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地域おこし協力隊員の花屋さん「KUJIRA Flower」。

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地域おこし協力隊員の花屋さん「KUJIRA Flower」。

三条市を拠点とする店舗を持たない移動花屋さん「KUJIRA Flower(クジラ フラワー)」。東京でフローリストとして働いていた店主の吉田さんは、三条市の地域おこし協力隊員としても活動しています。地元・三条市に戻ろうと決めた理由や地域おこし協力隊に興味を持ったきっかけ、お花屋さんとしての今後の展望など、いろいろとお話を聞いてきました。

KUJIRA Flower

吉田 明世 Akiyo Yoshida

1986年三条市生まれ。旅行系の専門学校を卒業後、西表島のホテルに就職。レストランに配属され飲食業に興味を持ち、2010年に東京のレストランに転職。その後「手に職をつけたい」とウェディング専門のフラワーショップで経験を積み、フリーランスのフラワーデザイナーとして活躍。2024年に「KUJIRA Flower」の屋号で活動を開始。同年、三条市に戻り地域おこし協力隊に着任。音楽と映画、ドラマ好き。

東京から三条へ。地域おこし協力隊を選んだ理由。

――吉田さんは、しばらく東京で仕事をされていたそうですね。新潟に戻ってきたのは、何かきっかけがあったんですか?

吉田さん:2024年に祖父母が亡くなり、「両親もずっと一緒にいられるわけじゃないんだな」と当たり前のことを痛感しました。それで「家族の近くで過ごしたい」って気持ちが強くなったのがひとつ。それから、ちょうどフリーのフラワーデザイナーとして活動しはじめた年だったんですが、「ひとりで活動するのは東京じゃないかも」と少しモヤモヤしていたのも理由のひとつです。

――気持ちの変化があったんですね。

吉田さん:「思い入れのある場所で働く方が頑張れるかも」「自分に向いているかも」と思うようになって。リアルなところでは、お金の面での不安もありました。

――地域おこし協力隊は、地元に戻る場合のひとつの選択肢だったんでしょうか?

吉田さん:「Uターンしよう」と本格的に考えたとき、地域おこし協力隊に着任することにメリットがあると思いました。「起業を見据えた制度面が充実している」「新潟での人脈作りができそう」というところに期待が持てて。私、社会に出てからずっと県外で暮らしていたので、新潟で仕事上のつながりがないことを不安に思っていたんです。

――期待していた「つながり」は、できました?

吉田さん:地域おこし協力隊の活動拠点は、中心市街地拠点施設「TREE」なんですね。TREEは、まちを盛り上げるイベントをたくさん企画していて、その一環としてイベントを行うときもあります。そこで「お花部門」として声をかけていただいたりして。ひとりで三条に戻っていたら、こういう機会に恵まれるのはもっともっと先だったかもしれません。

――まったくつながりのない状況で模索するのとは違いがありそうですね。

吉田さん:しかも、若者の支援や経営的なアドバイスをしてくれる先輩方との距離がすごく近いから、ものすごく安心感があるんですよ。

店舗を持たないスタイルで、フットワーク軽く。

――吉田さんのもうひとつの顔、「KUJIRA Flower」についても聞きますね。どんなところにオリジナリティがありますか?

吉田さん:「店舗を持たない花屋」として、いろいろな場所で活動しているところが「らしさ」かなと思います。移動花屋なので、フットワーク軽く、市外、県外にも行ってみたいと思っています。でもやっぱり地元を大事にしたいので、ブライダル業界での経験を生かして、三条市内のレストランウェディングやキャンプ場でのガーデンウェディングで、お花の提案ができたらいいなと思っています。

――三条には、素敵なレストランやキャンプ場がありますもんね。

吉田さん:ちょっと珍しいお花を扱っているところも「KUJIRA Flower」の特徴かなと思います。例えば、ガーベラ。馴染みのあるお花ですけど、すごくたくさんの品種があるんですよ。「こんな咲き方のガーベラ、初めて見た」というものを揃えたいと思っています。

――ブライダル業界にいた頃は、新郎新婦さんと打ち合わせをすることも多かったと思います。

吉田さん:打ち合わせでは、どんな雰囲気のお洋服、小物が好きなのか、映画の趣味など「その人の好み」を引き出そうって頑張っていました。

――特に印象に残っているお仕事は?

吉田さん:プランナーさんから「きっとこの新郎新婦さんと吉田さんは気が合うから」と、指名をいただいたことがあって。けっこうこだわりをお持ちのご夫婦だったので、打ち合わせにはいつもの倍近く時間がかかったんですけど、いろいろなお話をして、仲良くなれたんですよね。こちらの提案を「すごくいいね」と受け入れてくださって。最後には「吉田さんにお任せします」と言ってもらえました。「あぁ、信頼してもらっているんだな」と嬉しく思う一方で、ものすごいプレッシャーも感じて(笑)。式当日は準備段階からご夫婦で様子を見に来られました。今でもやり取りが続いているお客さまで、あのとき「一度きりじゃない関係を築けたのかな」と思っています。

――今後、新潟でどんなことをやってみたいですか?

吉田さん:実はまだ、いちばんやりたいと思っているブライダルの仕事ができていなくって。イベントに出店したり、知人からの注文を受けたりというのはあるんですけど。なので、まずはひとつ、ウェディングのフラワーデザイナーとして、お仕事を任せてもらいたいなって思っています。

――早く実現するといいですね。

吉田さん:あと、もうひとつやってみたいことがあって。地域活性化を目指して地元の園芸農家さんとお仕事をしたいんです。新潟にはチューリップやユリなど、名産のお花がいくつもあります。それを生かした取り組みができないだろうかと考えているところです。生産者さんと体験型のイベントを企画できたら、すごく楽しいだろうな。県外から新潟に、足を運んでもらうきっかけになるかもしれませんよね。

KUJIRA Flower

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