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【落ちハゼ釣り】秋~冬のハゼを“ちょい投げ”で釣る3つの戦略

つり人オンライン

秋以降は良型ハゼを狙うチャンス

秋以降のハゼ釣りは「ちょい投げ」で攻略!この記事では、落ちハゼを狙うための実践的なノウハウを凝縮。タックル選び、仕掛けの工夫、そして釣果を伸ばすポイントの見極め方と釣り方を、初心者にも分かりやすく紹介する。

文と写真◎葛島一美
まとめ◎編集部

ちょい投げが有効なハゼ釣りのシーズン

ハゼは、高水温期である夏の間は岸寄りの浅場に集まるため、手返しの良いミャク釣りやウキ釣りが有効だ。

しかし、秋になり水温が低下し始めると、水温が安定する深場へと徐々に移動を開始する。この深場へ移動したハゼ、通称「落ちハゼ」を狙う上で、最も効果的な釣法が「ちょい投げ」である。

初秋の9月〜10月の段階でも、水温低下などをきっかけに、それまでいた場所の沖にある船道やカケアガリといった、一段深い場所へ移動することは多い。取材時に選んだ釣り場の1つである長浦水路も小型漁船が出入りする係留場所になっており、高水温期は浅場でハゼを狙えるが、秋になると船道を中心とした水路の深みにハゼが集まる。

さらに、11月〜12月の本格的な落ちハゼシーズンになると、運河筋などの小規模なエリアから、大河川の河口部や港内といった、より規模の大きい場所へと移動する群れが現れる。

もう1つの取材先、木更津港は、何本もの水路が流入し、落ちハゼが溜まる木更津周辺随一の大場所。港内にはタンカーなど大型船が出入りできるほどの船道が通っていることから、その周辺に形成されたカケアガリや起伏のある底が落ちハゼにとって絶好の付き場になっている。

水深がある船道が通っているような水路は、夏だけでなく秋以降のハゼ釣りでも好ポイント

木更津港のような複数の水路が流れ込む漁港も、落ちハゼの定番ポイントだ

ハゼのちょい投げに向いたタックル

ハゼのちょい投げには、厳密な意味での「専用ロッド」は存在しない。バスロッド、エギングロッド、ライトゲームロッド、万能竿まで、1.5m~2.7mの長さで適合オモリ負荷の範囲内であれば、実に様々な竿で楽しむことができる。

ただし、季節の進行と共に深場へ移動するハゼの習性や釣り場に応じて、タックルを合わせることで快適に釣りができる。

「感度」重視のライトタックル

水路などの小場所や、浅場と深場を行き来する初秋であれば1〜3号程度の軽いオモリを使う。そのため、感度の良いアジングロッドやメバリングロッドといったライトルアーゲームロッドや、堤防・小磯用の小物ザオなどが特に最適。ハゼの小さなアタリに穂先が追従する「ソリッドティップ」搭載モデルであれば、さらに理想的である。

リールとラインは、1000番〜2000番の小型リールに、感度伝達に優れた極細PEライン0.4号程度を組み合わせるのがベストな選択となる。

「遠投力」重視のタックル

河口や港などの深場に落ちたハゼを狙う場合は、ある程度遠投して広く探る必要が出てくる。そのため、4〜8号程度のオモリを扱える、一定のパワーと長さを備えたタックルが最適。

ロッドは、2〜3mほどの万能竿やライトな投げ竿のほか、バスロッドなどのルアーロッドも流用できる。リールは、PEライン0.6〜0.8号を巻いた2000番〜2500番のスピニングリールを組み合わせるのが基本だ。

様々なロッドが流用可能

どちらのタックルもリーダーは必須

PEラインは伸びがなくて感度に優れるが、根ズレ(摩擦)に弱い。そのため、先端にはフロロカーボン製の「ショックリーダー」(1号~1.5号程度を1m)を必ず接続すること。これにより、根ズレによるラインブレイクを防ぐことができる。

仕掛けはテンビン仕掛け

ちょい投げのハゼ釣りでは、トラブルが少ない固定式の小型天秤に、1〜2本バリの仕掛けを組み合わせるのが基本だ。ただし、冬の低活性なハゼを置き竿でじっくり狙う場合は、食い込みが良い遊動式の天秤も選択肢に入る。

天秤に付けるオモリは、近距離なら1〜3号、遠投が必要なら4〜8号が目安となる。重要なのは、流れの速さや水深などに合わせ、最適な重さを選ぶことだ。タックルバランスが取れていれば、2~3号(約3.75g)のような軽いオモリでも20〜30mは飛ばせるが、軽い仕掛けは流れに弱いという側面も考慮する必要がある。

