小1の壁、ローカル10000プロジェクト、早期発見・早期支援、今どきのマリッジサポートなど質疑、四日市市議会の一般質問
三重県の四日市市議会は6月17日、一般質問があり、小規模特認校制度を導入する水沢小学校の児童募集、「小1の壁」、カスタマーハラスメント、雨水排水対策、発達障害などの早期発見や早期支援などの取り組み、学童保育施設への昼食支援、今どきのマリッジサポートなどについて質疑があった。
質問に立ったのはフューチャー四日市の小田あけみさん、後藤純子さん、樋口龍馬さん、新風創志会の辻裕登さんの4人。
小田さんは、来春、小規模特認校制度を導入して市内全域から児童を迎える水沢小学校を取り上げ、多くの人に関心を持ってもらうために、どんな魅力ある教育を行うかと尋ねた。廣瀬琢也教育長は、自然や環境、歴史を生かした教育や、多様な人々が交流でき、少人数だからこそできる教育、子どもが自分のペースで学習する「自由進度学習」なども考えていきたいなどと答弁した。
小田さんは、大阪府豊中市が、朝早く出勤する共働き家庭のニーズに合わせ、4月から全小学校で午前7時に校門を開け、登校時間までは体育館などで児童を見守る事業を始めたことを挙げ、四日市市でもできないかと質問した。
市側は、豊中市のように午前7時前から校門の前で子どもたちが待っている状態は四日市市では起きていないこと、集団登校だと、その集合場所にあらかじめ見守る人がいる必要があるなど、現時点では朝7時の開門は考えていないと回答した。小田さんは「保育園の時はできたのに、小学校に入るとできないことを『小1の壁』とも言うが、子育ては社会全体で支える必要があり、どうすべきか、一緒に考えてほしい」と求めた。
後藤さんは、カスタマーハラスメントについて質問。市は、過去3年、毎年200件を超える職員からの報告があり、不当要求とみなされるべきものも20余~40数件あったと回答した。職員を守る環境をつくるため、各部署にポスターを貼り、ガイドラインや職員の相談を受ける体制づくりを検討しており、職員アンケートも行う考えだとした。後藤さんは、地域資源の活用や地域課題の解決など地域密着型の起業や新規事業を支援する国の「ローカル10000プロジェクト」についての市の考えも質問、市は周知に努めたいと答えた。
樋口さんは、降った雨水を下水道に直接流さず、一時的に貯留し、ゆっくりと地中に浸透させる植栽空間「雨庭(レインガーデン)」を広く知ってもらうことを求めた。市は、中央通り再編で、歩道空間などにこの考え方の植栽を施工していく考えで、先行した近鉄四日市駅西から西浦通りまでにも配置したと説明した。樋口さんは、自宅の庭で自作の「雨庭」をつくったこと作業の様子を写真などを使って紹介した。
樋口さんは、自らの子の発達について、早くから不安を抱いていたものの、「心配ないですよ」「個人差がありますよ」などと見逃され、支援の遅れから、大変な努力を強いられた経験から、成長を見守った父親の思いも込め、幼い時に発達についてしっかり気づくことができる目をもつ人が子どもを見てくれる体制をつくり、1人でも多くの障がい者が自分が望む仕事に就ける、そんな四日市市であってほしいと求めた。
辻さんは、学童保育施設の夏休みなどの昼食を市の支援で実現できないかと質問した。東京都八王子市や、アプリを使う東京都港区の日替わり弁当の配達など先進例も挙げた。市は、東京の例は学童保育施設が公設である一方、四日市市内はすべて民間施設のため、それぞれの施設の考えがあり、市が行うのは難しいと答えた。ただ、施設側の考えはアンケートなどで調べたいともした。
辻さんは、パーティー方式の婚活の場づくりを市が行ったことに関連し、今どきは若者の多くが結婚相手をマッチングアプリで探しており、市もアプリの検討が必要ではないかと指摘した。また、山口県周南市の例を挙げ、休日のみ、公用車のEV(電気自動車)やFCV(燃料電池自動車)を市民にカーシェアしてはどうかと求めた。市は①自動車保険の契約内容は職員のみが対象②緊急時の出動に備える③カーシェア前後の作業が職員の負担、などを挙げ、現時点では難しいとの考えを示した。