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沖縄移住の理想と現実のギャップとは!?独身〜結婚…与那原・浦添での沖縄暮らしで感じたリアルな移住事情

OKITIVE

「カーミージーの海で遊び隊」の方と海の生きものさがし

1.“沖縄病”から始まった、私の沖縄移住ストーリー

私がはじめて沖縄を訪れたのは、大学の卒業旅行のとき。 地元愛知ではまだ冬の気配が残る季節でしたが、沖縄はぽかぽか陽気で、空も海も本当に美しくて。あっという間に「沖縄病」にかかってしまいました。

帰ってからも頭のなかは沖縄でいっぱい。沖縄移住しようかな。。。なんて、仕事中にもぼーっと沖縄の海を思い出してしまい、気づいた上司に怒られた過去も…(笑)。 それからというもの、有給を使って年に何度も沖縄に通うように。ちょうどそのころ、仕事もプライベートもいろいろうまくいかず、「私の人生、このままでいいのかな?」と悩む時期でもありました。 20代半ば、「独身のいまだからこそやりたいことをやろう!」と思い立ち、「とりあえず3年くらい沖縄に住んでリフレッシュしてから、地元に戻って婚活すればいっか」なんて軽い気持ちで沖縄移住を決意。 …しかし気づけばいまは、沖縄で結婚し、そのまま沖縄暮らしを続けています。 お仕事は保育士をしていたので、比較的スムーズに見つかりました。電話でアポを取り、仕事の休みに弾丸で沖縄へ。わずか2日間で面接と家探しを済ませました。 当時の沖縄県は保育士不足の背景もあり、電話の時点で「採用するから、いつでもおいで〜」といってくれた園もありました。

与那原のマンションからの景色

与那原を選んだ理由は、就職先の保育園に近かったこと、そして「沖縄の海を見て暮らしたい!」と、オーシャンビューの新築マンションや与那原という町のゆったりした空気に惹かれたから。 結果的に、最初の沖縄移住先で与那原に住んで本当によかったと感じています。

2. 与那原町ってどんなところ?

沖縄のなかでも一番小さな町で、観光客にはあまり知られていないのではないかと思われる与那原町。 実際に移住者として沖縄暮らしをはじめてみると、とても住みやすく、暮らしに必要な環境が整っていました。スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどが点在しており、車を少し走らせれば「マリンプラザあがりはま」や「サンエー西原シティ」など大型ショッピング施設もすぐ近く。日用品の買い物からちょっとした外食まで、わざわざ那覇まで出なくてもサクッと済ませられます。 また、沖縄移住の醍醐味として与那原町の魅力のひとつは、自然が豊かでのんびりとした雰囲気。 与那原町には公園がいくつもあり、広々としていて開放感がある「与那古浜公園」や、海の近くでパークゴルフが楽しめる「マリンタウン東浜公園」など、週末には遠出しなくても楽しめます。当時は独身のため子どもはいませんでしたが、子育て世帯にはとてもいい環境だなと思い沖縄暮らしが始まりました。

与那古浜公園

さらに、すぐ隣にある西原町には「キラキラビーチ」があり、夏になると多くの人が海水浴を楽しみに訪れます(歩いて行ける距離だったので、最初は与那原だとばかり思っていました)。 自宅からすぐに海に行ける環境は、やはり沖縄移住者としては大きな魅力ですよね。 そして、与那原町といえば毎年夏に開催される「与那原大綱曳」が有名です。 440年余りの歴史を持つ伝統行事で、町を東西に分けて巨大な綱を引き合う迫力満点のイベント。沖縄の三大綱引きの一つで、地域の人々にとっても特別な行事です。 祭りの時期になると町全体が祭りの雰囲気に包まれ、県内外からも多くの人が訪れます。

