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「本当にライオンズが大好きです!」岡田雅利選手、引退会見&引退セレモニー

所沢なび

「ここまで野球ができたのは、自分の中では奇跡」


「僕はライオンズファンのみなさんのファンです!」

FA権を行使した上でライオンズに残留する、という選択をした岡田雅利選手は「LIONS THANKS FESTA 2021」でこう発言し、ファンから大きな拍手喝采を集めました。

2013年にドラフト6位で埼玉西武ライオンズに入団した岡田選手。スーパーサブとして集中力を切らすことなく出番に備え、時に試合終盤の守備につき、時に代打で登場し、時にスタメンでマスクを被りとどんな起用法でも準備を怠ることのない姿勢は若手のよい手本となりました。また、周囲を支えるムードメーカーとして、チームメイトにもファンにも愛された選手でした。

先日、そんな岡田選手が11年間の現役生活にピリオドを打つとの発表があり、多くのファンを驚かせました。そして迎えた9月14日(土)、所沢のベルーナドームで岡田選手の引退セレモニーが行われました。

計3回にも渡る膝の手術を行い、怪我と戦い続けた岡田選手。歩くのも困難なときもあったそう。

「ここまで野球ができたのは、自分の中では奇跡かなって思っています」

そう漏らすほど、本当に大変だったのだと思います。そうして悩んだ末に決めた自身の引退。試合に先立って行われた引退会見では

「家族には本当に支えられたと思っています。『引退する』と伝えると子供が泣いて、その姿を見て僕自身も苦しいところはありました。社会人の時から支えてもらって、知らない土地で長年ずっと寄り添ってくれた妻は、本当に一番の理解者ですね」

と、家族について語る際に目を潤ませる場面もありました。


しかしそこはライオンズ1のムードメーカー。会見が進むにつれ緊張がほぐれだしたのか

「自分の野球人生に点をつけるとしたら、100点って言いたいんですが、本当に怪我で苦しんだので…… 中途半端は嫌いなので、0点!……って言いたいんですが(笑) 100点で!(笑)」

「今日は打順2番のスタメンで出してもらえるので、背番号2番、打順も2番、キャッチャーの2番、オール2なので、先頭バッターが出たら2点のホームラン…と言いたいところなんですが(笑) できたらバントしたいなと(笑) でもそれで満足いくのかと部分もあるので(笑)。うーん……うまく頑張ります!(笑)」

と徐々に「岡ちゃん」らしいユーモアあふれる発言が溢れ出しました。

現役最後を飾る気迫のプレー、そして引退セレモニー


この日の千葉ロッテマリーンズ戦で2番キャッチャーとして1イニングのみスタメン出場した岡田選手。登場曲である大事MANブラザーズバンド「それが大事」に合わせたファンからの「お・か・だ!」コールに背中を押され、三塁線を抜けるツーベース、さらには外野フライの際に気迫のヘッドスライディングで三塁を陥れるなど、大きな歓声を受けながら見事現役生活の有終の美を飾りました。

そして試合後に行われた引退セレモニー。岡田雅利選手がファンに別れを告げる瞬間がやってきました。

大阪桐蔭高校野球部 西谷浩一監督、オリックス・バファローズ森友哉選手、東北楽天ゴールデンイーグルス浅村栄斗選手、中日ドラゴンズ中田翔選手、元ライオンズのエルネスト・メヒア氏など場内に次々メッセージが流れた後に、プライベートでも親交のある中川家礼二さんがサプライズ登場。「また飲みましょう。11年間お疲れさまでした」と労をねぎらいました。


一緒に自主トレを行った栗山巧選手、試合中も最後の雄姿を見守ってくれていた家族から花束を受け取ると、岡田選手からファンへ最後の挨拶が行われました。


「オヤジ、小さいときから野球を教えてくれてありがとう。オカン、ずっと味方でいてくれてありがとう。しかし、もう少し強い膝が欲しかったです。O脚すぎました」

「銀さん(炭谷選手)。入団した当初、凄い捕手だと思っていました。しかし途中行方不明(他球団へ移籍)になられまして、ライオンズに戻って来てくれてありがとうございます。でも本音を言いますと『なんで帰ってきたんだ! なぜ…』。銀さんのせいで引退になりました」

「中村さん。いつもバッティング指導ありがとうございました。いつもその笑顔に癒されました。後輩として感謝しています。後輩で思い出したのですが、中村さんは今まで僕のことを大阪桐蔭と認めてくれなかったので、今日大阪桐蔭だと認めてください」

「栗山さん。怪我をしてから自主トレに誘ってもらってうれしかったです。休みの日でもトレーニングする姿はまさに野球人だと思いました。栗山さんの悪いところを見つけようと思いましたがありません。しかし、岡田雅利が引退して寂しいと思います。みなさま、栗山巧をよろしくお願いします」

「本当にライオンズが大好きです。11年間ありがとうございました!」

途中「頭が真っ白になった」とカンペを読みながらも、岡田選手らしい爆笑とライオンズ愛が溢れる挨拶でした。



最後の胴上げは、背番号にちなんで2回。物足りないようにも思いましたが、これはこれでとっても岡ちゃんらしい明るい最後でした。

ありがとう、岡ちゃん!


2013年に行われた新入団選手発表会では「愛される選手になりたい」と語っていた岡田選手。その夢は叶い、すべてのライオンズファンから愛される存在になりました。それは努力を惜しまない誠実さと、それを自慢しない謙虚さと、チームメイトにもファンにもいつでも気配りをする人柄の賜物だと思います。

「若い選手は増田さんだったり、栗山さん、中村さん、銀さん、そういう先輩を目指すのではなく、追い越す存在になってほしい。『一軍の舞台でレギュラーを取るんだ!』っていう思いを持って戦ってほしいと思います」

岡田選手の背中を見続けてきた後輩たちが、近い将来満開の花を咲かせる日を心待ちにしたいと思います。

岡ちゃん、ありがとう! 11年間の現役生活、お疲れさまでした!


【岡田雅利選手コメント】
これまでの現役生活で一番思い出に残っている試合は、2020年9月8日のオリックス・バファローズ戦で、光成(髙橋)とバッテリーを組んだ試合です。8回まで無安打で、途中ピンチもありましたが、最後は山本由伸投手に投げ勝つことができてとてもうれしかったのを覚えています。

ここ数年は、リハビリ期間も長く、球団には本当に迷惑をかけてしまったと思っています。手術をして先の見えない状況から野球ができるまでの体に戻るまでサポートいただいた スタッフの皆さんにはとても感謝しています。そしてどんな時でも、ファンの皆さんの声援が僕をここまで支えてくれました。登場曲の最後に「おかだ!」と言ってもらったときの鳥肌は忘れられません。応援ありがとうございました

【渡辺久信ゼネラルマネージャー兼監督代行コメント】
岡田はチームになくてはならないスーパーサブでした。けがもあって、大変な時期を過ごしていましたが、ファームでも必死に練習をして、良い見本を見せてくれましたし、若い選手の相談にも乗りながら、時には厳しく 助言するなど、多くの場面でライオンズにとても貢献してくれました。

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