天秤の先に付ける仕掛けは、1〜2本バリの仕掛けを使う。ハリは袖5~6号の出番が大半で、18~20cm級の大型ハゼがそろう時には7号も使う。0.8~1号のハリス付きをそのまま利用し、2本バリ仕掛けは一般的な枝バリ式または長短ハリスの段差式に作る。ただし、根掛かりが多い釣り場は1本バリが扱いやすい。また、市販のちょい投げ仕掛けでもいいが、全長50cm以内の短いものがおすすめだ。

固定式の小型テンビンに仕掛けを接続する

落ちハゼ用のハリは袖バリ5~7号がメイン

仕掛けへのひと工夫

1~2本バリの仕掛けは小型スナップスイベルかチチワでテンビンにセットするものが多い。ただ、筆者は仕掛けの脱着をより簡単にするため、“ハリス止メテンビン”に改良して愛用している。

作り方はごく簡単。まずテンビンのアーム部分の先端をペンチでカット。そこに自動ハリス止メを結んだホンテロン2号3~4cmを根巻きイト(ナイロン0.2号)で巻き上げてハーフヒッチ2~3回で止めたら、最後に瞬間接着剤で固定する。

落ちハゼのタックル&仕掛け図

エサはジャリメかアオイソメ

ハゼ釣りで使用するエサは、投げてもハリから外れにくいジャリメやアオイソメなどの虫エサが基本となる。

シーズン初期のエサの付け方

9~10月はまだ活性が高く、ハゼのサイズも小さい。そのため、ハリ掛かりを重視して、エサをハリの軸に沿って通す「通し刺し」にし、エサの垂らし(タラシ)は1cm前後と短めにすると良い。ただし、食いが渋い場合は、アピール力重視でタラシを2〜3cmと長くし、アオイソメならより柔らかい胴体部分を使うようにする。

活性が高い状況ならタラシは短め

食いが渋いときはアピール力重視でタラシを長く取る

シーズン終盤のエサの付け方

落ちハゼシーズン終盤は、ハゼのサイズも大きくなるのでタラシを長く取るのが基本となる。また、アピール度を高めるために「房掛け」にするのも有効だ。通し刺しにしたエサに加えて、2〜3cmに切ったアオイソメの胴体を1〜2本プラスする。

釣り方と数を伸ばすテクニック

ハゼは潮の干満や時期によって居心地のよい場所を選んで移動するため、その日その時で変わる「ハゼの付き場」を探り当てることが釣果を伸ばす第一歩となる。

狙うポイント

シーズン終盤や干潮時であれば、水深が深くなるカケアガリの中段から最深部の船道(ミオ筋)まで、仕掛けを通すように探るのが基本だ。一方、満潮時やシーズン初期なら、手前のカケアガリを横に探るのがおすすめとなる。詳しい攻略法は、下図イラストに挙げるA・B・Cの3パターンの中から選択すると分かりやすいだろう。

なお、イラストは水路での攻略をイメージしているが、木更津港のような開けた大場所でも基本となる考え方は変わらない。ただし、深場に仕掛けを通すには、オモリを重くするなど遠投用のタックルセッティングが必要になる場合が多いことに注意しよう。

〈パターンA〉
平場の上まで潮が満ちている潮位の高い時間帯や、落ちハゼシーズン中期の10月いっぱいは、ハゼが水深の変化があるカケアガリを行き来するケースが多い。カケアガリの下段に向かって近場ねらいのキャストを試み、カケアガリの中段あたりまで探ってみたい。
〈パターンB〉
平場とカケアガリの途中まで干上がった干潮時や、初冬11月に入った落ちハゼの後期になると、潮位が高い時間帯でも水路最深部の船道にハゼが身を寄せる可能性が高くなる。キャストする範囲は狭い船道に絞り込みたい。さらに食いが渋い場合には、エサのアオイソメを房掛けにしてアピールするのも手だ。
〈パターンC〉
落ちハゼシーズンをとおして付き場が絞り切れない時は、対岸のカケアガリに向かってキャストした後、船道を通して手前のカケアガリまで広く探ってみる。この方法は対岸から釣りができない場所や、対岸に係留桟橋が並んでおりその間をねらえる場合も有効だ。

誘いを入れてアピール

釣り方はいずれの場合も、10秒程度の間隔で小刻みに仕掛けを軽く跳ね上げたり、ゆっくりと仕掛けを引きずってたまにステイさせたりして、エサをアピールするのが基本だ。アタリは、跳ね上げて着底させた直後や、仕掛けを止めた直後に出る場合が多い。その瞬間、間髪入れずに竿の持ち手を握り直す程度のアワセでフッキングを行なう。

誘いを入れて活性の高いハゼを探っていく

落ちハゼシーズンは良型ハゼの居場所を突き止めるプロセスが何より面白い

※このページは『つり人 2016年11月号』に掲載した記事を情報更新・再編集したものです。

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