40代女性が「高血圧」になりやすいワケ。“改善に効果的な食材”と“NGな食材”を学ぶ#医師解説
よく耳にする「高血圧」という症状。自分には関係がないと思っていませんか? じつは若い頃は低血圧だったという女性も、40代になると徐々に血圧が上がってきてしまうことはよくあるのだそう。そこで、イシハラクリニック副院長の石原新菜先生に、”40代女性が「高血圧」になりやすい理由と、「高血圧」の予防や改善が期待できる食材”について教えていただきます。
教えてくれたのは……石原 新菜(いしはら にいな)先生
イシハラクリニック副院長。クリニックで漢方薬処方を中心とする診療を行うかたわら、テレビ・ラジオへの出演や、執筆、講演活動なども積極的に行い、「腹巻」や「生姜」などによる美容と健康増進の効果を広めることに尽力している。二児の母、また女性としての視点からアドバイスにも定評がある。
40代女性が「高血圧」になりやすい理由
女性ホルモンには、血管をしなやかに保つ働きがあります。
しかし、更年期に入り女性ホルモンが減ってくると、同時に代謝も下がり、動脈硬化が進んできます。
動脈硬化により血流が滞り血管に負担がかかると、血圧が上昇します。
また、年齢を重ねるとともに筋肉量が落ち、代謝も下がって太りやすくなります。肥満も血圧を上げる要因のひとつです。
「高血圧」によって現れる諸症状は?
普段から、肩が張る、肩が凝る、頭痛が起こりやすい、目が充血する、結膜下出血(白目の血管が切れて真っ赤になる)などの症状があると、高血圧の可能性が高いと考えられます。
さらに、体重が増えた、コレステロール値が高い、むくみやすいなどの症状も要注意です。気になる症状がある場合は、血圧を計測してみましょう。
40代女性が血圧を上げてしまう【NGな食生活や生活習慣】
血圧は常に一定なものではなく、体調や環境、行動によって変動します。
40代の女性が血圧を上げてしまう原因として考えられるものは、以下のような食生活や生活習慣です。
・運動不足
・お風呂に浸からず、シャワーのみ
・寝不足
・ストレス
・冷え
・スイーツばかり食べる
・お酒の量が多い
など
当てはまる項目が多い方は、生活習慣を見直しましょう。
高血圧の予防・改善に効果的な食材
高血圧の予防・改善には、「カリウム」を多く含む食材を食べることをおすすめします。
「カリウム」は、塩分の排泄を促し、血圧を下げる効果が期待できます。
フルーツなら、キウイ、バナナ、リンゴなどフルーツ全般。
野菜なら、キノコ、アボカド、芋類、豆類など。
逆に、乾物、魚卵、肝などの塩分の多いものは血圧を上げる作用があるため、摂りすぎには注意しましょう。
また、食物繊維の多いものを主食や炭水化物よりも先に食べる「ベジファースト」は高血圧の予防になります。
予防・改善のための食材を摂るのに最適なタイミングは?
カリウムを多く含む食材は、1日のうちいつとっても効果に影響はありません。
朝、昼、夕食時、または間食など、毎日の食事に気軽に取り入れてみてください。
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更年期に差しかかり女性ホルモンが減少すると、カラダにさまざまな変化が現れることがあります。「高血圧」のリスクも、この変化のうちのひとつ。
高血圧状態が長く続くと血管に過剰な負荷がかかり続け、命にかかわる怖い病気の発症リスクも上がってしまいます。
もしNG行動をしてしまっていたら、ぜひ今日から食生活・生活習慣の改善に取り組んでくださいね!
鈴木杏/ライター