与那原大綱曳

また、与那原には「オリオン通り」というディープな飲み屋街もあります。レトロな雰囲気が漂い、地元の人たちが集う隠れた名スポット。こじんまりとしたお店がならんでいて、はじめての人には少しハードルが高いかもしれません。 私も気になって行ってみましたが、結局、沖縄移住したての当初は…お店のドアを開ける勇気が出ず、沖縄暮らし初心者だったころは断念しました(笑)。 ですが、与那原町に住む地元の方々と交流したい人や、沖縄ローカルな雰囲気が好きな人にはぴったりの場所かもしれません。 与那原町はコンパクトながらも利便性が高く、自然を身近に感じられる暮らしやすい町です。都会の喧騒から少し離れて、穏やかで落ち着いた生活を送りたいとおもっている沖縄移住のを検討している人には、ぴったりの場所だと思います。

3. 観光では見えなかった沖縄、沖縄移住してわかった本当の姿

沖縄に移住してみて、観光とは違う「沖縄での暮らし」としてのリアルな面が見えてきました。 まず、沖縄のとても綺麗な海が近くても意外と行かないこと。 沖縄移住前は「沖縄に住んだら毎日海に行きたい!」と思っていましたが、実際に住んでみると、仕事や日常生活に追われて頻繁には行かなくなりました。特に移住したばかりのころはホームシックになり、通勤途中にきれいな海を見るたびに寂しくなる時期も…。 いまではすっかり寂しい気持ちはなくなりましたが、最初は沖縄の美しさが逆に切なく感じられました。 これは、沖縄移住し実際に沖縄で暮らしてみての”理想と現実ギャップ”のひとつです。

私の場合は言葉の違いにも苦労しました。 沖縄には独特の方言や言い回しがあり、最初は戸惑うことばかり。特に保育士として働いていたとき、園児に「かんぷーして」といわれ、意味がわからず対応できずに泣かせてしまった経験も。 「かんぷー」は髪を結ぶという意味ですが、移住当初は日常のちょっとした会話にも苦戦しました。いまでは驚いたときに「ハッサビヨ〜!」なんて無意識で言ってしまうくらい、だいぶ沖縄語にも馴染んできました(笑)。 そして、沖縄で暮らしてからの移動手段の違いにも意外な発見がありました。 沖縄は車移動が多いのは知っていましたが、想像以上に“自転車文化”がなかったのです!! 出勤初日に自転車で職場まで行ったところ、同僚からすごく驚かれたのを覚えています。 移住当初は海沿いをサイクリングしながら通勤できるなんて最高!と思っていましたが、暑さと車社会の現実を前に、すぐに断念。いまではすっかり車移動オンリーです。 ここも”理想と現実のギャップ”でした。 また、車といえば沖縄ならではの落とし穴がありました。 愛知から持ってきた車に錆び止めをしていなかったせいで、数年で車の裏側が錆びだらけに…。 台風や潮風の影響で、沖縄では車が錆びやすくなるため、地元の人たちはこまめに洗車をして対策しています。 とくに台風の後は洗車場には行列ができる光景もよく見かけます。 季節に関しては沖縄の冬の寒さも意外な発見でした。 沖縄移住してはじめての冬、沖縄の人が「寒いね〜」と言っているのを聞いて「全然寒くないのにな〜」なんて思っていました。ところが2年目になると、私も「寒い…」と言うように…。沖縄の冬は北風が強くて、風にあたるので体感温度が低いんですよね。 人間はその土地の気候に順応していくものなんだなと実感しました。 家については沖縄のお風呂には追い焚き機能がない家が多く、古いアパートではそもそも湯船自体がないところも多いようです。 夏はシャワーだけでも平気ですが、冬になるとやっぱり湯船が恋しくなります。 でも、沖縄に住んでよかったと思う一番のポイントは、花粉症がないこと! 春になっても花粉に苦しまなくてもいいのは、沖縄ならではのうれしいポイント。愛知では毎年花粉に悩まされていたので、移住してからそのストレスがなくなったのは大きなメリットでした。 こうした違いに戸惑いながらも、少しずつ沖縄の暮らしに馴染んできました。 最初は驚きの連続でしたが、気がつけばそれが当たり前になり、いまではすっかり沖縄の生活に馴染んでいます。

備瀬のフクギ並木

4. 与那原から浦添へお引っ越し!与那原と浦添の違いとは?

