「年収の壁」引き上げに、石戸諭「すごく妥当な政策である」
政府、与党が、年収103万円を超えると所得税が発生する「年収の壁」の引き上げ時期について、再来年の1月からの適用開始を軸に検討していることが分かった。国民民主党は来年度分以後の開始を求めているため、政府、与党は25年分は補助金などの代替案も視野に入れて検討する。
野村邦丸アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・月曜日~金曜日9〜13時)12月4日の放送は、ノンフィクションライターの石戸諭氏が出演し、このニュースを受けて「妥当な策である」と自身の意見を述べた。
野村邦丸(パーソナリティ)「年収の壁、引き上げのニュース、石戸さんはどう思われますか?」
石戸諭「僕は、基本的に103万円の壁が何なのか?もう少し詰めたほうが良いと思っています。ここ数年、国の税収は増加傾向にあって、今後もインフレ要因で増えていく見込みです。
これはどういうことかというと、インフレ期なので僕らの税金が多く取られてしまっているということ。この取られ過ぎた税収を返していこうということで、年収の壁を178万円に引き上げるというのは、すごく妥当な政策だと思います。
したがって、早く始めてほしいというのが僕の考えです。石破政権の案は遅すぎる。税金を取られすぎているという意識をもう少し持って議論したほうがいい。しかも、今は、物価高です。賃金が上がっている企業も少しずつ増えてきてますが、賃金上昇と物価高なので、賃金が上がっても、我々は楽になった気がしない。国の税収がかなり見込める中で、取りすぎた分を戻すために、年収103万円から178万円に上げるというのは、生活実感を変えていくためにも大アリだと思います」
邦丸「でも与党側は好調な税収は恒久的に続かないと言っている」
石戸「どの政策を優先するかです。今、これだけ困ってる人がいるなかで、この先の税収が不安だからという理由で恒久減税策に手をつけないという理由にはならないと思います、今、生活している人たちに税金を返さないという方法はないということです。取りすぎた税収を是正するため、まあまあスマートな方法として、178万円の引き上げはあるのかなと思います」
邦丸「この後、国民民主党と与党のやりとりはどうなっていくと思います?」
石戸「野党の言うことを聞く時に、石破政権が組みやすいのは国民民主党というのはわかるので、そこから話を聞いていくのは筋かと思います。ですが、減税政策としてどこを譲るか?どこを譲らないかという点が石破さんのなかでもはっきりしていないように見えます。とりあえず、どちらが主導権を取るのかはっきりさせたいという意識は、ここから見てとれますよね。あまりに野党の言うことを聞きすぎると、今度は自分たちが軽く見られるリスクがあるから」
邦丸「存在意義が薄くなってしまいますもんね」