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40代子持ち、転職成功の鍵は?ブランクありでも派遣から正社員になれた、自己PRや面接のコツ

りっすん

小さい子どもを抱えながらの転職は不安がつきもの。また30代、40代と自分の年齢が上がるにつれ、条件に合った求人を探す難易度は高くなりがちです。

今回寄稿いただいた親泊敦子さんは、40代で派遣社員から正社員への転職を経験。現在は子育てと両立しながら、広報・マーケターとして働いています。

自分に合った転職先の探し方や自己PRのコツ、面接で気にかけておきたいことなど、子育て中の女性が転職を成功させるために知っておきたいポイントを、親泊さん自身の経験から振り返ります。

***

保育園問題をきっかけに、一念発起し正社員を目指す

40代前半、2歳児ワンオペ育児中、派遣契約を終えたばかりの専業主婦。

2024年4月、正社員での転職を思い立った時の私の肩書きは、転職市場での価値という目で見た場合、われながら厳しいものでした。大学卒業後は正社員として働いていましたが、結婚後は専業主婦を経て派遣社員に。転職活動を始める時点で、正社員を辞めてからのブランクは実に8年にもなっていました。

そんな私が、無謀にも思える正社員での転職を考えたきっかけは子どもの保育園問題でした。

残業もなくパートタイムで働ける派遣社員は、子育てとの両立に適しており、私は満足して働いていました。しかし、ネックとなるのが契約期間です。出産後長らく働いていた派遣先が契約満了となったため次の会社を探して就業したのですが、その社風がどうしても肌に合わず、1カ月で契約を終了することになりました。

子どもの通っていた保育園では、就職活動を理由に利用できる期間は最大3カ月。保育園退園の期限に追われながら慌てて次の派遣先を探すなか「この不安と苦労を繰り返すのはなかなかつらい」という思いから、雇用期間に定めのない正社員として働く道を考え始めました。

そして何より正社員への復帰を考えるようになった一番の理由は、少し前に子どもが卒乳したことで夜間にまとまった睡眠を取れるようになり、思った以上に自分の気力と体力が回復したことでした。それまで常に頭痛と眠気に悩まされていた頭が晴れ、自分の中で行動と決断をできる余力が増えました。

「今よりもっと裁量が大きい仕事に腰を据えて取り組みたい。自分の力を社会の役に立て、充実した人生を送りたい」という気持ちが、正社員への転職を後押ししました。

そこで、子どもが保育園を退園しなければならない日を期限として、3カ月間全力で正社員への転職活動をすることにしました。

その中で意識していたことは、以下3つです。


それぞれ詳しく紹介します。

1.少しでも合いそうなら応募。条件と視野をできるだけ広げる


まずは転職サイトに登録し、その後、サイト経由で連絡をくれた転職エージェントにも登録。「応募は無料なのだから、とにかく出さないと損」というエージェントのアドバイスのもと、「募集要項の『求められる経験』に一つでも自分と合致する項目がある」を条件に求人を探して、2カ月で約50社に応募しました。

8割の会社からは、最初の書類選考で落とされました。けれど「この世には何十万社以上もの企業があって、自分とは考えや価値観が合わないのがむしろ当たり前。合う会社が見つかればラッキー」という心持ちで、応募を続けました。

また、未経験・未知の業界・業種の企業にも、臆さず申し込みました。派遣でさまざまな業界を経験したことから「業務内容さえ経験があれば、ある程度どんな業界でも働けるだろう」という見通しが持てたことが、ひとつの支えになっていました。

また、転職活動を続けるうちに「必須」だと思っていた条件も、状況に合わせてある程度の「譲歩」をしたり、他の条件で「代用」したりできないかなど、より幅広く柔軟に考えるようになってきました。

例えば私は当初、育児や家事との両立がしやすい「フルリモート」の仕事を希望していました。しかしフルリモート勤務が可能な企業は減少傾向にあり、最終的には「リモート+週1~2日の出社」の条件で就職しました。

