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華麗に夜空を舞う“月下の奇術師”──『名探偵コナン』怪盗キッドの情報まとめ|登場回一覧や注目エピソード、プロフィール、正体、両親、好敵手、ビッグジュエルを狙う理由など一挙に解説!

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

『名探偵コナン』は、週刊少年サンデー(小学館)にて1994年より連載中の青山剛昌先生が描く人気推理漫画。TVアニメシリーズは長きにわたり親しまれ、劇場版も大ヒットを記録しています。

怪盗キッドは“月下の奇術師”や“令和の魔術師”の名でも呼ばれ、巨大なイリュージョンのような鮮やかな手口で人々を熱狂の渦に巻き込む大怪盗。1987年より連載中の『まじっく快斗』からのゲストキャラクターです。

本稿では、そんな怪盗キッドの情報をまとめてご紹介。登場回一覧や注目エピソード、プロフィール、正体、両親、好敵手、関連人物、ビッグジュエルを狙う理由など一挙に解説していきます。

※本稿には、『名探偵コナン』『まじっく快斗』のネタバレが含まれます。

 

【写真】『名探偵コナン』怪盗キッドの解説・情報まとめ&登場回一覧

怪盗キッドのプロフィール

 

年齢:17歳
身長:174 cm
体重:58 kg
血液型:B型
誕生日:6月21日
CV:山口勝平さん

ビッグジュエルを専門に盗みを働く、神出鬼没で大胆不敵な大怪盗。犯行前には予告状を用意し、観客(野次馬)の前で華麗に獲物を盗み出します。変装が得意で、声色も自由自在。鍵開けの能力にも長けています。

国際犯罪者番号の「怪盗1412号」が正式名称で、当時若手小説家であった工藤優作が「1412」のナンバーを「KID」と読んで「怪盗キッド」の愛称が定着。他に「月下の奇術師」「令和の魔術師(ウィザード)」などの呼び名もあり、灰原 哀は「ハートフルな泥棒」と評しました。

怪盗キッドが最初に出没したのは18年前のパリ。その10年後に忽然と姿を消して死亡説も流れましたが、さらに8年後の現在、再び復活して主に日本で活動しています。

数々の特殊な道具を使用

白スーツにマントを羽織り、シルクハットと右目にはモノクル(片眼鏡)を装着。モノクルのクリップ部分は四葉のクローバーのマーク入り。華麗に出現してキザな言葉と魔法のようなマジックを披露するキッドは、特殊な道具を駆使しながら獲物だけでなく人々の心をも掴んでしまいます。

折りたたみ式ハングライダーはマントの下に仕込まれており、ベルトのバックルに収納されたリモコンを使って開閉。トランプカードが発射されるトランプ銃は、基本的に殺傷能力はなく、主に威嚇や牽制で使用しています。

怪盗キッドが守り抜くルール

怪盗キッドは殺傷能力の高い武器は使用していません。決して人を殺すことはなく、キッドを追う中森警部やコナンも、「怪盗キッドは殺人をしない」という認識を持っています。

宝を盗む前に必ず予告状を出すのもキッドのルールで、キザな文言と難解な暗号、似顔絵のマークが特徴。警察はこの似顔絵マークで本物かどうかを見分けているようです。また、盗んだお宝が目当てのものでなければ速やかに返却します。

 

怪盗キッドの正体は黒羽快斗(くろばかいと)

世間を騒がせる怪盗キッドの正体は、江古田高校2年生の黒羽快斗。初代怪盗キッドである父・黒羽盗一の後を継ぎ、二代目怪盗キッドとなりました。世界的マジシャンである父親から教わったマジックは見事な腕前。日常的にマジックを披露し、お調子者ですが誰からも好かれる人気者です。

優れた記憶力、鋭い洞察力、高い推理力の持ち主で、IQ400の天才かつスポーツも万能(アイススケートは苦手)。嫌いな食べ物は魚で、目にするのも嫌がるほど。工藤新一とは顔が瓜二つで声も似ています。(声優は共に山口勝平さん)

 

元々は『まじっく快斗』のキャラクター

 

『まじっく快斗』とは?

