(株)カナイエンタープライズ 難病ランナー吉澤さんを支援 「世界を駆けるサポートを」
駒岡の(株)カナイエンタープライズ(金井祐次会長)が、無汗症という難病を抱えながら世界で最も過酷なマラソン競技といわれる「アドベンチャーマラソン」に挑戦する区内在住の吉澤政人さん(26)とスポンサー契約を結んだ。同社として初の契約で、吉澤さんの挑戦に胸を打たれての支援。金井会長は「吉澤さん自身が納得いく結果を残すまで、応援し続けたい」と話している。
吉澤さんは難病指定もされている汗をかくことができない病気、無汗症を患っている。しかし、自分の可能性を追って、広大なアマゾンのジャングルや標高5000mの雪山など世界の過酷な大自然を舞台に長期間にわたって命がけのレースを行う「アドベンチャーマラソン」に挑戦している。一昨年にはサハラ砂漠で行われたレースで挑戦者の半数が脱落するなか、完走を果たした。
駒岡で家電や産業廃棄物の収集・運搬を行う同社と吉澤さんの出会いは偶然だった。
金井会長が通うスポーツジムで、トレーナーとの雑談の中で吉澤さんのことを聞き、活動に興味を持ったことで直接話す機会が生まれた。
そして、吉澤さんの思いを聞く中で会社として支援をしたいと決断し、同社として初めてのスポンサー契約を結んだ。金井会長は「話を聞くと奇遇にも鶴見の人で、運命的なものを感じた」と話し、契約に際して特注のワッペンも製作。「このロゴをつけて世界を駆け抜け、吉澤さんと共に世界を巡れれば」と期待を寄せた。吉澤さんは「挑戦に理解を示していただき、スポンサー契約まで本当にありがたいです」と感謝を語る。
今年は2大陸目に挑戦
吉澤さんは6月に南米アマゾンで行われる同マラソンに挑戦する。現地での生活に備え、現在はハンモック設置の練習や標高3000mという環境に慣れるための低酸素トレーニングも行っている。汗をかいての体温調節が難しいため、一般ランナーより過酷な環境だが、吉澤さんは「なんとか走り切って良い報告を行い、皆さんに勇気を与えたい」と意気込んでいる=中面「人物風土記」に関連記事。