犬が自分の体を舐めている4つの理由とは 病気やストレスの可能性、チェックすべきことまで
犬が自分の体を舐めている理由
犬が自分の体を舐めることには、様々な理由があるとされています。また、何らかのトラブルのサインである可能性も高いので、しっかり犬の状態を確認するようにしましょう。
1.皮膚にかゆみや違和感がある
犬が自分の体の一部を頻繁に舐めているとき、その部分の皮膚にかゆみや違和感を感じている可能性があります。
私たち人間もかゆみを感じると、無意識にかいたりさすったりしますが、それと同じです。
虫刺されや乾燥などによる一時的なかゆみの場合は、舐める行動もすぐにおさまるでしょう。
しかし、アレルギーやアトピーなどで慢性的に皮膚が炎症を起こしている場合は、しつこく舐めることさらに状態が悪化してしまう可能性があります。
犬が舐めている部分の皮膚を確認し、荒れや炎症、発疹などがないかチェックしてみてください。原因がわからない場合や舐める行為がおさまらないときは、動物病院を受診するようにしましょう。
2.痛みを感じている
犬はかゆみを感じているときだけでなく、痛みを感じているときにもその部分を舐めることがあります。
皮膚に傷や炎症がなくても、犬が体を舐めているのが気になったら、一度動物病院で相談してみることをおすすめします。
そうすることによって、病気の早期発見につながることもあるでしょう。
例えば、犬が足や腰などを舐めているときは、関節に痛みが出ている可能性があります。関節炎だけでなく、脱臼していたり椎間板ヘルニアの兆候が出ていることもあります。
また、足裏の場合は肉球に傷ができていたり、指の間に腫瘍ができていたりすることも考えられます。
加えて、お尻のあたりを舐めている場合は、泌尿器や生殖器、肛門の疾患の可能性があります。生理の経血や尿漏れを気にして舐めるようになる犬もいます。
さらに、腹部などをなめ続けている場合、見た目ではまったくわかりませんが、内臓疾患を患っていることもあります。その部分を触ろうとする嫌がるそぶりを見せた場合、痛みを感じている可能性が高いので、できるだけ早く獣医師に相談しましょう。
3.ストレスや不安を感じている
犬が自分の体を舐めているときは、身体的なトラブルだけでなく精神的なトラブルが原因の可能性もあります。
特に、強い不安を感じたりストレスが溜まったりしているときに体を舐めることが増えるといわれています。
自分の気持ちを落ち着かせるために体を舐めることもありますし、それが無意識におこなわれるようになってやめられなくなってしまっているパターンもあります。
このような場合、無理に止めさせようとすると余計にストレスになってしまう可能性があるので、叱ったり押さえつけたりすることは控えましょう。
不安やストレスの原因そのものを解消できるように考えて、犬が体を舐めていたらほかの行動に誘導するなどして自然にやめさせるように促すのがおすすめです。
4.飼い主の気を引きたい
犬が体を舐めていると、「どうかしたのかな?」と気にする飼い主さんは多いと思います。また、怪我や病気を心配して体のチェックをする人もいるでしょう。
それらは決して悪いことではなく、理想的な対応ではあるものの、それが原因となって余計に体を舐めるようになってしまうことがあるのです。
飼い主さんにもっとかまって欲しいと思っている犬や、コミュニケーション不足を感じている犬は、どうにかして飼い主さんの気を引こうとします。
そのひとつとして、わざと自分の体を舐めて飼い主さんにかまってもらおうとすることがあるのです。
健康チェックをすることは大切ですが、異常がないようであれば必要以上に声掛けをしたりかまったりせずに、放っておくようにしましょう。
まとめ
犬は体に痛みやかゆみを感じていても、言葉にして訴えたり自ら病院に行ったりすることはできません。
そのため、犬が見せるちょっとしたサインから飼い主さんが心身の状態を把握してあげる必要があります。
「いつも同じ部分を舐めている」「皮膚が赤くなっている」など異常が出た場合は、獣医師に相談することをおすすめします。
(獣医師監修:後藤マチ子)