『まじっく快斗』(著:青山剛昌先生)は1987年より連載中の漫画。主人公・黒羽快斗=怪盗キッドがマジックを駆使して華麗な盗みを披露する人気作です。登場人物の名前に色が入っているのが特徴。

『名探偵コナン』でもお馴染みの怪盗キッド、キッドを追う中森銀三警部、高校生探偵の白馬 探らは、『まじっく快斗』からのゲストキャラクターなのです。

TVアニメ『まじっく快斗』が2010年4月から不定期で放送。その後、TVアニメ『まじっく快斗1412』が2014年10月からレギュラー放送されました。

ビッグジュエルを狙う理由

世界的マジシャンである初代怪盗キッドの黒羽盗一を父に持つ快斗は、父の死の真相を探るため2代目怪盗キッドになることを決意しました。マジックショーでの事故死だと思われていた盗一ですが、実は何者かに殺害されたのだといいます。

後に、犯人は伝説の宝石・ビッグジュエルを追う謎の組織であることが判明。世界中に散らばるビッグジュエルのいずれかには、命の石「パンドラ」が眠っており、不老不死の力を秘めていると言われています。宝石を月の光にかざすと、パンドラが隠されているかどうか分かるのだそうです。

パンドラをめぐって父が組織の人間に殺されたと知った快斗は、組織よりも先にパンドラを見つけ出して破壊することを目的に、獲物をビッグジュエルに絞って狙い続けているのです。

7年ぶりに『まじっく快斗』の最新話が掲載

週刊少年サンデー2024年20号、21号、22・23合併号にて、『まじっく快斗』の7年ぶりとなる最新話が登場。「グリーン・ドラゴンの巻」のタイトルで前編・中編・後編と3週連続で掲載されました。

 

父は初代怪盗キッド/黒羽盗一

快斗の父親は黒羽盗一(くろばとういち)。「東洋の魔術師」と評される世界的なマジシャンにして初代怪盗キッド。8年前にマジックショーの事故で命を落としたと思われていましたが、実はパンドラを狙う組織により殺されたといいます。(その後、「怪盗コルボー」という黒い衣装を纏う怪盗が登場しており、正体不明ですが盗一そっくりの姿や口調で快斗の前に現れました。)

快斗がかなわない手品師は世界でただ一人、尊敬する黒羽盗一だけ。盗一が幼い頃の快斗に教えた「ポーカーフェイスを忘れるな」というマジシャンの心得は、今も快斗の中に強く残っています。

 

母は怪盗淑女(ファントム・レディ)/黒羽千影

快斗の母親は黒羽千影(くろばちかげ)。元泥棒で通り名は怪盗淑女(ファントム・レディ)。「昭和の女二十面相」と謳われた女盗賊であり、凄腕で知られていました。18年前、殺されそうになっていたところを当時怪盗キッドであった盗一に助けられ、そのまま口説かれて怪盗を引退。

怪盗淑女を世間の記憶から消してその身を守るため、盗一は自身が大怪盗になることを決意。マジックショー用にあつらえたアルセーヌ・ルパンをオマージュしたという衣装を怪盗用の衣装とすることに。現在千影は海外に滞在していますが、怪盗キッドを継いだ息子のことを気にかけています。

 

黒羽家と工藤家の関係

 

工藤新一の母・工藤有希子は、変装術が得意な元大女優。かつて役作りのために盗一に弟子入りしており、友人であるシャロン=ヴィンヤード(ベルモット)と共に彼から変装術を学びました。有希子は幼い快斗とも会ったことがあります。

新一の父・工藤優作は世界的に有名な小説家で、代表作は『闇の男爵(ナイトバロン)』シリーズ。若き日の優作が、新聞記者による走り書きの「1412」を「KID」と読んだことから「怪盗キッド」いう呼び名が広まり、結果的に名付け親に。

当時のキッドは盗一であり、超人的推理力を持つ優作とは良きライバル同士。奇しくも現在は息子たちにその関係が引き継がれています。盗一と優作の関係については、劇場版第27作『100万ドルの五稜星』にて重大な事実が明かされました。

 

「キッドキラー」江戸川コナン/工藤新一

 

キッドとコナンは泥棒とそれを追う探偵という関係。「キッドキラー」とも呼ばれるコナンですが、実はコナンよりも先に新一がキッドと対決しています。「集められた名探偵! 工藤新一VS怪盗キッド」では、新一が警察に協力してキッドを追い詰めていました。

キッドは「コナン=工藤新一」の秘密を知るうちの一人で、容姿が似ていることを利用して新一になりすますことがあり、時にその変装でコナンの身バレを防いで窮地を救うことも。コナンがあえてキッドを見逃す場面もあり、馴れ合うことはなくとも互いに認め合い、状況によっては協力関係になることもあります。

 

