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<決められない男>旦那の不倫相手が「既婚と知らずに騙された」と主張してきて……【まんが】

ママスタセレクト

写真:ママスタセレクト

これは数年前の話です。うちは旦那が単身赴任をしています。私は高校生から小学生までの子どもを4人育てながら忙しく過ごす日々。しかしある日、帰宅した旦那の口から驚きの言葉が飛び出しました。

「離婚してくれって…、いきなり何? どういうこと?」なんと、旦那から突然離婚を切り出されたのです。単身赴任先で知り合った女性と一緒になりたいから。そう話す旦那に私は

「子どもたちの事はどうするの?」「養育費はきちんと払うからさ」「あなた……本気で言ってるの?」あらかじめこのやり取りをイメージして、準備してきたような旦那の言い分けに私は、

「私は絶対に離婚しないから」そうハッキリと伝えました。本当に身勝手すぎる。単身赴任の旦那には全く頼れない、4人の子育てがいかに大変か……。私と離婚して、子どもたちを捨て……。その女と幸せになるなんて絶対に、絶対に許せません。

「私はあなたと、絶対に離婚はしない」話し合いのだびに、私は旦那にそう繰り返し言い続けました。子どもたちのことも考えて欲しい、そう伝え続けました。最終的には旦那を説得することに成功し、その女にはもう会わないとしっかりと約束させました。「これで大丈夫……」そう思った矢先、わが家にある郵便が届いたのです。

届いた手紙はなんと『内容証明郵便』でした。驚いた私は、単身赴任先からすぐに旦那を呼び戻して、手紙について問いただしました。「ねえ、コレは一体どういうことなの? ちゃんと説明して頂戴よ」

旦那は何も言わずに黙っています。

「黙っていちゃ、分からないでしょう? 騙されたって書いてあるけど、あなた一体何をしたの?」旦那からの手紙や一緒に撮ったのであろう動画など……、送られてきた内容証明書にはたくさんの証拠があることが書かれていました。相変わらず黙ったままの旦那。言い訳すらしないつもりでしょうか?

私には「もう会わない」と約束しておきながら、不倫相手にもいい顔をしていたようで……。

関係を続けるためでしょうか、なんと結婚指輪まで贈っていたようです。言い訳すら満足にできない旦那……。

不倫相手は飲み会で知り合った20代後半の独身女性だそう。彼女の実家がうちの隣町にあったことから、同郷のよしみで話が盛り上がって意気投合したそうです。旦那は最初「自分は独身だ」と嘘を言い、既婚がバレてからも「絶対に妻とは離婚するから」と言っては関係を継続していたのです。私は呆れてものが言えません。むしろこっちが訴えたいのに、不倫相手から訴えられるなんて……。

不倫相手の女性は一体どういうつもりで訴えてきたのでしょう? 本当に……旦那と結婚したいのかしら……?

お風呂から出てきた旦那に、私はもう一度質問してみることにしました。「少しは考えはまとまったの?」

「……あのさぁ、これってやっぱり俺が対応しないといけないんだよね?」

やっと口を開いたかと思ったら「俺がやらなきゃいけない?」って……。この人はどこまで私をバカにすれば気が済むのでしょうか? しかしここで私がどなって言い返したりすれば、また旦那は黙ってしまうでしょう。私は怒りの気持ちを抑えて、丁寧に説明することにしました。

「あのね……、この内容証明は『あなた宛』に届いているの。どう考えてもあなたの問題でしょうよ! とにかく、はっきりしないと何も進まないよ」すると旦那はがっくりと肩を落として「……そうだよね」と。

自分が当事者のくせに、逃げ道があるとでも思ったのでしょうか? もっと言えば、私が旦那の尻拭いをしてくれるとでも考えているのでしょうか? 私は旦那に言ってやりたいことが山ほどはありましたが、まずは旦那の反応を見ることに。しばらくすると旦那がこう話し出しました。「そもそも、不倫相手が……」

「相手の子が、とにかく結婚してくれって、しつこかったんだ……。なんていうか、押しが強いんだよね」自分は押し切られただけ。相手が悪いんだと言わんばかりの話に私は心底呆れましたが、「でもあなた、前に私に言ったわよね? 不倫相手と一緒になりたいから離婚してくれって」「いや、それは……その……」

「とにかく、はっきりと決めて頂戴。私たち家族と不倫相手、どっちを選ぶの?」あまりの煮え切らない態度にイライラした私は旦那にはっきりと伝えました。すると旦那は「俺には……きめられないよ……。どうしたらいいのか、わからない」

