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夏の甲子園を席巻した“滋賀学園旋風”。その応援の舞台裏を取材しました!

しがトコ

滋賀学園応援スタイル

【滋賀学園チアリーディング部コーチ村井三幸さんインタビュー】

この夏、キレキレダンスの応援で
甲子園を熱く盛り上げ、一躍、時の人となったのは
「滋賀学園高等学校」の応援団でした。

しがトコYouTubeで公開した動画も
再生回数がなんと50万回超え!

「野球部だけでなく、彼らもまたこの夏の主役だった!」
「滋賀学園の応援は甲子園の歴史を変えたのは事実!
これだけアルプスを注目したのは初めてです!」
など多数のコメントも寄せられました。

野球にかけた高校生たちの最後の夏。
その夢を応援に託した控え部員たちの奮闘と
アルプス全体を巻き込んだ応援が
100周年を迎えた甲子園の記録に刻まれました。

応援の舞台裏には過去15年間で10回
甲子園の応援スタンドに立ったキーマンの存在も。
この夏、熱狂の渦を巻き起こした
滋賀学園の応援の舞台裏を取材しました。

この夏の主役となった滋賀学園

(引用:毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20240817/k00/00m/050/115000c)

第106回全国高等学校野球選手権大会に
滋賀県代表として滋賀学園高等学校野球部。
初のベスト8進出とともに、
アルプス席の最前線でキレキレで踊る野球部応援団の姿が
SNSで拡散され話題となりました。

そんな甲子園の熱も冷めやらぬ、8月下旬。
野球部3年生とチアリーディング部が久しぶりに顔を合わせるということで
しがトコ編集部は滋賀学園高等学校へ行ってきました。

キレキレダンスはどうして生まれた?応援の裏側に迫るインタビュー

夏の甲子園は15年ぶり2回目の出場となった滋賀学園。
話題の野球部とチアリーディング部に会う前に
チアリーディング部コーチの村井三幸さんにお話を伺います。

中庭にある甲子園出場の記念石碑の前に立つ村井さん。
こんがりと焼けた肌は、野球応援の名残でしょうか。

普段から生徒や保護者さんからは
“みゆき先生”の愛称で親しまれてるそうなので
ここからは私たちも“みゆき先生”とお呼びさせていただきます!

__みゆき先生、よろしくお願いします!
早速ですが、今年、滋賀学園は久しぶりの甲子園出場でしたが、その応援スタイルは今回新たに作られたものなのでしょうか?

みゆき先生:いえ、ずっと同じことをやってます。7年前に春のセンバツに滋賀学園が出場したときも同じ応援スタイルでやってたんですけど、そのときはまだSNSでバズるってことがそれほどなくて。新聞の紙面上では結構バズってたんですよ。当時は小学生だった私の息子も野球部応援団の仲間に入れてもらって応援してて。新聞各紙を飾りましたね(笑)。基本的に今回の甲子園が特別だったわけじゃなくて、常に地方大会からずっと同じスタイルの応援をやってきてます。

今回応援つくるときも「絶対に有名になる応援を作れる自信があるから、あとはあんたたちがただやるだけやで。頼むよ」って野球部の応援団にも言ってて、それにみんなが答えてくれたって感じです。

__SNSで話題になった荒井くんたちともずっと一緒に?

みゆき先生:夏の大会前とかは野球部も一緒に練習するんで、そのときは荒井くん中心に。本番は荒井くんが先立って踊ってるんですけど、練習のときは上から見て「おい、そこできてへんぞ」とかって指示だしたりとかしてね。
ただやっぱり目立つと賛否両論でてしまうので、応援の目的は間違えないようにってところはめっちゃ言いました。主役は野球部の選手だし、やり過ぎるとだめなんでね。

開幕戦となった初戦、野球部応援団は「俺らの応援で勝たせる!」と意気込んでたし、私たちチアもアルプスを巻き込む応援をするようにがんばりました。

__今回の応援は全部で何パターンあったんですか?

みゆき先生:15曲ありました。12曲は県大会から一緒で、「メガロバニア」と「A列車で行こう」と「スウィング」は甲子園用にジャズオーケストラ部の先生が用意してくれました。私の中では、メガロとA列車がチャンスの曲としてもっていきたかったんで、メガロはSNSで、A列車はアルプスにいる人みんなで楽しめたらいいなと思って応援の振りを作ったんですよ。

A列車で、アルプス全体が揺れるように動いたときは、やった!と手応え感じましたね。

__コミカルな動きも滋賀学スタイルですか?

みゆき先生:そうですね。ずっとみんなで、真面目に面白い応援をしてきてます。コロナ禍もあって、ちょうどいまの3年生が入学したときから声出し応援が復活できた年なんですよ。だから、いまの3年生の親御さんとかは「滋賀学の応援ってこんなんやったん?めっちゃ楽しいやん!」って一緒に手伝って、声もだしてくれてます。

普通、アルプス席は野球部の後ろに保護者という配置が多いんですけど、うちは保護者も一緒に応援してほしいから、野球部と保護者席を横並びにしてて。地方大会からみんな一緒に応援やってるんで、甲子園ではもうノリノリです。

じつは応援のプロ?!過去15年間で甲子園応援に10回出場!