怪盗キッドを追う高校生探偵・白馬 探

江古田高校2年B組の白馬 探(はくばさぐる)は、警視総監を父に持つ、英国帰りの高校生探偵。キッドと同じく『まじっく快斗』からのゲストキャラクター。ロンドンブリッジハイスクールから、快斗のクラスに転入してきました。キッドのことを「僕の思考を狂わせた唯一の存在」と評しています。

自信家で探偵としての実力は高く、鋭い洞察力と優れた推理力の持ち主。科学分析により怪盗キッドの正体に辿り着き、キッドの追跡に執念を燃やしています。「快斗=キッド」であるという前提で会話をするため、快斗はその都度「オレはキッドじゃねぇ」と否定。

深い読みでキッドの進入路を看破し、逃げられないよう念には念を入れて対策するなどキッドを手こずらせる好敵手。ただし、自分が捕まえるまでは誰にも負けてほしくないという思いを抱いているらしく、自身が日本にいないときには快斗にわざわざ電話をかけ、入手した情報を提供するなどして声援を送っていたこともあります。

快斗も白馬の実力を認めている様子で、白馬が不在のときには「やっぱ白馬の野郎がいねーとスムーズ過ぎて張り合いがねーなァ…」と口にしています。

 

関連人物

寺井黄之助(じいこうのすけ)

盗一の元付き人。盗一が事故死ではなく何者かに殺されたとして、犯人をおびき寄せるために一時期怪盗キッドになりすましていました。その活動時に快斗と再会し、現在は快斗の相棒としてあらゆるサポートをしています。心配性の側面があり、大きな案件の前には胸騒ぎを感じて“快斗ぼっちゃま”に不安を漏らすことも。

中森銀三(なかもりぎんぞう)

警視庁刑事部捜査二課知能犯捜査係の警部。中森青子の父。キッドの逮捕に執念を燃やしています。18年前からキッドを追い続けていますが、代替わりが起きている事実には気づいていないようです。

茶木神太郎(ちゃきしんたろう)

警視庁刑事部捜査二課知能犯捜査係。階級は警視。キッド捜査の責任者で、中森警部の上司です。初登場では現場で陣頭指揮を執り、切れ味抜群の熱血ぶりを見せていましたが、現在は中森に現場を任せている模様。

中森青子(なかもりあおこ)

中森警部の娘。快斗の幼馴染でクラスメイト。快斗を意識していますが、少々子供っぽいところがあり恋愛には疎い様子。キッドの正体を知らず、警察官の父を困らせるキッドを嫌っているようです。

小泉紅子(こいずみあかこ)

赤魔術を使う魔女。キッドの正体が快斗であると看破しており、思い通りにならないキッド=快斗に執着していくうちに、想いを寄せるようになります。

スネイク

『まじっく快斗』のキャラクター。8年前、快斗の父・盗一の命を奪ったという謎の組織の構成員。「パンドラ」を狙い、キッドの前に度々現れます。

スパイダー/ギュンター・フォン・ゴールドバーグ2世

アニメ『まじっく快斗』のキャラクター。世界最高峰の殺し屋であり、表向きはイリュージョニスト。パンドラを探す謎の組織の命令により、キッドの命を狙っています。

鈴木次郎吉(すずきじろきち)

鈴木園子の伯父で、鈴木財閥相談役。かつてキッドに新聞の一面を奪われたことからキッドを激しく敵視するようになり、キッド捕獲に人生をかけています。キッドをおびき出すための宝石や仕掛ける罠への投資は惜しみません。

鈴木園子(すずきそのこ)

帝丹高校2年生で毛利 蘭の親友。鈴木財閥の令嬢で、“キッド様”と呼ぶほどにキッドの熱烈なファン。恋人である京極 真に一途ではあるものの、彼の前でもキッドを褒めてしまい、京極の嫉妬心を燃え上がらせています。

京極 真(きょうごくまこと)

杯戸高校空手部主将で400戦無敗を誇る、通称「蹴撃の貴公子」。恋人である園子にぞっこんで、園子が熱を上げるキッドに激しく対抗心を燃やしています。次郎吉から「世界最強の防犯システム」と評されるほどの身体能力の持ち主で、キッドも悪戦苦闘。

毛利 蘭(もうりらん)

工藤新一の幼馴染で、現在は恋人同士に。これまでキッドが新一に変装した際、最初は騙されることもありましたが、新一らしからぬ言動からキッドの変装であることを見抜いてきました。

降谷 零(ふるやれい)/バーボン/安室 透(あむろとおる)

警察庁警備局警備企画課に所属。「トリプルフェイス」を使い分け、表の顔は探偵であり喫茶ポアロの店員「安室 透」、その正体は公安警察・通称「ゼロ」に所属する「降谷 零」であり、「バーボン」のコードネームで黒ずくめの組織に潜入中。