沖縄に移住して数年後、結婚と妊娠をきっかけに、与那原町から浦添市のへ引っ越しました。  ※実は”外人住宅”という沖縄ではよく聞く物件に住んだので、そのことは後に書いてあります。 浦添市は那覇市に隣接していて、車があれば空港まで30分以内で行ける便利さがあります。 最近ではモノレール(ゆいレール)が浦添まで延伸され、公共交通機関も以前よりかなり便利になってきました。那覇ほど混雑していないけれど、都市の機能はしっかりある、“ちょうどいい距離感”が浦添の魅力かもしれません。 実は浦添市は、那覇市に次いで人口密度が県内で2番目に高い街。特に子育て世代が多く住んでいるのが特徴で、公園やスーパー、病院などの生活インフラがしっかり整っているため、子育て中の私たち家族にとってはとても暮らしやすく感じています。 観光地としての派手さはないので、観光客にとっては、浦添はただとおり過ぎてしまう街かもしれませんが、住む人にとっては“生活のしやすさ”が詰まったエリア。実際に、日経BP総合研究所が発表した「都市ブランド・ランキング ―住みよい街2024―」では、なんと浦添市が全国2位にランクインしたそうです。 聞いたときには、なんだか誇らしい気持ちになりました。公園、スーパー、病院……日々の暮らしに必要なものがコンパクトにまとまっているのも浦添の魅力だと思います。 浦添に引っ越してきて新鮮だったのは、与那原町の東海岸側では朝日が昇る海が見えたけれど、引っ越してからは、夕日が沈む海を眺められるようになったこと。たった車で30分ほどの距離なのに、海の表情がガラリと変わるんです。 沖縄移住といえばサンセットを家から見たい!という方も多いかもしれませんね。 朝の静けさを感じる東の海、そして一日の終わりをゆったりと染める西の海。それぞれの魅力があって、両方気軽に楽しめるのは、やっぱり沖縄暮らしだからこその贅沢だなと改めて思います。

カーミージー(浦添の景勝地)から見える夕日

5. 浦添市の子育て環境は?自然と共に成長する子どもたち

お子さんがいる方にとっては、移住して沖縄で暮らすとしたら。。。気になるのはやっぱり保育園事情ではないでしょうか。 沖縄の保育園には、沖縄ならではの独特な雰囲気がある部分を感じます。 私はいままで沖縄で3つの保育園に勤務し、さらに自分の子どもも沖縄の園に通わせてきましたが、すべての園にも共通して感じたのは、保護者と先生の距離が近く、沖縄では全体的にフレンドリーな空気感があることです。 アットホームな雰囲気が「居心地がよい」と感じる人もいれば、「少し距離が近すぎるかも…」と感じる人もいるかもしれません。 私にとっては、保育士としても親としても、そのあたたかな雰囲気にあんしん感を覚え、自然と笑顔になれる場所でした。 また、保育園をとおして「ムーチー」や「エイサー」など沖縄ならではの行事や風習にも自然と触れられることも、ないちゃー(沖縄県外出身)の私にとってはとても新鮮で面白かったです。 待機児童数は年々減少しているようですが、それでもやっぱり人気のある保育園に入るのは簡単ではありません。実際、希望の園に入れなかったり、兄弟で別々の園に通うことになってしまう家庭も少なくないようで、私の周りでも「上の子と同じ園に入れたかったのに…」という声をよく聞きます。 保育園探しは、空き状況だけでなく家庭の希望や働き方にもかかわってくるので、早めの情報収集がカギになってくると感じました。 沖縄移住してから浦添に引っ越したのですが、浦添でも子育てには魅力もたくさんあります。まず感じたのは、自然がとても豊かで、子どもたちがのびのびと育てられる環境が整っていることです。 なかでもお気に入りなのが「浦添大公園」。とても広くて遊具も充実しており、2025年4月には新しい遊具も完成してさらにパワーアップ! 我が家でも休日になるとよく遊びに行く定番スポットになっています。 もうひとつのおすすめは「カーミージー」という自然のビーチ。 名前の由来は、沖縄の方言で「カーミー=亀」「ジー=岩礁」とされ、亀が伏せたように見える岩があるため、名付けられたそうです。 地元の人に古くから親しまれていて、いまも大切に守られている場所です。 カーミージーの海にはたくさんの魚がいて、シュノーケリングにもぴったり!岩場を歩くと、カニやヤドカリなどいろいろな生きものに出会えます。 地域のボランティア団体「カーミージーの海で遊び隊」では、定期的に海の観察会も行われていて、神秘的なウミホタルや夜光虫など、自然の魅力を学びながら体験できるるのも魅力です。

