東京、11月〜12月に開催されるダンス公演3選
冬はダンス鑑賞が熱い。年に一度のコンテンポラリーダンスの祭典、舞踏カンパニー・大駱駝艦の新作公演、トランスナショナルな視点による作品が集まったYPAM2024など、このシーズンに観るべきダンス公演を紹介しよう。いま、そこでしか起こらないステージを目撃してほしい。
ヨコハマダンスコレクション
「横浜赤レンガ倉庫」1号館、「横浜にぎわい座」のげシャーレ、「KAAT 神奈川芸術劇場」で、「ヨコハマダンスコレクション」が開催。約500人の振付家を世界に送り出した公募型コンペティションのほか、近年の受賞者による公演、世界的に活躍する振付家の新作、海外のフェスティバルとの連携など、多彩なプログラムが展開する。
今注目すべき国内外のアーティストでは、小野彩加 中澤陽 スペースノットブランク、ジョルジュ・ラバット(Georges Labbat)、髙橋春香、小㞍健太などが参加。また、横浜・ソウル・香港の3つのダンスフェスティバルが専門性とネットワークを共有して2017年から展開している「HOTPOT 東アジア・ダンスプラットフォーム」も同時開催する。
ダンスを愛する人はもちろん、美術や建築、アジアをはじめ世界各地の多様でクリエーティブな動きに興味のある人もぜひ訪れてほしい。
※11月28日〜12月15日/上演時間・料金は公演により異なる
横浜国際舞台芸術ミーティング
「KAAT 神奈川芸術劇場」ほか多数の劇場やスペースで、「横浜国際舞台芸術ミーティング」(以下YPAM)が開催。アジアで最も影響力のある舞台芸術プラットフォームの一つとして国際的に認知されているYPAMは、職業的目的に特化した一部のプログラムを除き、ほとんどのプログラムは一般観覧ができる。
主催公演では、日本体育大学学生70人とドイツの現代バレエの振付家とのコラボレーション作品「集団行動」や、シンガポールの演出家が横浜を中心にボランティアパフォーマーを募って取り組むイギリスのバロックオペラのクィア的翻案「ディドーとエネアス」が日本初演となる。また、在日コリアンの死刑囚との想像上の対話を通して、日本の暴力史を考察するレクチャーパフォーマンスなど、トランスナショナルな視点による作品が集まった。
今、ここでしか体験することのできないライブパフォーマンスを目撃してほしい。
※11月29日〜12月15日/上演時間・料金は公演により異なる
脳-BRAIN-
「世田谷パブリックシアター」で、麿赤兒率いる舞踏カンパニー「大駱駝艦」の「脳-BRAIN-」 が上演される。内なる宇宙である「脳」をテーマとして人と脳の関係性を問う、2年ぶりの新作だ。
1972年創設の大駱駝艦は、1982年に舞踏カンパニーとして初のフランス・アメリカ公演を行い、鮮烈なインパクトを与えて世界に広く「Butoh」を浸透させた。主宰の麿は、常に「人類とは」を掘り下げて考え、あらゆる角度からアプローチし、創作活動を続けてきた。作品のテーマは、人類の行く末を憂いつつも、未来に希望の思いを馳せている。
舞踏手17人が繰り出す、目の覚めるようなステージを体感してほしい。
※11月28・29日 19時30分〜、11月30日・12月1日 15時〜/料金は前売りS席6,000円、24歳以下4,000円/前売りA席5,000円、24歳以下3,000円/当日S席6,500円、A席5,500円、未就学児童入場不可