華麗なる宮廷、革命の嵐が50年の時を経て再び心を熱くする。劇場アニメ『ベルサイユのばら』
革命期のフランスに生きる人々の愛と運命を描き、テレビアニメや宝塚歌劇団による舞台版もヒットした池田理代子の名作漫画「ベルサイユのばら」が、完全新作で劇場アニメ化。1月31日(金)公開に先駆け試写会に参加したSASARU movie編集部が映画の見どころをレビューします。
1972年から「週刊マーガレット」(集英社)にて連載され、累計発行部数は2000万部を突破。監督は『アオハライド』の吉村愛、脚本は『君に届け』の金春智子、キャラクターデザインは『地獄少女』の岡真里子が担当。
50年という時を経て甦る、時代に翻弄されながらも強く美しく生きるオスカル達の物語を、ぜひ劇場で観てみてくださいね。
激動の時代の中で勇敢に生き抜く 『ベルサイユのばら』の気になるストーリー
18世紀後半のフランス・ベルサイユ。女性として生まれたオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェは伯爵家を継ぐため、男性として育てられます。オスカルの従者で幼なじみである平民アンドレ・グランディエ、隣国オーストリアから嫁いできた気高く純真無垢な王妃マリー・アントワネット、そして容姿端麗で知性的なスウェーデンの伯爵ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン。栄華を誇る18世紀後半のフランス・ベルサイユで出会い、激動の時代に翻弄されながらも、それぞれの運命を強く美しく生き抜いていく彼らの姿が描かれています。彼らが自ら選ぶ人生の結末とは?屈指の感動シーンは涙なしには観られない不朽の名作。
凛々しくもどこか儚く美しい。オスカルの生き様に憧れ、心惹かれる
オスカルの凛とした姿と強い言葉は、今作においてもしっかりと描かれており、思わずときめいてしまいます。男性としての凛々しさ、美貌、そして力強さを備えた姿はまさに女性が憧れる女性。自分の心に素直に自由に生きること、自分の意思を貫くこと、そんなオスカルから発せられる言葉にもぜひ注目してみてください。
特にオスカルが自らの心の声に従い、自由を求めた決意の言葉「われらは祖国の名もなき英雄になろう!」は、国と民衆のために尽くすことを誓う胸が熱くなるセリフ。『ベルサイユのばら』のファンだけでなく初めて観る方もオスカルの勇気と優しさに心を打たれることでしょう。オスカルの慈愛に満ちた表情や言葉をじっくりと劇場で味わうことをおすすめします。
愛にあふれた4人の物語に添えられる美しい描写と音楽
『ベルサイユのばら』は、オスカルとアンドレ、アントワネット、フェルゼンの4人の恋愛模様を抜きには語れません。オスカルの心の内にある恋心、命をかけてまで守り続けたアンドレのオスカルへの恋、アントワネットとフェルゼンの禁断の恋。フランス革命という荒波の中で美しく咲いた愛の花々。その儚い輝きに、心を奪われます。
そんな尊いシーンに添えられる、美術ボードや音楽も注目したいポイントです。ベルサイユ宮殿、オペラ座などを忠実に表現した美術ボード、パリの美しい街並みと暴動により薄暗く変化していく様子、時代を生き抜く人たちに寄り添う歌と音楽。惚れ惚れする世界観と、映像の美しさ、ミュージカルを見ているかのような音楽の壮大さに胸が高鳴ります。ベルサイユで華麗に咲いた薔薇たちの物語を彩る音楽が流れるシーンを目と耳を全力で研ぎ澄ませ観てくださいね。
この作品は、エンドロールを最後まで観ることがおすすめです。ぜひ劇場で胸の高鳴りを感じてみてください。
劇場アニメ『ベルサイユのばら』の基本情報
劇場公開日:2025年1月31日(金)
監督:吉村 愛
脚本:金春智子
キャラクターデザイン:岡真里子
音楽:澤野弘之、 KOHTA YAMAMOTO
アニメーション制作:MAPPA
出演:沢城みゆき(オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ)、平野 綾(マリー・アントワネット)、豊永利行(アンドレ・グランディエ)、加藤和樹(ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン)
公式サイト:https://verbara-movie.jp/