「漆黒の特急」である人物に変装したキッドと対峙した降谷は、「キッドVS安室 王妃の前髪」で再び対面した際に、「どこかで会った気がするんだが」と、キッドに何やら感じたことのある空気を察知していました。

服部平次(はっとりへいじ)

西の高校生探偵。大阪府警本部長で警視監の服部平蔵の息子。「キッドVS高明 狙われた唇」でキッドが平次の幼馴染である遠山和葉に変装し、変装だと気づかなかった平次に壁ドンされてキスされそうになったという苦い経緯があり、『100万ドルの五稜星』ではキッドに恨みを持つ平次との因縁の対決(⁉︎)が繰り広げられます。

 

 

『名探偵コナン』怪盗キッドの登場回一覧

 

コミック初登場巻:第16巻

〈TVアニメ〉
怪盗キッドの登場エピソード一覧
※登場回(変装を含む)は〇で表記


話数
アニメタイトル
原作


76話
「コナンVS怪盗キッド」
16巻


132話
「奇術愛好家殺人事件」(事件篇)
20巻


133話
「奇術愛好家殺人事件」(疑惑篇)
20巻


134話
「奇術愛好家殺人事件」(解決篇)
20巻


219話
「集められた名探偵! 工藤新一VS怪盗キッド」
『名探偵コナン』30巻、『まじっく快斗』4巻


356話
「怪盗キッドの驚異空中歩行」
44巻

394話
「奇抜な屋敷の大冒険」(封印編)
46巻


395話
「奇抜な屋敷の大冒険」(絡繰編)
46巻


396話
「奇抜な屋敷の大冒険」(解決編)
46巻

469話
「怪盗キッドと四名画」(前編)
53巻


470話
「怪盗キッドと四名画」(後編)
53巻

472話
「工藤新一少年の冒険」(前編)
55巻


473話
「工藤新一少年の冒険」(後編)
55巻


515話
「怪盗キッドの瞬間移動魔術」
61巻


537話
「怪盗キッドVS最強金庫」(前編)
64、65巻


538話
「怪盗キッドVS最強金庫」(後編)
64、65巻

585話
「時を超える桜の恋」
68巻


586話
「闇に消えた麒麟の角」
68巻


587話
「キッドVS四神探偵団」
68巻


627話
「コナンキッドの龍馬お宝攻防戦」(前編)
70巻


628話
「コナンキッドの龍馬お宝攻防戦」(後編)
70巻


701話
「漆黒の特急」(発車)
78巻


702話
「漆黒の特急」(隧道)
78巻


703話
「漆黒の特急」(交差)
78巻


704話
「漆黒の特急」(終点)
78巻


724話
「怪盗キッドと赤面の人魚」(前編)
78、79巻


725話
「怪盗キッドと赤面の人魚」(後編)
78、79巻


746話
「怪盗キッドVS京極真」(前編)
82巻


747話
「怪盗キッドVS京極真」(後編)
82巻


887話
「怪盗キッドの絡繰箱」(前編)
91巻


888話
「怪盗キッドの絡繰箱」(後編)
91巻


983話
「キッドVS高明 狙われた唇」
96巻


984話
「キッドVS高明 狙われた唇」
96巻

1071話
「工藤優作の推理ショー」(前編)
99、100巻

1072話
「工藤優作の推理ショー」(後編)
99、100巻


1105話
「キッドVS安室 王妃の前髪」(前編)
101巻


1106話
「キッドVS安室 王妃の前髪」(後編)
101巻


1150話
「怪盗キッドと王冠マジック」(前編)
103巻


1151話
「怪盗キッドと王冠マジック」(後編)
103巻

〈劇場版〉
第3作『世紀末の魔術師』
第8作『銀翼の奇術師』
第10作『探偵たちの鎮魂歌』
第14作『天空の難破船』
第19作『業火の向日葵』
第23作『紺青の拳』
第27作『100万ドルの五稜星』

〈OVA〉
「コナンVSキッドVSヤイバ 宝刀争奪大決戦‼」
「消えたダイヤを追え! コナン・平次VSキッド!」
「KID in TRAP ISLAND」

〈スピンオフ〉
『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』

〈その他〉
『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』

 

『名探偵コナン』怪盗キッドの注目エピソード

第76話「コナンVS怪盗キッド」(コミック16巻)

 

