垂水『多聞寺』でたおやかに咲くカキツバタが見頃を迎えています 神戸市
垂水にカキツバタが美しい古刹があると聞いて、タイミングをうかがっていました。『吉祥山 多聞寺(たもんじ)』(神戸市垂水区)のカキツバタはまさに今、見頃を迎えています。
『多聞寺』は平安時代初期に天台宗の僧である慈覚大師円仁によって創建されたと伝えられる、歴史あるお寺です。
建物は天災などにより何度か再建されており、本堂は1702年に造られ1963年に解体修理が行われたものだそう。
立派な仁王門をくぐると、池を埋め尽くす美しい紫が目に飛び込んできます。
すっとまっすぐに伸びる茎と葉に、しなやかに垂れる花弁。その姿はたおやかです。
境内の池には、約3,000株ものカキツバタが植えられています。今年は工事中のため残念ながら池の半分のカキツバタは見ることができませんが、それでも一面に咲く花々は壮観。
慈覚大師円仁が中国から持ち帰ったと伝えられるカキツバタ。前庭の心地池にかかる曲橋とカキツバタの花の景色は「こうべ花の名所」にも選ばれています。
池の周りを散策しながら前後左右に咲くカキツバタを眺める贅沢。人も多くなく、ゆっくりと楽しむことができました。
本堂は小高い場所にあり、風を心地よく感じられます。
お参りをしていると、お経のようなコーラスのような音楽が聞こえてきます。仏教の「声明」とキリスト教の「グレゴリオ聖歌」を同時に唱える宗教音楽なのだそう。
メロディに耳を傾け、静かにお参りすると、まるでタイムスリップしたかのような不思議な感覚になります。
神戸市内でこれだけたくさんのカキツバタを一度に見ることができる場所は、他にないのではないでしょうか。ゆったり時の流れる古刹で、初夏の風物詩を楽しむ趣。カキツバタが見頃の期間は短いので、早めに訪れてくださいね。
場所
吉祥山 多聞寺
(神戸市垂水区多聞台2-2-75)
参拝時間
6:00~17:00
拝観料
無料