川尻八幡宮が創建500年 5月5日に記念行事
創建500年を迎える川尻八幡宮(川尻4171)で5月5日(月・祝)、「創建500年祭」が開催される。当日は、境内で神輿渡御、お囃子の奉納が行われ、氏子崇敬者や地域住民らと共に節目の年を盛大に祝う。
川尻八幡宮の創建は1525年。伝承によると、舎人親王の子孫が奥州に向かう途中で亡くなったため、共の者が悲しみこの地に手厚く葬った。その時、護持していた石清水八幡宮の御分霊を御神体として祠に建て祀ったのが、今の川尻八幡宮であるとされる。以後、長くこの地に鎮座し、地域住民から崇敬されてきた。
今回の創建500年祭は、氏子らが実行委員会を組織し数年前から準備を進めてきた。当日は午前8時から神事が執り行われ、神輿渡御、お囃子の奉納が行われる。さらに、境内には節目を祝したちょうちんが200個以上飾られる。実行委員会の八木敏夫会長は、「地域の方の多大な協力に感謝したい。500年の節目の年を盛大に皆さまとお祝いできたら」と話す。
コロナ乗り越え新社務所が完成
祭では、新しく建て替えた社務所の竣工式も行われる。それまでの社務所は竣工から100年弱が経過しており、老朽化が目立っていた。八木会長は「床が落ちたり天井が崩れたり。空いた穴からたぬきが侵入するなど、建物が倒れる事はなかったが、非常に危ない状態になっていた」と振り返る。それまでも社務所の建て替えの話はあったと言うが、2019年に具体的に決まり話が進んでいった。
しかし、20年に新型コロナウィルスが流行すると、資材が一気に高騰してしまい、一時は「建て替えはもうできない。止めよう」という雰囲気になっていったという。しかし、広く協賛金を募るなど関係者、協力者の思いもあり、昨年6月に建物の解体がスタート。木材には、地元の建築業者や山の所有者から奉納されたヒノキを使用するなどし、今年4月中旬に無事に工事が完了した。
完成した社務所は平屋で約60坪。新しくなった建物を見た八木会長は「現代的なつくりでとてもよくできている。大きな犬柱があり、参拝者にとって雨除けもあるのでとても良い」と笑顔を見せる。
今回の工事に合わせて、境内の地面に砂利が一面敷かれたほか、トイレをリニューアル。手水舎を移設した。今後は桜の記念樹を植えることも検討しているという。
創建500年を迎え安西圭市宮司は「大勢の方のご協力で創建500年を迎えることができ、さらに新しい社務所も完成し、大変ありがたい」と感謝する。500年祭については「長い歴史を振り返り、これからの平安と繁栄を祈念する行事となれば。ぜひ皆さまお誘いの上、ご参拝ください」と話す。
神事への参列は関係者のみ。神輿渡御やお囃子の演舞は自由に見学できる。また、当日は新しくなった社務所の一般公開が行われ、建物の中を自由に見学できる。