コナンと怪盗キッドの対決が幕開け

1997年に1時間スペシャルで放送。『名探偵コナン』のキッド初登場回。探偵であるコナンと怪盗であるキッドの対決の幕開けです。

世間を騒がせる怪盗1412号──通称・怪盗キッドから鈴木家の家宝「漆黒の星(ブラックスター」を狙うという予告状が届き、キッドが出現したホテルの屋上には、探偵を名乗る少年・江戸川コナンが待ち伏せていました。キッドは自分を捕らえようとするコナンを躱し、新たな予告状を残して去ります。

その後、場所を変えてコナンとキッドは改めて対峙。お宝を盗み出すことに成功するキッドですが、コナンに変装と手口を見破られてしまいます。

 

第219話「集められた名探偵! 工藤新一VS怪盗キッド」(コミック『名探偵コナン』30巻/『まじっく快斗』4巻)

 

工藤新一と怪盗キッドの初対決

2001年に2時間スペシャルで放送。前半は工藤新一VS怪盗キッドのエピソード。キッドが新一との対決を回想するストーリーです。この時のキッドのターゲットは時計台ですが、目的は盗みではなく、大切な思い出を守るためでした。

白馬がいないとスムーズ過ぎて張り合いがないと言って余裕で警備を潜り抜けていたキッドですが、警察に助言する新一に阻まれて予期せぬ苦戦を強いられることになります。

鈴木家の家宝「漆黒の星(ブラック・スター)」を奪いに行く前、キッドはそんな当時のことを思い出していました。コナンサイドでのキッドの初登場回「コナンVS怪盗キッド」は、その後の話という位置付けです。

当時の対決でキッドと新一は顔を合わせていないためお互い何者なのか知りませんが、キッドはこの事件の回想直後に江戸川コナンと初めて対面するという運命的な出会いを果たしたわけです。

◆こちらも注目!
本エピソードの原作は『まじっく快斗』4巻で、『まじっく快斗1412』第6話「ブラック・スター」でもアニメ化されています。

 

惨劇の館に集められた名探偵たち

後半は、怪盗キッドを名乗る何者かにより、大富豪・烏丸蓮耶が遺した「黄昏の館」に名探偵たちが集められるミステリー。ある日、小五郎のもとにキッドと思われる人物から招待状が届き、小五郎、コナン、蘭が黄昏の館へ行くと、そこには名探偵たちが集められていました。キッドは人を殺さないはずですが、かつて館で起きた惨劇を繰り返すかのように無情なゲームが開始されます。

 

第356話「怪盗キッドの驚異空中歩行」(コミック44巻)

 

マジックショーさながらの空中歩行

2004年に1時間スペシャルで放送。キッドを目の敵にしている鈴木財閥の相談役・鈴木次郎吉から、「大海の奇跡(ブルー・ワンダー)」を盗んでみせよという挑戦状を叩きつけられたキッドは、決行前夜に“歩いて”下見に行くと予告。

予告当日に大観衆が見守るなか、突如空中に現れたキッドは、マジックショーさながらの空中歩行を披露。そして翌日、思惑通りに見事宝石を盗み出すことに成功するキッドでしたが、計画を見破って先回りしていたコナンが姿を現します。

◆こちらも注目!
『まじっく快斗1412』第16話「KIDvsコナン 奇跡の空中歩行」では、本エピソードがキッド視点で描かれています。

 

第472~473話「工藤新一少年の冒険」(コミック55巻)

10年前の工藤家と黒羽親子

10年前、新一が小学校1年生の時に遭遇した不可解な出来事のお話。学校の図書室に現れた“新一の弟”と名乗る怪しい男の挑戦を受けて、新一少年は暗号の解読を開始。当時はまだまだ知識の少なかった新一は、阿笠博士ら周りの大人に知恵を借りながら蘭と共に謎を解いていきます。謎解きは成功したかに思えましたが、この暗号にはまだ続きがありました。

本エピソードでは、10年前の黒羽盗一の姿や、工藤優作との関係も明かされました。幼い快斗も登場しており、盗一と会っていた工藤有希子との会話も描かれています。

 

第515話「怪盗キッドの瞬間移動魔術(テレポーテーションマジック)」(コミック61巻)

テレポートマジックを披露

2008年に1時間スペシャルで放送。キッドへの対抗策に頭を悩ませていた次郎吉は、お宝を歩行者天国のど真ん中に展示するという驚くべき作戦を実行。ハングライダーで颯爽と現れたキッドは、お宝を手に入れるも周囲を囲まれて逃げ道を断たれます。

