小林英二中区長インタビュー 子育て・共生社会に注力 100周年視野にまちづくり
2025年のスタートに合わせ、本紙は中区の小林英二区長に対面でインタビューを行った。小林区長は子育てや共生社会の実現、防災の取り組みに注力していく考えを示した。
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――2024年の事業を振り返り、印象的なものを教えて下さい。
「子育て支援策の一つとして、夏休みの自由研究に役立ててもらうために、区役所や企業の仕事などを体験してもらう18個のプログラム『なかくっこ自由研究大作戦』を行いました。夏の期間には子どもと保護者を合わせて689人の方に参加していただきました。企業の方にも区役所とコラボすることのメリットを感じていただけたようです」
――子育て支援策に力を入れていますね。
「子育てに関わる保育園や主任児童委員、社会福祉協議会の方などが集まる『子ども・子育てネットワーク連絡会』を昨年10月に立ち上げました。初顔合わせの方も多かったのですが、顔の見える関係づくりにつながったと思います。今後は集まるだけではなく、困った時に相談ができるような関係が作れればと思います」
――そのほかに印象に残るものは。
「中区は人口の約11%が外国籍か外国にルーツがある方です。外国人住民の方に向け、生活情報などを記載したホームページを紹介する多言語のチラシをコンビニエンスストアやドラッグストアなど、47カ所に掲示することを始めました」
防災専門家を派遣
――能登半島地震を受けて、防災への関心が高まっています。
「中区は住戸数の74%がマンションなどの共同住宅です。自治会町内会に加入していない方も多く、防災組織がないところも多いです。そこで、防災の専門知識を持つ『マンション防災アドバイザー』を派遣する事業を始めました。最新の国勢調査によると、中区は昼間の人口が夜間に比べて1・7倍近くになります。中区で働く方、観光客も多く、災害時に家へ帰れない方が多く出ることが予想されます。帰宅困難者を受け入れる訓練にも取り組みました」
――25年の取り組みについて教えて下さい。
「国籍やルーツ関係なく、誰もが安心していきいきと暮らせるまちを目指すための『中区多文化共生推進アクションプラン』を26年に改定する予定です。それへ向けて、地域ニーズを把握しながら、プランづくりを進めていきます」
――27年の中区制100周年へ向けては。
「100周年の記念事業を行う実行委員会を立ち上げます。区民の皆さまにも100周年を知っていただく取り組みを進めます。また、27年は『GREEN×EXPO2027』が行われる年です。脱炭素化へ向けてどのように行動を変えていくかということも含めて、まちづくりを進めていきたいです」