し尿処理に特化した全国初の訓練を実施へ、災害時への備えで11月に四日市市
三重県四日市市は、能登半島地震の被災地の状況などを教訓に、災害時のトイレのあり方を検討するため、総合的な実地訓練を11月14日に行う。危機管理統括部、環境部、上下水道局のほか、各地区の市民センターなどの職員を動員してのまとまった訓練で、市によると、し尿処理に特化した総合的な実地訓練は全国初の取り組みだという。
10月21日の定例会見で森智広市長が説明した。市の説明によると、これまで、簡易トイレを組み立てるなどの訓練はしていたが、能登半島地震では発災後6カ月が経過しても、し尿処理施設が本格復旧しない地域があり、大きな課題になっている。四日市市でも南海トラフを震源とした大規模な地震の発生が危惧されており、災害時のトイレのあり方について、あらためて取り組むことにしたという。
訓練は11月14日午後1時半~午後5時、四日市市中央緑地内の市総合体育館で行う。一般市民も希望により見学ができるという。
訓練では、避難所担当職員が市、三重県が備えている災害用トイレを組み立て、設置することを覚え、災害協定などに基づいて事業者や団体から援助目的で提供されるトイレについても使用方法などを理解する。工事現場型の架設トイレの設置と、バキュームカーによる汲み取り訓練なども行い、これらの訓練を経験することで、災害時のトイレのあり方や運営について検討するという。
市によると、災害時の備えは発災から1日~3日目までは自助、共助による備蓄でまかなう必要があり、市の備蓄だけでは、携帯トイレは26万袋の備蓄量だという。4日目からは国のプッシュ型支援が加わる見込みになっているというが、全国各地の災害時の状況などから、被害が大規模だった場合、さらに何が必要なのかを検討しておく必要があるという。