リハスワーク北新横浜 B型事業所、開所から1年 障害者も“支える”側へ
就労継続支援B型事業所「リハスワーク北新横浜」が5月1日、開所1年を迎えた。障害者差別解消法の改正により、事業者も合理的配慮の提供が義務化される中、同事業所は利用者の自立に向け、最適な支援を求め続けている。
「役に立つ」実感を
(株)リハスが運営するリハスワークは、”障がいがあってもはたらく・稼ぐ”をスローガンに掲げる。長年、作業療法士として病院勤務をしていた同事業所センター長の長野愛さんは、「障害のある人々は誰かに支えられることが多いと感じていた。ハンデがあっても支える側になる手伝いができないか」と考え、フランチャイズ契約をする形で同社に参加した。
同事業所の利用者は現在、精神(発達)・知的・身体障害がある20代から80代までの23人が所属。本社拠点がある石川県の県木”能登ヒバ”を使用した商品制作・加工、梱包作業やポスティングなど多様な作業を行っている。「商品加工ひとつとっても、その人の得意な作業ごとに振り分けられる」と長野さん。個性や能力に合わせた配慮を忘れない。
合理的配慮と現場の模索
昨年4月に施行された改正障害者差別解消法は、これまで努力義務であった事業者による「合理的配慮」の提供を”法的義務”とするもの。合理的配慮とは、障害のある人から、社会の中にあるバリアを取り除くための何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられた際に、過重な負担のない範囲で対応するものだ。
長野さんは、「日々の支援の中で、利用者のニーズに応じた柔軟な対応は既に行ってきた」と語る。具体例として、両手での作業が推奨される機械に対し、片手が不自由な利用者が安全かつ効率的に作業できるよう補助具を導入したり、定期的なヒアリングを通じて利用者の苦手なことや得意なことを把握し、可能な限り適切な役割分担を行ったりしている点を挙げた。
一方で、「ある利用者にとって最適な配慮が、他の利用者にとっては必ずしもそうとは限らない」という合理的配慮の難しさも認識している。「(事業所としては)判断する際に、道徳的な配慮ができているのか、一歩引いた視点でいたい。常に情報を収集し、学び続ける姿勢が大切」と強調する。
内閣府の相談窓口も
内閣府では、障害者差別に関する相談窓口「つなぐ窓口」を設けている。同法に関する質問への回答及び障害を理由とする差別等に関する相談を自治体・各府省庁等の適切な相談窓口に円滑につなげるための調整・取次を行うことを目的としている。午前10時から午後5時まで(祝日・年末年始を除く)。
(問)【フリーダイヤル】0120・262・701