「育児や家事と正社員の仕事の両立」については、「フルフレックス(出社や退社の時間にコアタイムがなく、従業員が自由に勤務時間を決められる柔軟な働き方)」制度があったおかげで、リモート勤務が週3〜4日でも実現できました。フルリモートにこだわる必要は、実際にはなかったのです。

2.職務経歴書では、専業主婦や子育ての経験も自己PRにつなげた

職務経歴書の作成では、専業主婦や派遣社員の期間をどう伝えるかに悩みました。そこで2人の子どもを抱えながら転職した経験のある友人にアドバイスを求め、以下の工夫を取り入れました。


履歴書と職務経歴書では、全体として「ポジティブで正直な自己開示」を心がけました。ミスマッチを防ぎ、ブランクがあることや小さな子どもがいることを知った上で採用してくれる、度量のある会社に出会いたいと考えたからです。

3.「自分に合う社風か」は、実際に話して見極める


転職先を探す上では「社風が自分に合うか」も重要なポイントでした。

ただ、求人情報だけでは実際の社風までは分かりませんし「とにかくひたすら応募する」ことが大事です。ですから書類応募時点では社風は気にしないようにして、面接で自分に合う企業かどうかをよく見極めるよう努めました。

カジュアル面談や面接を繰り返すなかで、ある時、面接官の方々がとても話しやすく、面接の場での居心地が抜群に良いと感じる会社に出会いました。

自分にとって嫌だったり、答えにくかったりすることは聞かれず、会話するうちに今までの人生で楽しかったことや、これからやってみたいことが胸の内でどんどんと膨らみ、面接でそんな体験をしたのは初めてでした。

その会社が、現在の私の勤め先です。面接官と波長が合う会社は、自分と相性が良い会社である可能性が高いと思います。
 

40代の転職は不安も多いけど、まずはやってみる

転職後は、フルフレックスとリモートワークを活用しながら、子育てと仕事の両立をしています。

転職先の会社は、「最適化AIシステムの開発」という自分のこれまでの経歴とは縁もゆかりもない分野の会社です。求人票を見た時「最先端で面白そうだけど、まず受からないだろうな」と思いつつ、ダメ元で応募した企業で、選考通過の連絡をいただいた時には心底驚きました。

今の会社は社員の裁量と行動の自由が大きく、先進的で、はつらつとした雰囲気が自分になじんでいます。気の合う同僚たちと一緒に進める仕事はやりがいも大きく、あの時「自分はきっと受からない」と自分で決めつけ、応募をやめたりしなくてよかったと思っています。

心配していた「出社日」は、仕事が効率的に進むだけでなく、他の社員と交流できる貴重な機会となり、むしろ私の日々の楽しみの一つとなっています。最初はネガティブに捉えていた要素が、実際にはポジティブな効果をもたらしてくれたことに驚きと感謝を覚えますし、何事もやってみなければ分からないのだな、とつくづく思います。

毎日の生活の充実度、人生に対する喜びと肯定感が高まりまったことで、家族のことも一層大切に思えるようになりました。

***

40代、子ども&ブランクありでの転職には、いろいろな不安があると思います。新しい会社になじめるか、仕事についていけるのか、家庭は維持できるのか。私も同じ不安を抱えていました。

やってみてダメだったり、うまくいかなかったりしたら、その時はまた対処方法を考えたり、諦めて別の道を探したりすれば良い。そう思って行動し、幸いにして道を開くことができました。

人手不足の現在、40代は、まだまだ社会に必要とされる大切な働き手です。これまでの経験から周囲にアドバイスできることもあるでしょうし、反対に周りから学ぶ姿勢を大切にすることで、自分も成長できるはず。

私の経験が、同じような不安を抱えながら迷っていらっしゃる方の参考になれば幸いです。

編集:はてな編集部

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