「はぁ?」

自分が招いた事態なのに、この期に及んで「何も決められない」と優柔不断な態度の旦那。私はなるべく冷静にふるまっていましたが、もはやため息しか出ません。本当に情けない……。この際きっぱり旦那と離婚すべきなのか、このまま離婚しない方がいいのか……私もすぐに結論は出せませんでした。

「旦那さん、ずっと不倫を続けていたの? 旦那さんったら……本当に許せないよね。内容証明を送った時点で、女の方はある程度見切りをつけていそうだけれど」「うちの旦那、優柔不断だしねぇ。相手も勢いで訴えてきた感じはするわ……」「いやぁ、でも不倫しておいて訴えてくるなんて、相手も相当だよね。結構図太いよね」

「なんかもう、疲れちゃって」

「私が一体何をしたっていうんだろう……。私はさ……誰にも頼れなくて、家事も育児もずっと一人で頑張ってやってきたのに。なんにもしてない旦那は単身赴任先で若い女と不倫してた。私ね、そんな旦那と不倫相手が私と子どもたちを捨てて何事もなかったかのように幸せになるのだけは許せないの」

「絶対に……許せない!」

怒りと情けなさのあまり声が震えてしまって、うまく言葉が出てきません。でも私は、こんな話を聞いた友人がどう思うかも構わずに、ずっと抱えていたドロドロとした気持ちを吐き出し続けました。「私は……絶対に、絶対に旦那を許さない!」

私の気持ちが少し落ち着いたのをみて、友人が私にこう言いました。「確かに、許せないよね……。旦那さんを恨む気持ちもわかるよ。……あのね、私は思うんだけれど……」

きっと友人は、こんな私を責めるのでしょう。それも仕方ないかと思ったのですが、

「不倫していた旦那さんの幸せをどうやって阻止しようかってことを考えるより、あなたと子どもたちがどうやったらもっともっと幸せになれるのかを考える方がずっと健全じゃないのかな~って、私は思うよ」友人からの言葉を聞いて、私はハッとしました。「私と子どもたちが、旦那よりも幸せになる……?」

頭の中にあったモヤがはれるような思いがしました。「そうだね……頭、冷やさないと……。冷静に考えて動かないとね……」

「きっと大変だと思うし、まだまだ悩むと思う。でも自分にとって納得できる方向で考えてみようよ。きっと、突破口はあるはずだから!」

友人「子どもたちだって、父親が家庭をないがしろにしてるって分かっているはずだよ。今回の裏切りも、うすうす勘づいているんじゃないかな……」 私は友人の言葉にハッとしました。自分の感情に振り回されて子どもたちのことを考えていませんでした。子どもたちのためにも一歩踏み出さないといけない……。

「いったい何をしたんだ! こっちは大変なんだぞ!」

友人に相談していたとき、送られてきた内容証明に記載してある不倫相手の名字が大変珍しいものだということに気がつきました。そしてよくよく考えてみると……隣町にこの名字と同じ看板を掲げた店舗があることを思い出しました。

不倫相手の女性の実家と思われる店舗は、うちの隣町にあります。旦那がそのお店を知っていたことから、相手の女性と話が盛り上がって意気投合したと聞いていました。

インターネットで調べてみると名字がそのまま店名になっている「〇〇商店」というお店で、連絡先もすぐに判明しました。これ以上旦那の対応を待っていられないと思った私は、不倫相手と直接話をつけるためまず実家に連絡を取ることにしたのです。

今までの事情を話しましたが、信じてもらえず。不倫相手のご両親に、念のためと取っておいた内容証明のコピーに手紙を添えて送ることにしました。

私からの、内容証明入りの手紙を受け取った不倫相手のご両親は娘さんにこの件について問いただし、不倫相手から旦那にも連絡がいったようで……修羅場になっているようです。当然こうなるであろうことを予想していた私は、旦那からの電話にまったく動じることもなく、

「どうして……なんでこんな……勝手なことしたんだよ!」大変なことになったと旦那が、あきらかにうろたえているのが電話越しでも分かりました。「どうしてって、あなたが何もせず、私に丸投げしたからよ」「俺が対応しなくちゃいけないんだよね? と私に確認していたのはどこの誰?」

「丸投げしたからでしょ? ってそんな……」「ねぇ、そろそろ腹を括ったら?」「え? 腹を括るって何の……」

「ちゃんと選んでください」

「不倫相手の女性と私たち家族、どっちを選ぶの?」いつまでもはっきりしない旦那に問いかけました。私が見つめる写真には笑顔いっぱいの私と旦那と4人の子どもたちが写っています。また同じように笑って、家族全員での写真が撮れるのかしら……そんなことをぼんやりと考えながら旦那からの返答を待ちます。不倫相手と私たち家族、旦那はいったいどちらを選ぶのでしょうか……。