「カーミージーの海で遊び隊」の方と海の生きものさがし

アクセスも便利で、近くには西海岸道路があるので車で行きやすく、週末には多くの家族連れでにぎわっています。 ただし注意点もあります。 カーミージーにはライフガードが常駐していないため、海で遊ぶ際はできるだけ複数人で行くようにしましょう。 また、クラゲネットが設置されておらず岩場も多いため、肌を守るラッシュガードを着用したり、足を保護できるマリンシューズを履いたりなど、準備をしっかりして行くのがおすすめです。 海で遊ぶ時はしっかり注意してください。

カーミージーをお散歩

6. 便利さと楽しさが共存する浦添での沖縄暮らし

浦添は、住むには本当に暮らしやすくて便利な街だと感じます。 まずサンエー浦添西海岸パルコシティがあるから買物がとても便利!日用品から洋服、おしゃれな雑貨にスポーツ用品など、パルコに行けばだいたい何でも揃うので、週に何度もお世話になっています。 なかでも私のお気に入りは、フードコートの「海が見える席」。お昼どきは人気でなかなか空いていませんが、運よく座れたときには、目の前に広がる海を眺めながら、開放的な気分でゆったり食事を楽しめるのでとても気持ちがいいんです。 浦添にはパルコ以外にも、スーパーや大型ホームセンター、飲食店もたくさんあるので、日常の生活にはまず困りません。

浦添にある人気の沖縄そば屋さん

浦添市は病院も充実しているので移住して沖縄暮らしをする安心要素のひとつです。 2023年には浦添総合病院が移転し、新しくなりました。小児科もたくさんありますが、子どもが多い分、予約を取るのがちょっとたいへん。子どもが急に熱を出したときなどは、受診できる病院を見つけるのは一苦労です。 一方で交通面では少し困ることもあります。 朝と夕方の通勤時間帯は渋滞しやすく、特に国道58号線(通称ゴッパチ)や330号線は渋滞が多いです。車線が増えて少しはマシになりましたが、それでもまだまだ渋滞することがあるので、出発前に交通情報をチェックするのをオススメします。 空いていれば15分で行けるところも、渋滞にハマると1時間かかる日も…。 通勤時には、余裕を持って早めの出発を心がけたほうがいいですね。 あとは、浦添には安富祖通りというレトロな飲み屋街もあり、昭和の雰囲気を感じられるお店がならんでいます。与那原町のオリオン通りに比べると入りやすいお店が多い気がします、一杯やりながら、地元の人とおしゃべりするのも楽しいですよ。 交通渋滞や病院の予約には少し注意が必要ですが、浦添は便利さと楽しさがそろったとても移住して沖縄暮らしをするのにもオススメの街だと思います。

7. 移住して外人住宅に住んでみた!メリット・デメリットは?