するとキッドは「瞬間移動(テレポーテーション)」で逃げると宣言し、その言葉通り一瞬で離れたビルの屋上へと移動。しかしお目当ての「紫紅の爪(パープル・ネイル)」の片方が偽物だったため、明晩、同じマジックを二度繰り返さないというマジックのタブーに挑戦しようとします。

◆こちらも注目!
『まじっく快斗1412』第21話「KIDvsコナン 月下の瞬間移動」では、本エピソードがキッド視点で描かれています。

 

第627~628話「コナンキッドの龍馬お宝攻防戦」(コミック70巻)

怪盗淑女が盗んだお宝をキッドが返却

今回のキッドからの予告状はいつもと違い、「龍馬展にお宝を返却する」と書かれていました。それは20年前の龍馬展から怪盗淑女によって盗まれたお宝のことであり、母親から託されたキッドは龍馬展の裏に隠された悪事を暴きます。今回は母親が好きな龍馬に免じて見逃すというコナンに、「お互い母親には頭が上がらねえって事で」と言って去りました。

◆こちらも注目!
『まじっく快斗1412』第10話「怪盗淑女と龍馬のお宝」、第11話「キッド・コナンの龍馬お宝イリュージョン」では、キッド視点で本エピソードが描かれています。

 

第701~704話「漆黒の特急(ミステリートレイン)」(発車/隧道/交差/終点)(コミック78巻)

黒ずくめの組織の暗躍に巻き込まれる

1年に1度しか運行しないミステリートレイン「ベルツリー急行」。コナンたち一行は鈴木財閥の招待でイベントに参加することに。仕事の下見に来たキッドのほか、複数の怪しげな人物を乗せて列車は東京駅を出発します。すると車内で密室殺人事件が発生し、さらにその裏では黒ずくめの組織がシェリー(灰原)の命を狙っていました。

キッドの変装を見抜いたコナンは、見逃す交換条件として協力を依頼し、キッドはある人物に変装してバーボンと対峙。最後は間一髪で列車を脱出し、ベルモットの仕掛けた爆弾の爆発から逃れます。

 

第746~747話「怪盗キッドVS京極真」(コミック82巻)

 

世界最強の防犯システムとの対決⁉

怪盗キッドは次郎吉が所有する「翆緑の皇帝(グリーン・エンペラー)」を狙って予告状を出し、対する次郎吉は「蹴撃の貴公子」の異名を持つ京極 真に世界最強の防犯システムとして警備を任せることに。キッドのニュースを知ってはしゃぐ園子の姿にショックを受けて嫉妬していた京極は、キッドへの対抗心から自分を警備に加えてほしいと願い出たのです。

京極に興味を抱いたキッドは、園子にある賭けを提案。そして園子に変装して京極が守るお宝を盗もうとします。
 

第983~984話「キッドVS高明 狙われた唇」(コミック96巻)

 

キッドVS諸伏高明

自分宛ての「封筒」を受け取るために東京を訪れていた長野県警捜査一課の諸伏高明警部が、怪盗キッドとの対決に参戦するエピソード。今回のお宝は世界最大級のコンクパール「妖精の唇(フェアリー・リップ)」。高明の助言により、次郎吉は宝石を氷柱に入れて展示します。キッドは犯行日の延期を考え始めていましたが、ブローカーに宝石をすり替えられたという女性の事情を知って決行することに。

キッドは平次の幼馴染である和葉に変装しますが、変装に気づかない平次が和葉にキスを迫ろうとする予想外のハプニングも。このように平次のことは簡単に騙せたものの、高明はキッドの変装や手口を見破って泳がせており、キッドが宝石の真の持ち主に返すであろうことも見越していました。

 

第1105~1106巻「キッドVS安室 王妃の前髪(クイーンズ・バング)」(コミック101巻)

 

キッドVS安室 透

コナン、蘭、園子の3人は、鈴木大博物館で開催する「ロバノフ王朝の秘宝展」へ。そこで展示されているティアラ「王妃の前髪(クイーンズ・バング)」を怪盗キッドが盗むと予告したことで、会場には長い行列ができていました。

コナンたちが並ぶ列には喫茶ポアロの安室 透と榎本 梓も並んでおり、待ち時間に安室が蘭たちにカードマジックを披露していると、謎の男がマジックの種明かしをして挑発。その男の正体が怪盗キッドだと知った安室は、公安の部下である風見裕也を呼び出して警備に参加することに。キッドVS安室の譲れない対決が始まります。

 

劇場版第3作『名探偵コナン 世紀末の魔術師』(1999年)


 

