【國盛】中埜酒造‐愛知県 ー 伝統と革新の融合で、より高品質な酒造りを
地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。今回は、愛知県半田市(はんだし)の中埜酒造(なかのしゅぞう)を特集します。
銘醸地「尾州半田」で誕生した「國盛」
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
國盛のふるさと知多半島は、江戸時代初期から酒をはじめ、酢や味噌、醤油などの醸造業が盛んな地域で、醸造の街、酒の街となっていった理由は、酒造りに適した気候風土や良質な酒米と豊かな湧き水に恵まれていた上に、輸送に便利な海上交通も整備されていたことが大きかったと考えられます。
こうした歴史的、地理的背景を持つ知多半島・半田に國盛が誕生したのは、江戸時代・弘化元年(1844)のこと。初代・小栗冨次郎によって創業されました。
小栗冨次郎は、中埜酢店(現・ミツカン)の創業者・中埜又左衛門に委託され、前述の粕酢を江戸や各地へ運ぶ輸送船の船頭していました。その輸送業で大きな成果を収めた冨次郎の商才を見込んで、中埜家が酒造株を譲ったのが始まりです。
―代表銘柄は?
「 超特撰國盛 純米大吟醸 中埜 」
厳選された良質な山田錦を丹念に磨き上げ、じっくりと低温で仕込んだお酒です。
國盛の持てる技術と知識を惜しみなく注ぎ込んだ、華やかで芳醇な香りと、濃醇な味わいが特徴の純米大吟醸酒です。
お薦めの飲み方:冷、常温
「國盛 にごり酒」
蔵元でしか味わうことができなかったもろみ独特の素朴な風味が特徴です。喉越し、舌ざわりがまろやかで香りもフレッシュなにごり酒です。
5℃前後に冷やして、よく振ってお召し上がりください。
お薦めの飲み方:冷、常温
社会に豊かな実りを届けられる酒造りを目指して
―酒造りで心がけていることは?
江戸時代(1844年)に誕生した清酒「國盛」は、「国の繁栄を願い、それとともに我が酒の盛んなること」を願って命名されました。以来、その想いを受け継ぎ、より多くの人に喜んでいただけるお酒を追い求め、時代の変化に合わせて常に進化をしながら酒造りを続けてきました。
また同時に、長い歴史の中でわたしたちが大切にしてきたのは、「買う身になって まごころこめて よい品を」という理念です。
どのような時代であっても、第一に考えるのはお客様の満足。そのためには、お客様の視点に立って誠心誠意取り組み、高い品質の商品を適正な価格で提供することが、なによりも大切だと考えています。お客様のやすらぎのひとときや豊かな食文化に少しでも貢献することを願い、わたしたちは今日もまごころこめて「國盛」を醸します。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
酒の文化館では日本酒にまつわる文化遺産の伝承を目的に、現在の工場が稼働する前に実際に使われていた伝統的な酒造りの道具や、当時の職人の技を紹介しています。建物は、伝統的な酒造りを行ってきた蔵の姿をそのまま残しており、臨場感あふれる空間を体験できます。
1985 年の開館以来、半田の観光施設として多くの方にご来場いただき、國盛の歴史や酒造りの文化をお伝えしてきました。展示物だけではなく、映像上映やお酒の試飲体験を通して、日本酒の文化に浸り、理解を深めていただくことができます。
また、ショップではおすすめのお酒や梅酒などのリキュールが購入できます。
今回ご紹介した酒蔵について
【愛知県】
中埜酒造株式会社
愛知県半田市東本町二丁目24番地
https://www.nakanoshuzou.jp/