沖縄移住してたまに耳にする外人住宅。 外人住宅に住もうと思った理由のひとつは、やっぱりそのおしゃれな雰囲気と、広い庭に憧れたから。 でも、実際に住んでみると「思っていたのとちょっと違う…!」と感じる瞬間もいくつかありました。

まず、外人住宅はコンクリート造りなので、夏はとにかく暑く、冬はびっくりするくらい寒いんです。真夏はエアコンをつけっぱなしにしないと過ごせないし、冬は「外のほうが暖かいかも?」なんて思う日も。 暑さや寒さの問題に加えて湿度もかなり高く、油断するとすぐカビが発生します。エアコンや除湿機をフル稼働させて何とか対策していますが、完全には防ぎきれません。 でも湿度が高いおかげで、肌は愛知にいたときに比べて乾燥せず、潤っているように感じます。 あと、意外と困ったのが窓やドアのサイズです。外人住宅って日本の住宅とは規格が違うので、既製品のカーテンや網戸が合わないんです。結局オーダーメイドで注文するはめになって、予定外の出費に…。 また、キッチンの高さが結構高いので、小柄な私はちょっと使いづらい。上に手を伸ばさないといけないような場面があったり、ものを取りにくい位置が多くてちょっと不便です。身長が低い方には、少し使いづらさを感じるかもしれません。 そして、築年数がわからないくらい古い外人住宅だったため、老朽化が目立ちます。壁が剥がれかけていたり、ドアがきしんでいたり…。 古さが味わい深いともいえるんですけど、実際には修理やメンテナンスが必要になってきます。 実際に住んでみると「思ったよりもたいへんな部分があるな」と感じる外人住宅。 確かに不便な部分も多いですが、それでもやっぱり素敵な部分もたくさんあります。 広い庭や、沖縄らしい開放感のある空間は、やっぱり魅力的。独特の雰囲気と、時間がゆっくり流れている感じが心地よく感じる瞬間も多いです。 もちろん湿気や温度管理などの課題はありますが、その分、自分なりの工夫で快適に過ごすことができるんですよね。それに、外人住宅ならではの「沖縄っぽさ」やレトロな魅力がほかの家にはない特別な味わいを持っています。 だからこそ、不便な部分もあるけれどやっぱり素敵だと感じるんです。少し手間がかかるけれど、その分居心地のよさやゆったりとした時間が流れる空間を楽しんでいます。

庭に迷い込んだカニ

8. 沖縄移住で感じた台風と災害のリアル

沖縄に住んでいると、台風や自然災害の影響を避けて通れません。 与那原のマンションに住んでいたころ、大きな台風が直撃して、実際にかなり怖い思いをしました。駐車場に停めていた車が横転していたり、玄関のドアが風で閉められなくなって雨風がすごい勢いで入ってきてしまい、部屋中が水浸しになったことも。 また、通勤途中の道路に大きな看板が落ちていたりと、まさに命の危険を感じる瞬間がいくつもありました。台風の暴風がすごくて風の音だけで寝られなかったり、いつも通る道の景色が一変してしまったりという様子を目の当たりにして、本当に怖かったです。

台風が去ってから外に出ると車がこのありさま…

浦添で一軒家に引っ越してからは、台風対策をするのがすごくたいへんです。外に出ているものを全部しまって、飛ばされないように準備するのが毎回手間で、台風前日は心配で落ち着きません。 台風の前後には、野菜の値段が高騰するのも悩みのタネです。大きな台風が来た後、スーパーでの野菜の値段がすごく上がるので、食費が増えるのが辛い部分でもあります。 ただ、台風が来るときには、ちょっと“非日常”のワクワク感を感じるんですよね。 子どもたちと「今日はおうちで映画の日にしようか」なんていいながら、いつもはなかなか手に取らないようなDVDをレンタルしたり、コンビニでつい余計なお菓子やインスタントラーメンを買ってしまったり(笑)。 窓の外の荒れる音を聞きながら家でじっと過ごすその時間は、なんとなく“こもり時間”のような特別さがあるんですよね。 もちろん、停電や浸水の心配もあるし、対策や備えはしっかりしないといけないですが、ちょっとだけワクワクしてしまうのも、正直なところだったりします。 また、台風だけでなくて、海に囲まれた沖縄だからこそ、津波への備えもとても大事だなと感じます。 実際に、2024年の4月には津波警報が発令されました。あのときは本当にヒヤッとしたし、緊張感が一気に走ったのを覚えています。ふだんは穏やかで癒しをくれる海だけど、やはり自然の力って侮れないなぁと、改めて感じさせられます。 特に浦添のように海が近いエリアでは、津波が現実味を帯びて感じられる分、避難する場所や、家族との連絡手段などを日頃から考えておく必要があるなと思いました。 「まさか」は意外とすぐ近くにある。自然の美しさと厳しさの両方と向き合いながら、災害に対する備えは怠らないようにしなければいけないと、改めて身が引き締まりました。

