県大会出場目指し選手ら全力プレー 釜石大槌地区中総体7競技で 女子バレーに地域クラブ初参戦
2025年度釜石大槌地区中学校総合体育大会(中総体)は14日、釜石市と大槌町の公共体育施設や学校体育館で7競技が行われた。「部活動の地域移行化」推進の中で、日本中学校体育連盟(中体連)主催大会に地域クラブチームの参加が認められるようになって3年目。同地区では本年度、バレーボール女子に1クラブが初参戦。地域クラブの参加はこれで3競技3クラブとなった。
同地区中総体は本来、9競技で実施されるが、生徒数の減少が続く近年は団体競技を中心に対戦に必要な人数がそろわず、試合を断念するケースが出ている。本年度は軟式野球、柔道で試合ができず、練習や計量のみの実施となった。複数の学校で合同チームを結成して出場するケースも。今大会ではバレーボール女子で、甲子と釜石東が合同チームで出場した。
サッカーは2022、23年度は試合ができなかったが、昨年度から地域クラブの大槌サッカークラブが参戦。2年連続で釜石東中との対戦カードとなった。大槌、吉里吉里両学園の中学生が所属する同クラブは23年に結成。この2年で着実に力をつけ、本大会ではゴールを量産。昨年の同大会で逃した県大会出場権を獲得した。
バスケットボールには男子4校、女子3校が出場。男子はトーナメント戦、女子はリーグ戦で優勝を競った。新型コロナ感染症対策で22年度まで制限されていた保護者観戦も23年度から可能となっていて、2階ギャラリーでは選手の保護者らが声援を送った。男子は新人戦県大会優勝経験のある釜石中が高い競技力を維持し続けており、本大会でも他校の追随を許さず、地区代表の座を手にした。
卓球団体戦は男子3校、女子2校がそれぞれトーナメントで戦った。個人戦はシングルスで、男子28人、女子26人が出場。トーナメント戦で頂点を目指し、男女ともにベスト4(3位以上)が県大会出場権を得た。ソフトテニス団体戦は男子2校が直接対決。女子は3校によるリーグ戦が行われた。ダブルスの個人戦は男女ともにトーナメント戦。団体、個人戦いずれも大槌学園の男女が大会を制した。
バレーボール男子は吉里吉里、釜石2校の直接対決を吉里吉里が制した。女子4チームのトーナメント戦には地域クラブの「釜石ヤングバレーボールクラブ」が初めて参加した。同クラブは部活動地域移行化の流れを受け、2023年11月に結成。現在、小学4年~中学3年まで17人が所属する。中体連の大会出場メンバーは13人。初の地区中総体に緊張もあったが、決勝では甲子・釜石東中合同チームとの接戦を制し、初優勝を飾った。
谷藤結香主将(釜石中3年)は「最初はかみ合わない部分もあったが、“みんなでつなぐ”という自分たちの持ち味を生かし、最終的に勝つことができた」と喜びの表情。同クラブとして臨む初の県中総体に向け、「自分たちのバレーができるよう日々の練習に励み、目標のベスト4達成へ頑張っていきたい」と意気込む。
今年3月からクラブを指導する蛸島茂雄監督(62)は「基本に戻ってレシーブ、ブロックを強化してきた。ボールが床に落ちなくなってきた」と成長を実感。サーブ力の強さもチームの武器で、本大会でも遺憾なく発揮された。一方で、「スパイク、サーブで力んだミスが多かった」とも。平常心での戦いに課題を残した。「まだまだ伸びしろはある。上を目指し、レベルアップを図っていく」と県大会への準備を見据える。県中総体は7月19~21日に県内各競技会場で行われる予定。
2025年度釜石大槌地区中学校総合体育大会成績一覧表