して活動の周知を含めたアンケート調査を昨年末に実施し、一方通行化の本格実施に向けた検討を進めてきた。3月末にはアンケート結果やこれまでの検討を受けて「日吉駅西口車両一方通行化に関する要望書」を取りまとめ、港北警察署、港北区役所に提出。今年度中の実施を目指すとしている。
「サンロード」「浜銀通り」「日吉中央通り」「普通部通り」と、4つの道路が駅前から放射状に伸びる日吉駅西口。全体的に道路が狭いうえ、一部を除いて歩道がなく、歩行者の安全確保が長年の課題となっている。そのため委員会では、同駅西口の交通環境を改善し、歩行者環境の充実を図り、「居心地がよく歩きやすいまち」を目指し、行政や周辺関係者を交えた会合を行うなどの取組みを進めてきた。
2023年度に住民や事業者を対象に実施したアンケートでは、「歩道が欲しい」「道路が狭い」「駅前が狭く交通が危険」など歩行環境の改善を求める多くの意見が上がっていた。こうした意見などを受け、24年度には一部区間を一方通行化する社会実験を実施。併せて行ったアンケートでは、一方通行化に約8割の賛同があった。
周知が課題に
実施計画によると、それぞれの道路で自転車を含む車両の一方通行規制を行う。一方通行化は日吉駅前から約100mの範囲で、時間帯を問わず終日実施。浜銀通りを通行する路線バスは、これまで通り相互通行で運行する=上図参照。
サンロード、普通部通りでは車道を狭め、歩行者空間を従来よりも広く確保し、歩行者空間の一部はカラー塗装される。また、エリア内は従来より駐車禁止区域に指定されているため、このエリアで車を駐車して、待機することできない。停車にあたる荷さばきや人の一瞬の乗降をよりしやすくするため、日吉中央通りとサンロード、普通部通りには荷さばき・乗降スペースが設けられる。
昨年末のアンケート結果では、住民、事業者ともに荷さばき・乗降スペースに関する2つの項目(同スペースを設けること、同スペースで人を待つための利用はできないこと)の認知度はほかの項目より低く、港北区区政推進課では、スペースの存在や利用方法を周知していくとしている。同課の萩原慶一課長は今年度中の実施化を進めるとし、「地域の盛り上がりが見られるこの機会を逃さぬようにしたい。実施後も一方通行の方向などの周知が必要だと考える」と話している。
重田委員長は「1987年に日吉商店街振興プランが始まり、これまでに駐輪場やタクシー乗り場の移転などの交通環境の改善が進められてきた。一方通行化はやっとという感じ。地域住民や通学する学生、来街者などの安心安全な空間が確保され、ひいては商店街の活性化につながれば」と期待を寄せる。