「私は彼に騙されたんです。私には自分は独身だって言っていたんですよ」「でも、途中から既婚者ってわかりましたよね? あなたそれでも関係を続けていましたよね?」

「結婚指輪まで贈っておいて……なんなのよ……」「あの……ちょっといいでしょうか?」不倫相手の父親が口を開きました。

「正直に言いますと、私たち夫婦も複雑な気持ちでおります」

「そちらの旦那さんが独身と偽って、うちの娘を弄んだことには変わりないと思っています。ですが、既婚者とわかった時点でこの関係を解消せず、変わらずその関係を続けていた娘も悪いと思っています」

「お父さん! 私は……!」泣きながら「私はなんにも悪くない、悪いのは自分を騙したこの男」そう主張することを止めない娘……信じていた相手に裏切られ、傷ついているわが子の気持ちもご両親は分かっていたと思います。分かっているからこそ興奮している娘をたしなめ、ご両親は立ち上がり、

「この度は本当に申し訳ありませんでした」そう言って深々と頭を下げていました。

不倫相手のご両親は、騒ぎ立てる娘に困惑している様子でした。最初は知らなかったとはいえ、既婚者と分かって不倫をしていたのは紛れもない事実です。これ以上騒ぎが大きくなって、近隣におかしな噂でも立ったらかなわないとでも思ったのでしょう。相手のご両親からは「自分たちが頭を下げるので、この話はどうかこれで終わりにしてほしい」との切実な思いが伝わり、私も謝罪を受け入れました。

話し合いの結果、「もう二度と会わない」という念書も取り交わし、この不倫関係はきっぱりと清算されました。

「これでやっと、面倒なことが全部片付く」そう言わんばかりにホッとした様子を見せる旦那とは裏腹に私は、これで終わったとも、家族が元通りになったとも……なんとなく思うことができませんでした。

「私はいったいどうしたいんだろう……?」話し合いを眺めながらずっと考えていました。

参考:広辞苑 第七版「念書」

「念書」を取り交わして終わり。そう、これで旦那と不倫相手の関係は誰もが目に見える形で終了したのです。しかし決して私の心がすっきりと晴れたわけではありません。私はいったい、この先どうすべきなんだろう……。その答えをだすにはまだ時間がかかりそうです。

「あの……、本当にすみませんでした。やっぱり俺はママと子どもたち、この家族が大事なんだ」

「もう浮気なんてしないから! ママが大事だってわかったんだよ」

「それに来年には単身赴任も終わるんだ。また一緒に暮らせるから」私たちの? いえ、そうではありません。これから始まる自分の明るい未来についての話をする旦那に私は、

「そうね、あなたの単身赴任は終わるんだったわね……。ああ、そうだ。あと、これよろしく」そう言って私が渡したものに、

「えっ……? これって……」旦那は驚いて言葉も出ないようでした。

「私はもう書いてありますから」そう言って私は旦那に離婚届を差し出したのです。想像もしなかった私のこの行動に旦那は、なんとかしないとと焦りはじめたようです。

「どうして俺たちが離婚するの? 全部終わって、解決したんだから俺たちやり直すんじゃ……?」「解決した? 私たち夫婦の問題は別でしょ?」

「あなたには慰謝料と養育費を請求します。もちろん、不倫相手には慰謝料を請求するから」「……え? なんでそんな」

確かに旦那と不倫相手の問題は解決したかもしれませんが、夫婦の信頼関係はすっかり失われてしまいました。この人は何一つ自分でしない、全部人に丸投げ。「もう、無理」。旦那の対応によってはやり直すことも考えていましたが、どこまでも他人事な態度につくづく愛想が尽きたのです。その後……。

私たち夫婦の離婚が成立。旦那からは毎月きちんと養育費も振り込まれています。

私はこれまで通り、仕事も家事や育児も一人でこなす毎日を過ごしています。旦那のいない生活に、子どもたちも慣れているのです。

「子どもを4人抱えての離婚」なんて、かなり思い切ったことをしたと思います。これからの未来、不安はまったくない……と言ったら嘘になります。でも離婚を決めて私の気持ちはスッキリしていました。旦那の不貞をそれとなく悟った子どもたちは、みんな私の味方をしてくれています。これからは4人の子どもたちと助け合って生きていきたいと思います。


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