Yahoo! JAPAN

【8/4(日)開催】倉敷市手話サークル連絡協議会40周年記念講演会 ~ NHK Eテレ「みんなの手話」で活躍するろう者の手話に触れよう

倉敷とことこ

【8/4(日)開催】倉敷市手話サークル連絡協議会40周年記念講演会 ~ NHK Eテレ「みんなの手話」で活躍するろう者の手話に触れよう

いざ「手話を勉強しよう!」と辞書を開いても、手の動きや表情はなかなかイメージしにくいものです。

そのようなときに「生きた手話」を自宅で見られるチャンスがあります。それは、毎週金曜日午後2時35分になるとNHK Eテレで放送されている「みんなの手話」。

聴覚障がい者と健聴者(耳がきこえる人)のコミュニケーションを図ることを目的に製作されており、基本的な日常手話会話を、映像を使って判りやすく紹介している番組です。手話表現と共に音声や字幕が付くので、手話を学習する人たちにとっても学習教材として視聴されています。

そのような手話を学習する人たちにとってバイブルともいえるみんな手話に出演する森田明(もりた あきら)さんが、倉敷で講演会をするとのことなので、実行委員にお話を聞いてきました。

倉敷市手話サークル連絡協議会40周年記念講演会とは

倉敷市手話サークル連絡協議会40周年記念講演会は、2024年8月4日(日)午前9時30分から12時まで、倉敷市笹沖にあるくらしき健康福祉プラザで開催される講演会です。

講師は、NHK Eテレ「みんなの手話」講師の森田明さん。演題は「マジョリティの中で手話に関する仕事をするとき」で、講演は手話でおこなわれます。もちろん、手話が読み取れない参加者のために読み取り通訳もあるので、きこえる・きこえないに関係なく講演内容を理解できますよ。

読み取り通訳:手話で発せられた言葉を音声で聴者に伝える通訳

7月25日(木)申込み締切となっているが、当日受付も可能

チラシには7月25日(木)申込み締切と記載されていますが、当日受付も可能です。

倉敷市手話サークル連絡協議会とは

倉敷市手話サークル連絡協議会(以下、「市サ連」と記載)は、倉敷市内で活動する手話サークルの集まりです。

現在は、以下の6団体が加入しています。

・草の会手話サークル
・蔵手話サークル
・児島手話サークル
・手話サークル玉島
・手話サークルにしあち
・船穂手話サークルマスカット

昨今、テレビドラマなどの影響で手話が多く登場するようになっており、市サ連に所属する手話サークルでも会員数は年々増えているそうです。

市サ連では、聴覚障がい者の当事者団体と手を取り合いながら手話に関する情報交換をしたり、定期的に集って手話を用いた企画を開催したりしています。

同じ「手話」という言語がそこにあるだけで仲間意識が芽生え、他サークルの会員同士も仲睦まじく交流しているとのこと。

実行委員へのインタビュー

倉敷市手話サークル連絡協議会40周年記念講演会について、実行委員の石橋幸子(いしばし ゆきこ)さんと坂本はるか(さかもと はるか)さんにお話を聞きました。

宣伝チラシをもつ石橋さん(左)と坂本さん(右)

──市サ連40周年おめでとうございます。今回、森田明さんを招いて講演することになった経緯を教えてください。

石橋(敬称略)──

ありがとうございます。

森田さんは、これまでも市サ連加入団体の勉強会にお呼びしたことがあります。そのときに森田さんが語られた手話や聴覚障がいのある当事者(以下、「ろう者」と記載)の生の声がとても勉強になったし、何よりも勉強会の時間が楽しかったんです。

一つのサークルだけで楽しむにはもったいない話だったので、市サ連の仲間と共有したいと思ったタイミングと市サ連の40周年が重なるこのタイミングで、大きな会場での講演会をすることになりました。

