「これ欲しかった」の宝庫!マツキヨココカラ(※)の「matsukiyo」がすごい
おなじみ「マツキヨ」には、独自に開発したプライベートブランド(PB)商品があるのをご存じですか?
つい手に取りたくなる魅力いっぱいの商品。その開発の裏側を取材しました。
※2021年にマツモトキヨシホールディングスとココカラファインが統合し、マツキヨココカラ&カンパニーが誕生しました。
高品質でユニークな商品を次々と開発
松戸市長も経験した実業家・松本清氏が創業した千葉県発祥のドラッグストア「マツモトキヨシ」。
2000年ごろに「MKカスタマー」として誕生したプライベートブランドは、2015年に「matsukiyo」として生まれ変わりました。
以来、医薬品、化粧品から日用品まで数々の名品を世に送り出しています。
コンセプトは「毎日の暮らしをより美しく、健やかに、楽しく彩るアイデアを利かせたブランド」。
品質の良さや品ぞろえの充実さはもちろん、面白さや楽しさを取り入れて、消費者に「驚き」と「感動」を提供しています。
「当社(編集部注:マツキヨココカラ&カンパニー)はグループ理念として『未来の常識を創り出し、人々の生活を変えていく』を掲げていますが、未来の常識って今の非常識なんです。
常識にとらわれずに挑戦することが、お客さまの期待の一歩上を行く商品の誕生につながると考えています」と話すのは、商品開発部の櫻井さん。
例えば男性用メイク。
まだまだ日本ではなじみがないかもしれませんが、未来には常識になっているかも。
「今、常識でないならそれはなぜかを起点に、商品やプロモーションを企画しています」
まだある! 開発裏話
マツキヨスラッシュ
「マツキヨ」ロゴと同じように、右に19°傾いた斜線・通称「マツキヨスラッシュ」をパッケージには必ず使用。
「右肩上がりで斜め前に力強く進んでいく」という意味が込められています。
バズる「仕掛け」
「推し」のカラーをさりげなく取り入れるなど、「分かる人には分かる」仕掛けで、SNSなどで注目を集めた商品も多数。
購買データを活用し魅力的な商品を展開
プライベートブランドの中でも「独立型ブランド」と呼ばれるラインナップは、PB商品とは気づかずに手に取る人も多いそう。
2006年に誕生した「ザ・レチノタイム」は、約18年間愛されるロングセラーのブランド。
オーガニックコスメブランドの「アルジェラン」は、国内唯一の生産農家から仕入れる榧(かや)オイルをはじめ国産原料にもこだわり、地域創生にも貢献しています。
株式会社コーセーと共同開発した敏感肌化粧品「レシピオ」は、マツキヨココカラ&カンパニーの経営統合第1弾の新ブランドとしても注目されました。
これらの商品開発の強みとなるのは、全国のマツキヨから集まる購買データ。
「我々は会員カードやアプリなど、約1億4000万を超えるお客さまとの接点を持っています。そのデータから購入商品を分析し、仮説としてお客さまの特徴を分類しているんです。例えばハンドソープ。パッケージに家族の絵が描かれた商品を購入するのは家族思いの方、一方で美容成分がウリの商品を手に取るのは美意識の高い方と考えられますよね」と櫻井さん。
アンケート調査とは異なり、知らず知らずに自分の価値観が反映される日々の購買行動。
そんな貴重なデータから商品ごとに求められる機能や成分を割り出し、開発に当たるため魅力的な商品を次々と生み出すことができるのです。
さらに店舗スタッフを中心に、接客で知り得た情報を企画に生かす会議「PBアイデア創出コミッティ」も定期的に開催しているそう。
毎日のお買い物がより良い商品の開発に結び付くのは消費者としてもうれしいところ。
「かゆい所に手が届く」アイテムの裏には、綿密なデータ分析と消費者に寄り添う真摯な姿勢がありました。
歴代HIT商品
ヒルメナイドシリーズ
ヘパリン類似物質配合のシリーズ。従来処方箋が必要な保湿剤を店頭でも購入できるようにと開発。
エクストロングシリーズ
「魔剤」と称されるエナジードリンク。
パッケージからは予想できない液体の色で視覚からも刺激を注入。
指にまきやすい絆創膏
小学生によるアイデアを採用して商品化。
パッドを端に寄せることで巻きやすさを追求した今までにないアイデアが話題に。