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朗読劇「緑平さんと山頭火」 11月10日に山口、17日には柳川で上演

サンデー山口

木村緑平

 朗読劇「緑平さんと山頭火」が、11月10日(日)午後2時から、山口市民会館小ホールで上演される。主催は、文化芸術団体のネットワークづくりや、山口に関係する古今の優れた作品・人物に光を当てることによって「市民の郷土への誇りを高めよう」と活動を続けている「明日を紡ぐ大地の会」(福島光子代表)。

 

 同会は、2022年の5月と11月に、朗読劇「いのちの道しるべ-種田山頭火の世界」を、前・後編に分けて上演した。そのステージを、福岡県柳川市にある「木村緑平顕彰会」のメンバーが観賞。「山頭火を物心両面で支援し続けた緑平のふるさとである柳川市でも、ぜひ公演を」との要望を受けたことから、両会の交流がスタートした。大地の会メンバーは、何度か山口から現地に足を運び、緑平の生い立ち、生活、俳句創作の足跡等についてあらためて研究。2022年の内容から緑平と山頭火の友情部分を大幅に加筆し、その「心友」ぶりを一層深く描き出した朗読劇「緑平さんと山頭火」を完成させた。そして、11月10日に山口市で、その1週間後の17日(日)には柳川市で上演する。

 

 自由律の俳人・木村緑平は、1888年(明治21年)に現在の柳川市に生まれた。中学伝習館在学中に俳句を始め、長崎医学専門学校在学中に自由律俳誌「層雲」に投稿するように。卒業後の1914年(大正3年)から三井三池鉱業所病院(大牟田)に勤め、その時期に「層雲」を通じて山頭火と出会い、以後生涯山頭火を支え続けた。1926年(大正15年)に故郷に病院を開業するが、わずか9カ月で閉院。明治鉱業所豊国炭鉱炭鉱中央病院(のち赤池炭鉱病院)に再就職し、筑豊で暮らした。1942年(昭和17年)に同病院を退職。故郷・柳川に戻った。亡くなったのは1968年(昭和43年)。多くの句を詠んだが、スズメを詠んだ句が特に多いため「すずめの俳人」とも呼ばれている。

 

 台本を書いた同会の福島久嘉さんは「今回の劇は、出家得度して僧侶となった山頭火を4年ぶりに緑平が訪れ、再開の杯を交わすシーンから始まる。炭鉱医を辞めて故郷で自分の病院を開こうとする緑平と、僧侶となって大自然の中に踏み込んで本格的な行乞(ぎょうこつ)の旅に出発する山頭火。2人の人生は、戦争の時代を迎えて、荒浪に漂う小舟のように激しく揺り動かされた。柳川の皆さんによるご教示によって、密度の濃い舞台になったと思う。2人の『心友』像がくっきりと描き出されるよう、心を込めて演じる」と話し、来場を呼びかけている。

 

 会場には、木村緑平の句と生涯を顕彰する展示物も、約80点並べられる。

 

 入場料は1000円。前売り券は、山口市民会館、C・S赤れんが、YCAMなどで販売中。問い合わせは同会(TEL083-921-2476)へ。

 

 なお、同会は2010年4月の創立以来毎年、ふるさとゆかりの朗読劇を創作。大型の舞台公演を続けてきた。だが、メンバーの高齢化も進み、これまでの水準での舞台表現を維持することが困難に。そのため、来年9月で、大型公演に幕を下ろすことを決めた。そのため本公演は、「ラス前」公演となる。

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