【今週の『ONE PIECE』の話題は?】扉絵に伏線アリ! 「“西の海”生まれ、鈴後育ちの英雄」その正体が明らかに? ロックス海賊団に内通者疑惑も浮上<1157話>
海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く、週刊少年ジャンプで連載中の漫画『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎氏)。
未知の島の心躍る冒険や強敵との痛快なバトルを通して仲間たちと絆を深め強く成長していく様は、まさにジャンプの三大原則「友情・努力・勝利」のど真ん中。その一方で、消された歴史や差別・奴隷制度などをめぐる世界の闇をも緻密な伏線と壮大な世界観で描き出す本作は、最終章へ突入した連載28年目の現在も怒涛の展開で読者の心を掴んで離しません。
8月18日(月)発売の週刊少年ジャンプに掲載された『ONE PIECE』第1157話“伝説のBAR”では、ロックス海賊団の台頭ストーリーや、あの“BAR”が生まれた経緯が明かされました。また、扉絵連載では意外な伏線に注目が集まっています。
※本記事には『ONE PIECE』最新話(第1157話)のネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方等、ジャンプ未読の方はご注意ください。
「ロックス海賊団楽しそうすぎる!」の声の一方で…内通者疑惑が浮上
国際慈善連盟寺院「フットコロニー」を襲撃する様子から、ロックス海賊団の暴れっぷりを垣間見ることができた第1157話。
後世には「仲間殺しが絶えないほど船員同士の仲が悪かった」と語られるロックス海賊団ですが、当時の彼らをみていると意外にも楽しげな空気感。
たしかに、麦わらの一味やロジャー海賊団、白ひげ海賊団などと比べてしまうと、船長を筆頭としたまとまりや絆は感じられず、愛ある良いチームとは言い難いでしょう。
でも、つねに好敵手同士が競い合い高め合っているような、ちょっと危ういヒリヒリ感がとても海賊らしくて惹かれてしまうんですよね。それぞれが好きに暴れているところも本来の“海賊っぽさ”を連想させるポイント。
そんなロックスたちの姿に、SNSでも「ロックス海賊団楽しそうすぎる」「学生のときの部活みたいな雰囲気」「思ってるより仲良さそうだし楽しそうで好き」といった声が。
それぞれが伝説級の強者なだけあって一人ひとりの主張は強いものの、なんだかんだ噛み合い成り立ってしまっているあの感じが、なんだかクセになる……。過去編とは言わず、もっともっと彼らの冒険をみていたいと思わせてくる海賊団ではないでしょうか。
結成2年でいくつもの事件を起こし、世界政府から目をつけられるまでに台頭してしまうカリスマ性は、どこか麦わらの一味に通ずるところもありますね。
しかし、海軍の襲来に際し白ひげ(エドワード・ニューゲート)が言った「情報が漏れてたか?」というひと言が気になるところ。この発言により、ロックス海賊団のメンバーに内通者が紛れ込んでいる疑惑が浮上しはじめました。
上述のとおり、てんでバラバラなところこそがロックス海賊団ならではの魅力ですが、そもそも彼らは互いを尊敬・信頼しあうチームではなく、基本的には利害の一致を元にして集まった海賊団。裏切り者の一人や二人いたとしてもおかしくはなさそうです。
あの“BAR”が生まれた経緯が明らかに
そして今回、シャッキーことシャクヤクが現在シャボンディ諸島で営む店「シャッキー'SぼったくりBAR」が、もともとはハチノスでスタートしたという驚きの事実が明かされました。
ロジャーやギャバンだけではなく、ロックス海賊団の男性陣もシャクシャクに撃ち抜かれている様子。ロックスやシキがそうなるのはなんとなく想像できますが、あの白ひげ(エドワード・ニューゲート)やコワモテな凶さえ目がハートに……! 恐るべしシャクシャクの魅力です。
こうなると、やはり海賊島の宝=シャクヤク説は濃厚といえるでしょう。ゴッドバレー事件は、シャクヤクに惚れた海賊たちが彼女たちを奪い返すために一揆したというのが真相だと推察せずにはいられない流れですね。
「シャッキー'SぼったくりBAR」は、海賊たちに夢を見せたまさに“伝説のBAR”でしたが、今回のストーリーには、もうひとつの“BAR”・エルバフにあるイーダの酒場も登場しました。
ハラルドを正気に戻し、正妻になれずともハイルディンを育て、実子ではないロキをも寛大な心で包み込もうとするイーダ。そんな彼女の営む酒場では、ハラルドとロックスが酒を酌み交わす様子が描かれています。
「ハラルドを説得してほしい」というロックスの願いを一枚上手にあしらうイーダもまた、“伝説のBAR”の店主といえるのではないでしょうか。
あの人の墓? 扉絵に注目集まる
そして、第1157話では本編の内容だけでなく扉絵にも注目が集まりました。
現在、扉絵ではワノ国を舞台にした「鬼の子ヤマトの金稲荷代参」のストーリーが連載中。Vol.39となる今回のタイトルは、「村を守る為、彼はカイドウと戦ったが遺体も残さず死んじまった」というもの。カイドウ支配の犠牲者に手を合わせるヤマトたちの姿が切なさを感じさせるイラストになっています。
ここでカギとなるのは、タイトルにある「遺体も残さず死んじまった」という言葉です。
ワノ国編では、かつて鈴後でカイドウ率いる百獣海賊団とモリア率いるゲッコー海賊団が戦争をしたことが明かされており、刀神リューマの墓荒らし事件の真犯人はこのときのモリアであることが示唆されています。
このことから、ヤマトたちが手を合わせているのは、“モリアに遺体を盗まれてしまった誰か”の墓であると考えられるんです。
ちなみに、この扉絵連載のVol.26のタイトルは「“西の海”生まれ、鈴後育ちの英雄の墓、参ってっておくれ」でした。
今回のVol.39とVol.26の情報を繋ぎ合わせると、スリラーバークにいたゾンビのなかから、この墓の主らしき人物が浮かび上がってくるのです。
それが、ゾロの影が入っていた将軍(ジェネラル)ゾンビ・風のジゴロウ。
風のジゴロウは西の海(ウエストブルー)出身。そして、顔つきのちょんまげが生えた落武者ヘアに英字ロゴT、腹巻き、まわし、下駄と、かなりユニークではあるものの和の要素が強く、ワノ国で暮らしていた可能性はじゅうぶんにありそうです。
生前は家族を守るために7000人の海賊を斬った剣豪だったという風のジゴロウ。家族や村を守るために剣をふるい、カイドウにも臆さず立ち向かった結果、鈴後の英雄として伝説になったのかもしれません。
ワノ国にルーツを持つゾロの影が彼のなかに入っていたのも、偶然ではないということなのでしょうか。
扉絵連載にもこんな伏線やヒントが隠されていることには驚きますが、こうしてメインではないキャラクターの人生にもスポットがあたるのはおもしろいですよね。
[文/まりも]