“感染者”と共に生きる理由とは?レイフ・ファインズ演じる不気味な博士の正体を明かす『28年後…』特別映像
監督のダニー・ボイルと脚本家のアレックス・ガーランドが再タッグで挑んだシリーズ最新作『28年後…』が、6月20日(金)より公開中。このたび、不気味な博士ケルソンを演じたレイフ・ファインズがその役どころについて、その姿から受ける印象とはまったく違うキャラクターであることを明かす特別映像が解禁となった。
“感染者”と共に生きる理由とは?
本作で描かれるのは、<ゾンビ>ではなく、感染した人間=<感染者>。監督のダニー・ボイルと脚本家のアレックス・ガーランドが描きたかったのは<現実に起こり得るパンデミック後の恐怖>。超自然的に生き返った死体<ゾンビ>ではなく、ウイルスに感染して凶暴化した<生きる人間>たちの物語である。
公開を迎えるや、「一言で言えば、今年最高の映画の一つ」「期待を上回るクオリティ」「ほぼ全編にわたって緊張感があり、それでいて繊細でもあるこの作品は、ホラーの最高傑作」など大絶賛する声があふれ、米映画批評家サイト「RottenTomatoes」では、驚異の批評家スコア95%を獲得した。(※6/19時点)
そんな本作では、話題作『教皇選挙』でアカデミー賞主演男優賞にもノミネートされた名俳優レイフ・ファインズは、不気味な博士ケルソンを熱演。『ハリー・ポッター』シリーズのヴォルデモート役や「007」シリーズでのM役など、様々なキャラクターを自在に演じ分けてきたレイフは、本作では全身にヨウ素を塗りたくっているという不気味な見た目のケルソン博士を演じている。だが、その姿から受ける印象とは裏腹に、彼はパンデミックを経験したダニー・ボイル監督と脚本のアレックス・ガーランドが、本作のテーマを託した人物だ。
ケルソンは感染者のはびこる危険な本土で、28年間1人で生き抜いてきた人物だがレイフは「ケルソン博士は医師であり、人道主義者だ。慈愛に満ちた人物だよ」と、その見た目からは想像できないキャラクター像を解説。ケルソン博士は<メメント・モリ=死を想え>という、死に対する儚い考え方を持っており、レイフは「彼は死を否定しない。彼は28年間たった1人で生きてきた。とても深みのある人物だと思う。気味の悪い男だが、複雑な内面を持っている」と明かし、過酷な環境で孤独に生きてきたと語っている。
ケルソン博士は、アーロン・テイラー=ジョンソン演じるジェイミーの息子スパイクとその母アイラと、本作の象徴的な場所の一つである“ボーン・テンプル”で出会う。この場所は名前についている通り、何万本もの骨と頭蓋骨が積み上げられており、死者を分け隔てなく弔う場所となっている。ケルソン博士が語る<メメント・モリ=死を想え>という言葉を想起させる。
彼の恐ろしい見た目とは裏腹に、ケルソンはその言葉通り、身を粉にして死者を弔っており、その姿からはレイフが語るように「慈愛に満ちた」性格が表れてもいる。複雑な内面を持つレイフ演じるケルソンが、本作でスパイクやアイラに何をもたらしどのような活躍を果たすのか、注目してほしい。
『28日後…』以来十数年ぶりに本シリーズで再タッグを組むダニー・ボイルとアレックス・ガーランドに加え、『28日後…』では主人公のジムを演じ、『オッペンハイマー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したキリアン・マーフィーがエグゼクティブ・プロデューサーとして本作に参加している。本作で描かれる物語は、世界的パンデミックを経験したわれわれ人類に向けられた“黙示録”なのか?
『28年後…』は絶賛公開中