じつは、みゆき先生は滋賀学園が出場したときだけでなく、
他の学校が滋賀代表として春のセンバツや夏の甲子園に出場するときにも
応援指導の依頼をうけて、過去15年間で10回も応援スタンドに立ち、
滋賀の野球応援を牽引してきたと言っても過言でない、陰の立役者なんです。

__15年間で10回甲子園応援に参加されてるということですが、そもそも初甲子園はいつですか?

みゆき先生:2009年の春のセンバツに彦根東高校が21世紀枠で選ばれたときに、知り合いの先生が彦根東におられて「21世紀枠に選ばれたんやけどチアどうしようか」って相談もらったのが最初です。で、なんとその年の夏に、滋賀学園も甲子園に出れることになりまして。ちょうど滋賀学園で高校生と一緒に活動するキッズチアチーム「レイカーズ」を作ってたときだったので、小学生も一緒に応援するってスタイルでやってました。

その後、たまたま膳所高校に進学した教え子から相談うけて、応援班のチア指導に来てほしいって言われて、外部コーチとして関わり始めたのが2017年で。そしたら、その次の年の春のセンバツに膳所が21世紀枠に選ばれて。そのときは、膳所と彦根東と近江、滋賀から3校がセンバツに出場したときだったので、膳所と彦根東を行き来しながらどっちもの応援をみて「試合がかぶったらどうしよう?」なんて言いながら応援作ってました。
そんな感じで、彦根東、滋賀学園、膳所、彦根総合が滋賀代表になったときに応援に呼んでもらってたので、今回が10回目の甲子園応援となりました。

アルプススタンドの応援席は1枚の絵

__みゆき先生が応援をつくるときに心がけていることはありますか?

みゆき先生:私はアルプスは1枚の絵だと思ってて。みんなで作った1枚の絵が、相手のピッチャー、相手の選手、相手の応援団を圧倒することを考えて作ってます。だから、チアだけが頑張っても絶対良くないし、吹奏楽の音があって、そこに応援団がいて、そのなかのチアリーダーなので。私たちが応援をリードして周りに波及させていって、観客みんなが一緒に応援してくれたらいいなって思ってます。

実際に甲子園のアルプスに行ってもらったらわかると思うんですけど、チアが「せーの」とかめっちゃ言うんです。それは周りの人にも波及してほしいと思ってるからで、だから応援もみんなで一体となって盛り上がれるものを考えるようにしてます。

応援の力で滋賀を元気に!

みゆき先生は、ずっと学生時代からチアリーディングを続けています。
15年前に滋賀学園にキッズチア「レイカーズ」を立ち上げたのも
人に力を与えたり、元気づけたりできるチアリーディングの魅力を
もっとたくさんの人に知ってほしいとの想いから。
県内のイベントやスポーツ大会で、レイカーズは演技披露を続けています。

__最後に、みゆき先生の原動力はなんですか?

みゆき先生:応援させてもらえる、応援してありがとうって言ってもらえるっていうのは、そんな楽しいことはないし、それが原動力です。
普段のチアの演技披露と違って、野球応援は周りの反応がダイレクト。チアが声をかけたりして、周りを盛り上げていく。ほんとにチアリーダーだなって思います。

コロナ禍で声出し応援も制限されて、手拍子だけの応援のときもあったけど、試行錯誤してやってきて、ほんとにいまが楽しいです。

野球部3年生とチアリーディング部が全員集合!

みゆき先生が作り上げてきた滋賀学園の応援スタイルは
この先もずっと続いていきますが、今年の見納めとして
甲子園ではベンチ入りしていたメンバーも一緒に
野球部3年生のメガロバニアを披露してくれました!

最後にはチアリーディング部から野球部へメッセージも届けていました。
「2年半、本当にお疲れさまでした。地方大会から甲子園まで応援させてもらうことができて本当に嬉しかったし、楽しかったです。選手のみんなも、応援のみんなも、全員ほんとにかっこよかったです」。

見ているだけでも自然と笑顔になって
元気がもらえる滋賀学園の応援は
間違いなく、この夏の主役でした!

(取材・文・撮影 しがトコ編集部)

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