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「わたしも戦争孤児の当事者…」サヘル・ローズさんが絵本を書いたワケとは?

文化放送

お笑い芸人の大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜13:00~15:30) 1月27日の放送は、『Dear  16とおりのへいわへのちかい』という絵本を著したサヘル・ローズ氏を招き、執筆のきっかけについて伺った。

大竹「3年ぶりのご登場です。3年間、いろんな国を回ってらっしゃいましたか?」

ローズ「旅してきました。見たことない世界、いろんな方に会ってきました」

大竹「この間のノーベル平和賞授賞式ではどちらにいらしたんですか?」

ローズ「実は、受賞式の会場に招待されて行っていました。私はもともと核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の活動として、戦争のない世界、核兵器のない世界を唱えてきたんですね。その団体の前事務局長のベアトリスさんから、ぜひ来ていただきたいと招待を頂きまして、これは行かなければいけないなって。小さい時から見ていたノーベル平和賞の授賞式に参加できるというのは、自分にとって一つの目標だったのと同時に、あそこでいったい何を感じられるんだろうと、たくさんインプットしたいと思って行かせていただきました」

大竹「日本は今日の新聞では、(3月にアメリカで開かれる核兵器禁止条約締約国会議に)オブザーバー参加もしないと言うことになっています。被団協代表の田中煕巳さんとは、お話ししたんですか?」

ローズ「お話させていただいたんですけれども、やっぱりあの(授賞式の)時、田中さんが皆さんの前で一生懸命、声を振り絞っている姿を見たときも、登壇された瞬間から涙が止まらなくて。

翌日、ホテルのロビーでお会いした時、いつかこういう過去を振り返らなくても、当時の話をしなくてもいい時代になって欲しいですよね、と話すと、いや、多分それはなかなか来ないかもしれないし、死ぬまでこれは語らなければいけない。それだけ伝えなければいけないぐらい世界は逆行してしまってるとおっしゃっていて、私もそう思いました。

ノーベル平和賞って、決しておめでとうではないんですよね。平和賞をとったから、なにかが解決されるわけでもなくて。あの場にいて思ったのは、ノーベル平和賞というのは、今の時代に最も欠けてるもの、最も必要な物を問題提起する場所であって、それを全世界に向けて発信をするスタートラインなんですよね。

その場でテレビでスピーチを聞いた方々が、良かったおめでとうではなくて、当事者の方々の想いをバトンを受け取って、私たちが動かなければいけないのに、今、残念ながら世界は行政はそういう動きをしていない。それが悔しいです。

大竹「そうですね。一瞬にして何十万人の命を奪い、それだけで終わらず、現在に至るまで、いろんな方々が苦しみながら、裁判をしながら、今日までいらっしゃってるわけですね。田中さんはおっしゃってます。「被爆者の証言はもう10年が限界だろう」と。続けて、「被爆者から考えればですね、核兵器を使うということを政治家が言っているのは本当に大変なことだと私たちは思っている。絶対使ってはいけない、持ってはいけない」。こんなふうにおっしゃってますね」

ローズ「わたしも、あらゆる難民キャンプ行かせてもらって、戦争孤児の当事者の1人として声をあげ続けて10年以上経ってるんですが、戦争は減るどころか次から次へと生まれてきます。そして終わってもいない戦争、差別、迫害があるのにも関わらず、メディアではなかったことにされてしまったりする。

本当は、こういう場がもっと広がって増えていただきたいんですけど、なかなかテレビを付けても入ってこない情報になってしまう。ですから、世界の裏側で何が起きているかが分からない方があまりにも多くなってしまっていることが、いわゆる平和が当たり前のように見過ごされてしまう。平和ボケしてしまっていることが、とても怖いなと思います。

戦争を知らないのは素晴らしいことです。戦争してくださいと私は思いません。だって戦争をしてしまったら、私たちが感じるトラウマを、皆さんが同じように感じなければいけない。傷は一生、トラウマは治らないので。だからこそ戦争知らずに済む、これを守り抜いて欲しい。だからこそ憲法九条があるわけですよね。日本が持つ役割は本当に大きいんですよ。その日本の持つ立場というのは大事にしてほしいなと。そのために私は絵本を作ったんですよね。この絵本が当事者の声なんです」

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