──森田さんからは、どのようなお話がきける予定ですか。

石橋──

森田さんはろう者ですが、NHK Eテレ「みんなの手話」では聴者と共に仕事をされています。この社会のマジョリティである聴者と共に仕事をする際にどんなことを感じているのか、どんな工夫をされているのかを語ってもらいたいと思っています。

また、森田さんは日本語に準ずる日本語対応手話ではなく、独自の文法をもつ日本手話の話者なので、日本手話の魅力についても触れていただく予定です。手話ポエムや絵本の読み聞かせなど、日本手話ならではの表現は当事者から教えてもらうのが一番なので楽しみです。

坂本(敬称略)──

当初は、日本手話の表現方法のレクチャーを依頼するつもりでした。しかし、今回は市サ連40周年の記念講演会ということもあり、初心者のかたにも来ていただきたいと思うようになって。そのため、初心者にもわかりやすい職場での話や、そもそも日本語対応手話と日本手話の違いについても、あらためて講演していただくことになりました。森田さんは学校の先生もされているので、わかりやすいお話をしてくれるはずですよ。

──今回の講演会は、どのようなかたに参加してほしいですか。

石橋──

手話を長年学習している手話学習者や倉敷市内のろう者はもちろん、手話初心者や手話学習未経験のかたにも集まっていただきたいです。

森田さんは、NHK Eテレ「みんなの手話」に出演する有名人なので、「森田さんに会ってみたい!」のような気軽な気持ちで来ていただきたいです。

そのような人たちが、森田さんの手話を見て読み取り通訳の音声をきいて手話に興味をもってくれたらうれしいですね。

──講演会を通して参加者にど感じてもらいたいことを教えてください。

石橋──

当日の会場は、手話であふれると思うんです。

普段の生活では音声にあふれたなかでマジョリティとして生活する人が、手話がマジョリティの会場を体感してもらえる機会になります。ろう者が普段どんな気持ちで、どんな文化で生活しているのかを想像しながら会場で過ごし、森田さんの講演を受けていろいろと考えていただきたいです。

そして、今回の講演会を通して手話に興味をもってくれる人が一人でも増えて、市サ連の仲間が一人でも増えてくれたらという願いもあります。

坂本──

普段自分たちがマジョリティとして生活していると、ろう者のようなマイノリティの話をきく機会ってめったにないと思うんです。手話に興味があって活動している私たちでも、実はそういう本音ってなかなかきけないんです。

倉敷で暮らしていて生の手話に触れる機会はなかなかないので、手話があふれる環境を体験してもらいたいですね。

──読者へメッセージをお願いします。

石橋──

現在手話学習中のかたはもちろん、「手話に興味があるけれども何からはじめたらいいかわからない」かたにもお勧めの講演会です。森田さんだけでなく、倉敷で手話を使う人たちに出会えるチャンスです。ぜひ、お気軽にお越しください。

坂本──

聴者ろう者関係なくいろいろな人と交流してみてください。ろう者と交流してみたい人には近くに座っている手話学習者が通訳しますよ。

申込み締切は7月25日(木)となっていますが、当日飛び入りでの参加も大歓迎です。会場でお待ちしています。

手話で話をする、坂本さんと石橋さん

おわりに

取材したお二人は大変仲睦まじく「市サ連の活動が本当に楽しい」と言っていたことが印象的です。同じ趣味をもつ者同士、大きな講演会を実現させるために日々活動を続ける姿は素敵だなと思いました。

私自身、普段聴者のなかで働く聴覚障がい者ですが、筆談や読唇(口の形を読んで相手の話を理解する方法)でコミュニケーションしているので、手話で働く当事者がどのような働きかたをしているのか非常に気になっています。

夏休みも中盤を迎える8月4日(日)の午前中は、少し早起きして普段なかなか体験できない「マイノリティの世界」を体験しにくらしき健康福祉プラザへ行ってみませんか。

【関連記事】

おすすめの記事