怪盗キッドが劇場版に初登場

世間を騒がす怪盗キッドの次なる狙いは、鈴木財閥が所有するロマノフ王朝の秘宝「メモリーズ・エッグ」。大阪に駆けつけたコナンは平次と合流。キッドはエッグを盗み出しますが、逃走中何者かに狙撃され、そのまま行方不明に。

蘭がコナンと新一の共通点に疑いを持つ様子はTVシリーズでも描かれてきましたが、今作ではその核心に迫っており、思い悩む蘭を前にコナンは真実を告げようとしていました。

しかし覚悟を決めたその時、なんと2人の前に“新一”が現れます。それは、コナンの事情を知るキッドが新一に扮した姿だったのです。

 

劇場版第8作『名探偵コナン 銀翼の奇術師(マジシャン)』(2004年)

 

キッドが新一の姿で堂々と登場

今回のキッドの狙いは、舞台『ジョゼフィーヌ』で使用するスター・サファイア「運命の宝石」。宝石を守るように依頼された小五郎は、キッドが役者に化けて舞台の公演中に盗み出すと推理。公演当日、厳戒態勢のなかで舞台の幕が開き、キッドは大胆にも新一の姿でコナンの前に現れます。

その後、旅客機で殺人事件が起き、さらに機長と副機長が相次いで倒れて機内が大混乱に陥るなか、ある人物に変装中のキッドは自ら機長席に座り、副操縦士にはコナンを指名。それからキッドは蘭に操縦を任せ、旅客機を無事に地上へと着陸させるために空へと飛び出します。

 

劇場版第10作『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)』(2006年)

※キッドが変装している人物のネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。

 

 

コナン、平次、白馬の共闘

劇場版10作目を記念する作品ということで、メインキャラクターたちが勢揃い。大阪府警の服部平蔵や遠山銀司郞、神奈川県警の横溝重悟、そして白馬も劇場版初登場。

ある調査依頼を受けた小五郎は、コナンと蘭、少年探偵団とともに横浜のレジャーパーク「ミラクルランド」に隣接したレッドキャッスル・ホテルへ。依頼人の秘書から腕時計型のフリーパスIDを受け取り、少年探偵団と蘭はミラクルランドへと繰り出しますが、そのIDには時限装置付きの爆弾が仕掛けられていました。

爆弾を解除するには、依頼人のヒントをもとに答えを見つけなければならず、コナンたちは真相解明を急ぎます。コナン、平次、白馬の共闘も見どころですが、“白馬は怪盗キッドの変装”であったことが後に明かされます。キッドは探偵さながらの推理力を発揮し、難事件の解決に貢献しました。

 

劇場版第14作『名探偵コナン 天空の難破船(ロスト・シップ)』(2010年)

 

蘭が「キッド=新一」だと思い込む

キッドは「天空の貴婦人(レディー・スカイ)」を狙って飛行船「ベル・ツリーI世号」に潜入。この飛行船には、次郎吉に招待されたコナンたち一行も乗っていました。

従業員に扮していたキッドですが、蘭に怪しまれて変装がバレたため、咄嗟に新一になりすまし、キッドの正体は新一だと思い込ませてその場を乗り切ります。

その後コナンたちはハイジャック事件に巻き込まれ、爆弾解除を試みていたコナンが犯人に見つかって船外へと放り出されてしまったところ、キッドが大空へと飛び込んでコナンを間一髪で救出。本作ではコナンとキッドの共闘も見どころです。

コナンの手助けをしながら犯人たちとの戦いを見届けたキッド。お宝を手に入れますが、キッドを新一だと思い込む蘭に見つかってしまいます。

 

劇場版第19作『名探偵コナン 業火の向日葵』(2015年)

 

コナンがキッドに蘭を託す

第二次世界大戦で焼失したという『芦屋のひまわり』。ゴッホ自身による模写を3億ドルで落札した鈴木次郎吉は、世界に散らばる7枚の『ひまわり』を集めた大規模の展覧会を開くと発表します。

本作でもキッドは新一になりすまして登場。蘭と一緒の脱出が不可能と判断したコナンが、キッドに蘭を託す場面も。普段は宝石のみを狙うキッドが、今回はなぜか名画を狙って奮闘していましたが、そこにはある大切な理由が潜んでいました。

 

劇場版第23作『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』(2019年)

 