9. 出会えばみんな兄弟?沖縄で広がる友達の輪

沖縄に移住して感じたのは、「イチャリバチョーデー(出会えばみんな兄弟)」という言葉のとおり、人とのつながりがとても強いこと。 最初は知り合いもほとんどおらず心細かったけれど、一人の友達ができたのをきっかけに、「今度、別の友達も連れてくね〜」とその友達がまた友達を紹介してくれて…さらにその子がまた別の友達を連れてきてくれて。 まるで芋づる式に、友達の友達、そのまた友達と、どんどん輪が広がっていきました。

友人家族と海キャンプ

「友達の友達は、みんな友達」という空気感があって、初対面でも温かく迎えてくれる人ばかり。気づけば、たくさんのやさしさに囲まれている自分がいて、人と人がつながっていく感じがすごく心地よくてうれしかったです。 私の場合はありがたいことに、あたたかい人たちに恵まれてきましたが、やっぱり「ないちゃー」というだけで、少し距離を感じる場面もないわけではありません。 「ないちゃー」イコール「部外者」のようなイメージを持たれてしまうこともあるし、自分のテリトリーに知らない人が入ってくることに対して、ちょっとした警戒心を抱く人がいるのも事実。 でもきっと「沖縄を守りたい」「沖縄が好き」という気持ちがあるからこその反応なんだろうな、と感じるようになりました。 とはいえ、最近は県外出身の人もどんどん増えていて、子どものクラス名簿を見ても、県外出身の名字も珍しくありません。少しずつ、いろんな人が混ざり合って、やわらかく変わってきているのを感じています。 県外出身だからこそ、沖縄の文化を尊重しながら「沖縄って本当にいいところだね」「好きだな」と素直に伝えられれば、きっと自然と受け入れてもらえると思います。

名護の海でウェディングフォト

私自身は「ウチナー嫁」になったわけですが、夫の父親は奈良出身、母親が沖縄人なので、いわゆる“純ウチナーンチュ”とは少し違います。それでもやっぱり、沖縄ならではの文化や習慣には驚かされます。 特に親戚付き合いはとても濃くて、旧盆などの行事の時期になると親戚一同が集まり、自然と大宴会がはじまります。はじめのころは、その賑やかさとスケールの大きさに圧倒されました。 仏壇のある家はさらにたいへんなようで、仏壇のある長男宅に嫁いだ友人の話では、いまでも「長男の嫁」が行事のたびに大忙し。旧盆やシーミーなど、親戚が集まるたびに準備や片付けに追われるのが当たり前になっているそうです。

