寿がきや〝冬の塩ラーメン〟今シーズンも登場 恒例の「コク塩」離れた「青唐辛塩」の超強烈インパクト
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
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第百四十九回 寿がきや食品「しおらーめん進化監修 青唐辛 塩ラーメン」
文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。
「ご当地カップ麺」連載の第百四十九回目となる今回は、寿がきや食品の「しおらーめん進化監修 青唐辛 塩ラーメン」をレビューします。
「町田汁場 しおらーめん進化」は、東京・町田にある塩ラーメンの人気店です。
東京・町田「しおらーめん進化」監修のカップ麺
寿がきや食品は、毎年冬に「冬のコク塩ラーメン」というカップ麺を発売。10年以上恒例化していました。
テコ入れのためか、2020年に「町田汁場 しおらーめん進化」が「冬のコク塩ラーメン」を監修。その後も21年冬は「コク辛塩ラーメン」、22年冬は「煮干香る コク塩ラーメン」、23年冬は「生姜香る 背脂コク塩ラーメン」と、「進化」監修の塩ラーメンが登場してきました。
そして24年冬に登場したのが、「青唐辛塩ラーメン」。ついに「コク」というワードも消えてしまいました。
定価は税別298円で、高級価格帯となっています。
内容物は麺と別添袋3つ。うち、先入れの袋は「かやく」のみです。
「かやく」の袋の中には丸い形のチャーシューが入っています。
他の2袋は湯戻し後に投入します。
穏やかさと凶暴さを併せ持つスープ
油脂をたっぷり浮かせ、青唐辛子を強く効かせた鶏ベースの白醤油味のスープに、中細で縮れのついた油揚げ麺と、チャーシュー1枚、3種のネギを組み合わせています。
スープは鶏ベースに白醤油を合わせた澄んだ色合いで、それ自体は塩味が刺さらずに甘みすら感じられる穏やかでやさしい味わい。
さすが塩ラーメンの名店による監修だけあって、主役の青唐辛子抜きでも十分に成立する塩味スープでした。
スープ表面には鶏油などの油脂が浮き、スープの刺さらない味わいにさらに丸みを加えているのですが、その一方で、青唐辛子が強烈に効いています。辛みは強く、大辛レベル。
スープのベース部分が甘みを感じる穏やかさなので、青唐辛子の凶暴ぶりがより強調されていました。
また、単に辛いだけではなく赤唐辛子とは違う青唐辛子ならではの青臭さが感じられ、後に残らない爽やかで独特な辛さが楽しめます。
3種のネギやフライドガーリックでアクセント
麺は中細で緩やかにウェーブがかったノンフライ麺。
お店の麺はストレートのようなので、今回はお店の麺を再現したものというよりは、寿がきや食品の既存の麺から近いものを選んでいるようです。
それほど主張の強くない麺なので、スープの青唐辛子の青臭さやベースの鶏の旨みをきちんと引き立てていました。
具は3種のネギとフライドガーリック、そしてチャーシュー。
3種のネギは青ネギ、白ネギ、焦がしネギで、色味が華やかです。風味が目立っていたのは焦がしネギでした。
風味で目立つといえば、フライドガーリックも。辛味、鶏に続く第3の柱としてスープの味にアクセントを加えていました。
と、ここまで欠点らしい欠点がなかった今回の商品ですが、税別298円の高額商品の割にはチャーシューが貧弱。
安価品で使われていそうな薄さと肉感のなさです。
他にあまり欠点が見当たらず素晴らしかったので、チャーシューの安っぽさが逆に目立ってしまっている印象でした
町田のようなハイブリッドな一杯(こじつけ)
東京・町田の「しおらーめん進化」監修による、「冬のコク塩ラーメン」の流れをくむカップ麺でしたが、青唐辛子の後に引かない辛さが際立つ、冬よりもむしろ夏のような爽やかさを感じる一杯でした。
辛味と爽やかさのハイブリッド「青唐辛」を食べて、東京と神奈川のハイブリッドな街「町田」の雰囲気を感じてみるのはいかがでしょうか。
......って、これはさすがにかなり無理矢理なこじつけですね。
筆者:オサーン
カップ麺ブロガー。十数年前に出会った「日清麺職人」のおいしさに感激したことがきっかけでブログを開設。「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」で毎週発売される新商品を食べて毎日レビューしています。豚骨スープとノンフライ麺の組み合わせがお気に入りですが、実はスープにごはんを入れて食べるのが最も至福の時です。 X(@ossern)