猫と『ネコ科動物』の違いや共通点6選 異なる習性からそっくりな行動までご紹介
『猫とネコ科動物』の違い&共通点6つ
日頃、私たちが接している身近な猫は『イエネコ』というネコ科動物の一種です。といっても、野生味はほぼゼロ。直属の先祖であるリビアヤマネコはキジトラにそっくりで、親近感が湧いてしまうのではないでしょうか。
しかし、ライオンやトラ、ヒョウともなると雰囲気がガラッと変わるため、"決して触れ合うことができないネコ科動物"という印象が強くなるでしょう。
ところで皆様、一般的な『ネコ科動物』と『家庭の猫』の違いが気になりませんか?ということで、今回は大きな違いと、意外と共通している部分を6つ紹介いたします。
尚、ここではイエネコである身近な猫のことを分かりやすくシンプルに『猫』と表記させていただきます。
1.ライオンは群れで狩りをする
いわゆる野良猫は、基本的には食糧を得るために誰かとタッグを組むことはありません。少なくとも狩りの実践においては個人プレーである場合が多いです。
しかしライオンは群れで暮らし、狩りをする習性を持っています。メンバー構成は1〜3頭のオス・多数のメスとその子どもたちです。
狩りは基本的にメスの集団が行い、成功報酬となる獲物は、まずオスに譲るという厳しい掟があります。
厳格なルールは他にもあります。というのも、時々外部のオスが奇襲をかけてくることがあり、群れのオスたちはそこに挑まなければなりません。
ここで負けてしまうと群れは解散に追い込まれ、群れの存続が絶たれてしまうのです。自然の摂理とはいえ、なかなかシビアな世界です。
2.泳ぎが得意な種がいる
猫は基本的に水が苦手で、シャンプーをしようものなら大騒ぎに大暴れで大変なことになります。これは、リビアヤマネコの生息地が砂漠であることに関係があり、水に馴染みがないことが理由です。
その一方で、一部のネコ科動物は水を恐れず、泳ぎが得意な者たちがいます。主な代表としてはジャガー・トラ・オセロットなどが挙げられますが、他にもいるので興味がある方は検索してみてください。
ちなみにスナドリネコは、川をフィールドに貝や魚を捕食します。
実は、猫の中にも水に興味を示す者がいます。それはベンガルです。ベンガルは元々ヤマネコの血を引くイエネコであることから、水遊びを好む傾向にあります。
もちろん個体差があるので、全てのベンガルに対する共通項ではありません。
3.耳の後ろに"特殊な模様"がある
ネコ科動物の耳の後ろには"特殊な白い模様"が入っています。その理由は諸説あるのですが、砂漠の中で子が母親を見失わないためであるといわれています。
以前、『井の頭自然文化園』のアムールヤマネコを担当している飼育員さんがジョークとして、「吉祥寺近辺で"この模様"を持つ猫を見かけたらご連絡ください」と仰っていました。
イエネコとの大きな違いをユニークに紹介されていて、その場が盛り上がっていました。確かに地域猫の耳はシンプルな単色ですよね。その時、妙にしっくり来たことをこの記事を書きながら思い出しました。
4.毛繕いをする
ここからは共通点を紹介していきます。まずは毛繕いをすること。
毛繕いによって汚れや臭いを落とすのは、全てのネコ科動物に共通する行動です。動物園に足を運ぶ機会があれば、実際に観察してみてください。
食後に毛繕いをする姿はまさしく"猫"そのもの。可愛らしさや親近感を覚えること間違いなしです。
5.マタタビに反応する
実は、トラやヒョウも猫のようにマタタビに好反応を示します。キャットニップにメロメロになり、スリスリする姿は"うちの子"と同じ。
うっとりした表情が愛らしく、あの威厳はどこへやらとギャップを感じる光景です。
6.肉を食べ、食後はダラダラする
ネコ科動物も基本的には肉を主食とする『肉食動物』です。そして、食後は安全な場所でくつろぎ、うたた寝を繰り返します。
ネコ科動物がダラダラと過ごしてよく寝るのは、体力の温存と次の狩りに向けての準備が目的です。平均して14〜16時間眠ります。
睡眠時間や眠り方、食習慣もまた共通しているというわけですね。
ちなみに健全な家庭で暮らす完全室内飼育の猫は、食事にありつけないということはありません。"食っちゃ寝"を繰り返していると、確実にぽっちゃり体型になってしまいます。
そこは、過酷を極めるネコ科動物とは事情が異なります。肥満は万病のもと。日常的に体重管理を心がけましょう。時々野生のスイッチを目覚めさせ、狩りごっこ(遊び)に本腰を入れるよう仕向けてみてください。
まとめ
猫もイエネコというネコ科動物の一種でありながら、すっかり家庭に馴染み、その野生味は完全に失われています。
一方、ネコ科動物として広く認識されているトラやライオンは、動物園で飼育されていたとしても野生の本能がむき出しです。この時点で既に猫とは違う路線を行く動物ですが、違いは他にもありました。
✔群れで暮らし狩りをする(ライオン)
✔泳ぎが得意な種がいる(ジャガー、トラなど)
✔耳の後ろに特殊な模様がある
方や共通している部分も多々ありましたね。
✔毛繕いをする
✔マタタビに好反応を示す
✔肉食動物でありダラダラ過ごす習性がある
秋の行楽シーズンに動物園に行く機会があれば、猫との違いや似ている部分を改めて観察してみると楽しそうですね。