新羽小PTA・おやじの会 「児童のために」善意を継続 騒音防止のテニスボール
古くなった硬式テニスボールに切り込みを入れ、椅子や机の脚にかぶせる取組みを実施している新羽小学校で3月30日、劣化したボールを付け替える作業が行われた。ボールは脚が床と接触する際の音を小さくするためのもので、同校PTAや、児童や卒業生の父親らからなる「おやじの会(長田克巳代表)」、國學院大學硬式テニス部の部員ら計19人が、約2000個のボールを付け替えた。
取組みのきっかけは、約10年前に同校に聴覚障害のある児童がいたこと。補聴器が机や椅子を引きずる音を拾いやすく、耳障りになり困っていたため、テニスボールを脚につける方法を取り入れた。その児童の学年が上がる度に一学年ごとに取り付けていった結果、6年間で全学年の机と椅子にテニスボールが取り付けられた。健常者の児童たちにも評判がよく、その後も続けて、劣化したテニスボールの付け替え作業を行っている。
昨年までは作業の中心となっていたおやじの会がボール集めを行っていたが、毎年調達先探しに苦労していたという。今回は学校側に要請し、呼びかけに応じた國學院大學体育連合会硬式テニス部が協力。約2000個のボール寄付だけでなく、5人の部員が作業も手伝った。同部が社会貢献活動の一環で廃棄ボールの寄付先を探していたところ、同校の取組みを知り、「ぜひ手伝いたいと申し出た」と部長の若林宇宙さん(4年)。「自分たちが小学生の時にも何気なくついていたボールが、こうして大人たちの見えない活動だったということを知ることができた」と話す。
PTA会長の重久徳さんは「1年がかりで呼びかけを行ってきたので昨年の倍以上の人数が集まり、作業もスムーズに進められた。協力者に感謝するとともに、今後もこの取組みを広く知らせていきたい」と述べた。