ミドルゲームに適しているのはアジングロッドかメバリングロッドか?検証してみた
ミドルゲームにおけるアジングロッドとメバリングロッドの適性を比較し、どちらがより効果的かを考察しました。それぞれのロッドの特徴やメリット・デメリットを解説します。
ミドルゲームに適したロッドはどっち?
「ミドルゲーム」には、専用のロッドが確立しておらず、エギングロッドのMLクラスか、アジングロッドのキャロやメタルジグ用、メバリングロッドのプラグ用などを、ウエイト範囲から判断し代用品として使用してる状況です。
そこで今回は、「アジングロッド」と「メバリングロッド」の2種のカテゴリーに絞り込み、双方のどちらがロッドの性格から向いているのかを考察釣行してみました。
比較するタックル
アジングロッドとメバリングロッドの双方には、同じリールを装着して、PEの太さも 0.4号と統一し、同じフィールドにて考察釣行を行います。
アジングタックル
ロッド:TZS-S632AJI
リール:12’レアニウム2500S
ライン:PE0.4号
リーダー:フロロカーボン1.7号
メバリングタックル
ロッド:ZAT-T732M
リール:12’レアニウム2500S
ライン:PE0.4号
リーダー:フロロカーボン1.7号
メバリングロッドは乗りが良い
少しレングスが違う事はご容赦ください。また用意したのは「チューブラティップ」です。チョイス理由は、流石にボトム感知が出来ないと厳しいと判断した為です。
流石、メバリングロッド……。ルアーをほぼ丸呑みにされる程、「乗りの良さ」が光ります。リトリーブ中に違和感無く喰わせられるのは、最大のメリットと言って良いと思います。
しかし、この柔らかいティップとベリーがデメリットになるシチュエーションもありました。
ボトム感知後、直ちにロッドを煽り、ボトムバンピングのアクションで誘い、高確率でヒットする状況では、アコウの遊泳能力に負け、「根に巻かれる」と言った最悪の状況が頻発したのです。
コレは痛いです。探るレンジもかなり上擦る為、釣果から遠のく最大のデメリットと感じました。
アジングロッドは感度抜群
ソリッドティップでありながら張りのある味付けの為、微かなアタリも逃さないアジングロッドの反響感度は、ボトム感知やボトムトレースではかなり有効でした。
更に、魚信を最短で感知出来る為、フッキング後、早めに主導権を握れるので、取り込み確率も高い印象です。また、メバリングロッドでは根に巻かれる様なレンジでも、安心してやり取りが出来て、容易に浮かせることが可能でした。
しかし、その反面でショートバイトが多発する場合は、その特徴的なティップの性質が影響し、ヒットに繋がらない状況が多発、コレはデメリットとしてカウントする事に……。
根掛かりの回避能力
メバリングロッドでは、乗りの良さから分かる様に、ティップとベリーが喰い込み重視で柔らかい為、ボトム感知が遅れてしまうと、高確率でボトムスタックが発生します。
また、ボトムスタックを解く為のパワーがティップとベリーに足りず、最悪な場合は根掛かりを起し、ルアーロストとなってしまう状況も考えられました。
対するアジングロッドでは、感知能力が高い為、根掛かりを回避し易いイメージです。また、ボトムスタックした際も、張りのあるティップとベリーが良い仕事をしてくれて、容易に解く事が出来ました。
これは、ルアーロストを回避出来る安心から、よりストイックなレンジを、コンスタントに攻める動悸に繋がり、釣果を伸ばせる可能性を期待できました。
釣果の違い
カサゴについては、両者のロッドとも安定した釣果を得られましたが、良型のアコウのやり取りでは、激しい突っ込みに耐えれず、メバリングロッドでは根に巻かれてしまい、対応が難しいと判断する場面がありました。
対するアジングロッドでは、ショートバイトを感知するも、せっかくのアタリを弾いてしまい、ヒット率が下がる印象でしたが、フッキングに持ち込めれば、高確率でキャッチ出来るので、結果として、アコウに限ってはアジングロッドでのみ釣果を得られました。
比較したまとめ
メバリングロッドもアジングロッドもリグのウエイト範囲は同等の物で考察しました。ティップからベリーの入り方が、双方で大きく異なる点においては、各々にメリットとデメリットが明確化されたと思います。
ミドルゲームでは、やり取りの主導権を握る必要がある為、使用しているリールがハイギアモデルであっても、魚のトルクが強過ぎる状況においては、「柔らかい喰わせ重視のロッド」では、完全に「ノサレ」てしまい、結果「根に巻かれてしまう」と言ったケースが増えてしまいます。
当然の回答ですが、水深と活性を考慮してエントリーするならば、「ツータックル体制」が、ベターだと思います。
ミドルゲームとは言え、大型も出る可能性があるフィールドならチニングロッドが適任なのかも知れませんが、ロッド選びの際に、ベント特性思案と見極めにご活用出来たらと考察致しました。
<松永一幸/TSURINEWSライター>