深夜勤務が実は仮眠 静岡市消防司令が388万円不正受給 6年5か月に渡り298回
■深夜勤務2時間を部下に任せて仮眠 担当部署に虚偽報告
静岡市消防局は7月19日付で、50代の消防司令の男性を停職6か月の懲戒処分とした。6年5か月で計298回、深夜勤務の給与を不正受給していたといいう。総額は388万円に上った。
静岡市消防局によると、消防司令の男性は静岡市内にある2か所の消防出張所で所長や副所長として勤務していた2017年4月から2023年9月までに計298回、602時間にわたって深夜勤務の給料と手当てを不正に受給していた。総額は388万5047円だった。
出張所は24時間体制で、深夜の時間帯は4人で仮眠を取りながら2時間交代で勤務する。しかし、この男性は自身が勤務を割り当てられた2時間も仮眠し、担当部署には深夜勤務を2時間していたと虚偽の報告をして不正受給を繰り返した。男性が仮眠していた時間は他の職員が勤務していた。
問題発覚は、職員向けのフォームがきっかけだった。静岡市が業務改善の提案につなげるために設置したフォームに2023年9月、男性の不正受給に関する内容が投稿された。消防局が過去10年分の男性の勤務状況を調べ、同僚に聞き取りをした結果、不正が明らかになった。男性も事実を認め、今年4月に全額を返納したという。
静岡市消防局は男性を停職6か月の懲戒処分とした。池田悦章消防局長は次のようにコメントしている。
「当局職員が市民の皆様の信頼を損なう行為を行ったことについて、該当職員のみならず、このような状況を生じさせた組織風土にも問題があり、消防局を管理監督する者として深く反省しております。 今後、組織を挙げて再発防止と市民の皆様の信頼回復に向け、職員の服務規律の保持に、より一層取り組んでまいります」
この男性は勤務時間に仮眠していたことに対し「部下が気を使ってくれた」と話しているという。火事が発生した際は起きて出動していた。
(SHIZUOKA Life編集部)