10. 虫嫌いには過酷!?沖縄移住で知った生きもの事情

渡嘉敷島でウミガメと遭遇

沖縄移住での注意点で肝心なのは生きものです。。。 沖縄の虫には、正直最初はかなり驚きました。特にゴキブリは噂には聞いていましたが、実際に見るとその大きさにびっくり。見たことのないような大きさで、しかも人に向かって飛んでくるんですよね…。殺虫剤をスプレーしてもなかなか死なないしぶとさには本当に驚かされます。 沖縄の熱帯的な環境では、どうしても彼らの生命力が強くなるんでしょうね。ほんと、ゴキブリの生命力には感心するばかりです。 浦添に引っ越してから、家の周りに自然が多いので正直たくさんゴキブリが出るんだろうなと覚悟していましたが、意外にもほとんど遭遇していません。 なぜかというと、我が家には頼れる“守り神”たちがいるからなんです。 それは、ヤモリとアシダカグモ。 ヤモリは最初はちょっと苦手でしたが、漢字で「家守」と書くように、家を守ってくれる存在だと知って、だんだんその存在に愛着が湧いてきました。実際、ヤモリはゴキブリを食べてくれるので、むしろありがたい存在です。 「家守」として我が家を守ってくれていると思うと、少しだけ気持ちが落ち着きます。 そして次にご紹介したいのが「アシダカグモ」。ご存じでしょうか? 直径10センチメートルほどにもなるその大きさに、最初は本気でびっくりしました。でも実はこのクモ、ゴキブリを食べてくれる頼もしい存在なんです。 その働きっぷりから、我が家ではアシダカグモを「主さま」と呼んで敬意を表しています(笑)。 家を守ってくれている感じがしてありがたい存在ですが…とはいえ、見た目はやっぱりちょっとインパクトが強め。ゴキブリをとるかクモをとるかは、個人の判断にお任せします。 また、沖縄の生きもの事情には、ちょっと笑えない体験もありました。 床を歩くたびにギシギシと音がして気になったので、念のため業者さんに見てもらったところ 、まさかのシロアリ大量発生。 床下の木材がシロアリに食べ尽くされていて、ほぼ崩壊寸前でした。湿気が多い沖縄ではシロアリの被害がとても多いんだそう。 泣く泣く床を全面張り替えなければいけなくなり床をはがしてみると、なんと立派なシロアリの巣が…! グロテスクすぎて写真はとても載せられませんが、興味があれば「シロアリ 巣」で検索してみてください。なかなか衝撃的です。

床を全部張り替えているところ

ちなみに豆知識ですが、シロアリは「アリ」じゃなくて、実はゴキブリの仲間なんだそうです。普通のゴキブリだけでも十分うんざりなのに、まさかシロアリまでゴキブリの親戚だなんて…。 こんなところにもゴキブリ界のネットワークが潜んでると思うと、沖縄のゴキブリ事情には本当にげんなりさせられます。 沖縄独特の生きものたちはその存在感が強く、苦手な方には精神的にかなりの衝撃を与えること間違いなしです。虫嫌いな人はしっかり心の準備をしてから移住したほうがいいかもしれませんね。

11. 沖縄移住を考えるあなたへ伝えたい。人生は「なんくるないさ〜」でいいんだよ

人生に疲れた独身女が、“人生の夏休み”のつもりで来た沖縄。3年沖縄生活を楽しんでから地元へ帰る“沖縄3年計画”だったはずなのに、沖縄のあたたかい空気に癒されて、気づけばそのまま住みついてました。 もちろん、いいことばかりじゃないし「えっ!?」と戸惑うような文化の違いや、虫との格闘もありますが、なんだかんだ、やっぱり沖縄が好きだな〜と実感する毎日です。

カーミージーでシュノーケルを楽しんでいます

実は、沖縄移住の準備を進めているときに東日本大震災があり、地元や家族から離れることにすごく迷いもありました。 でも「人生一度きり。やらずに後悔するくらいなら、やってみよう!」と思い切って移住を決めました。結果、移住して良かったと心から思っています。 実際に暮らしてみないと分からないこともたくさんあるので、沖縄移住を迷っている方には、「とりあえず一度住んでみる」くらいの軽い気持ちをおすすめしたいです。 ウチナーンチュお得意の「なんくるないさ〜」精神です。 どこに住んでいても、毎日を楽しめるかどうかは自分次第。結局のところ、大事なのは場所ではなく“自分がどう過ごすか”なんだと思います。 そんなわけで、迷っている方はぜひ一歩踏み出してみてくださいね。 沖縄は今日も、ゆるくてあたたかい風が吹いてますよ。

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