罠にはめられたキッドが殺人事件の容疑者に

シンガポールのホテルで殺人事件が発生し、現場から血塗られたキッドカードが見つかります。そのシンガポールで開催される空手大会に出場する京極を応援するため、蘭と園子らは現地へ。パスポートを持っていないため海外渡航できないコナンは留守番のはずでしたが、キッドに連れ去られて蘭たちと合流。蘭に名前を聞かれ、とっさにアーサー・ヒライと名乗って現地の子供を演じ、新一に扮したキッドと行動を共にします。

キッドは空手トーナメントの優勝ベルトに埋め込まれた、世界最大級のブルーサファイア「紺青の拳」が狙いだとコナンに話し、日本へ連れて帰るのを条件に力を貸すよう迫ります。その後、コナンが自分を連れてきた本当の理由を尋ねると、自身が殺人事件の容疑者となっていることを明かし、罠だと警告するコナンに対して、そのために連れてきたと協力を求めました。

キッドVS京極の激しいバトルが勃発する一方で、新一に扮したキッドが蘭と急接近してコナンが気を揉んでいたりも。そんななか、さらなる殺人事件の容疑をかけられたキッドは、コナンと協力して事件に隠された謎を解いていきます。

 

【※ネタバレ注意】劇場版第27作『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』(2024年)

 

平次とキッドの因縁の対決(⁉︎)

北海道・函館にある斧江財閥の収蔵庫に届いた怪盗キッドからの予告状。今回キッドが狙うのは、幕末を生きた新選組副長・土方歳三にまつわる日本刀だといいます。

本作では『YAIBA』の沖田総司、鬼丸 猛、『まじっく快斗』の怪盗キッド、中森青子らが登場。五稜郭に関連が深い新撰組の土方歳三の姿も。平次とキッドの因縁の対決や、平次と沖田の剣道ライバル同士の共闘、さらにキッド関連の真実にも注目が集まる作品です。

劇中でキッドが沖田に変装した際、語尾に「どすえ」を付けた不自然な京都弁のせいで、コナンと平次にすぐバレてしまいました。

黒羽盗一は工藤優作の双子の兄

本編後、エピローグにて工藤優作から自身に双子の兄がいると語られました。妻の有希子が尋ねると、物心がつかないうちに両親が離婚し、優作は母、兄は父に引き取られて疎遠になったのだとか。20年以上会ってはいないが連絡は取り合っているといいます。

その会話の途中、優作のスマホにイニシャルT.Kの送り主から小説の最新作についての感想が届き、優作はそれに対し自身のイニシャルY.Kを付け「ありがとう!兄さん」と返信。黒羽盗一と工藤優作が双子の兄弟ということは、それぞれの息子である快斗と新一は、従兄弟同士ということになります。

 

【※原作のネタバレあり】『名探偵コナン』原作コミック105巻

※『名探偵コナン』コミック105巻「天空」「代役」「証明」「探偵」の一部ネタバレが含まれます。原作未読の方はご注意ください。

 

 

コナンとキッドの共同推理&白馬 探と対決

ベルツリータワー展望デッキに鈴木財閥が50億円かけて増設した天空の展示室。怪盗キッドから、そこに展示された世界最大級のタンザナイトが飾り付けられたイス「青の玉座」を盗むという予告状が届きます。

モニターで監視していたコナンが展示室に入ると、防犯システムを担当した吉田工業の吉田社長が「青の玉座」で死んでおり、そこには怪盗キッドの姿がありました。その時、今回の防犯システムの助言をしたという白馬の指示で展示場を封鎖。部屋に閉じ込められたキッドは、このままでは殺人犯にされてしまうと言ってコナンに事件解決を提案し、キッドは新一になりすましてコナンと一緒に事件の謎を解いていくことに。

コナンとキッドの共同推理、キッドと白馬の対決が描かれる注目回。白馬は工藤新一らしからぬ言動に不信感を抱き、新一がキッドの変装ではないかと疑いをかけています。

また、『名探偵コナン』連載30周年を記念して刊行されたスペシャルバージョンのコミック1巻『名探偵コナン 1 SPECIAL』には、描き下ろしの第1話前日譚FILE.0「ハズいカップル」が収録。トロピカルランドへ下見に来た新一が、快斗と青子を目撃していたことが明かされました。

 

 

怪盗キッドの声優は山口勝平さん

怪盗キッドを演じているのは声優の山口勝平(やまぐち かっぺい)さん。5月23日生まれ、福岡県出身。『らんま1/2』の早乙女乱馬役をはじめ、『ONE PIECE』のウソップ役、『犬夜叉』の犬夜叉役など、人気作品のキャラクターを多く演じています。また、『名探偵コナン』では工藤新一役も務めています。

 

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