大晦日に僧侶相談 ありがとうボックスに、除夜タイマー
大晦日の取り組みについて、築地本願寺が様々な行事を行うことをリリースしました。
築地本願寺 責任役員 東森 尚人さん
除夜の鐘を境内で皆様についていただくという平和を願う鐘をつきます。今年新しいこととして「ありがとうを収めようボックス」というものを設置しまして電話ボックス型の遮音の大きいボックスの中で、日頃の感謝などを声で大声で叫んでいただこうという取り組みをしたり、パイプオルガンのコンサートでしたり、本堂で僧侶相談、それから、ホットミルクの配布なども行います。2017年から築地本願寺は様々な政策を行ってまいりましたら、ご参拝いただく方が2倍以上に実は増えているということがございまして、より創意工夫や試行錯誤を繰り返しながらチャレンジしていきたいと思っています。
築地本願寺はこれまで大晦日だけでなく境内にカフェをオープンするなど様々な取り組みを行ってきました。今では参拝者は、取り組みを始める前と比べて2倍、平日でも一日平均1万2000人ほどが境内を訪れています。大晦日の行事にも毎年力を入れていて大晦日に来る人も順調に増えているそうです。
盛りだくさんの行事の中、やはり伝統的な除夜の鐘を聴く、また自分達で突くことが出来る行事は人気が高いそうですが、除夜の鐘にまつわる面白いアプリがありました。
除夜の鐘を管理するJoya Timer
浄泉寺の住職 上山 大信さん
除夜の鐘をいつ始めて、何秒間隔でつけばよいかを計算して、つくタイミングを教えてくれるアプリです。少なくとも私のお寺では昔から、除夜の鐘の最後の108回目を新年0時0分0秒につき終わるというやり方をやってるんです。ですから、正確に108回、しかも新年初めのときにつき終わるようにつくっていうのは結構難しくて、昔は人が時計を見ながらそろばんで108回ちゃんとやってるか数えてたですけど、結局人がやるとですね、そこで話をしてる間に、例えば忘れたりすることが生じるわけです。そうすると、本当に108回つけたかどうかっていうのが、最後いつもなんか途中抜けたような気がするとかですね、そういう話が出てたんですよ。そうじゃないようにできるためにはアプリでちゃんと管理するのがいいと。そういう意味ですね。
除夜の鐘の終わりの時間は、新年0時0分0秒と決まっています。回数も108回と決まっているのでそれを入力して大体何秒間隔でつくか設定するアプリです。住職のおすすめの間隔は25秒だそうですが、25秒ごとに音がピロンとなって教えてくれるので、その音に合わせて突き続ければ正確に108回時間内に突くことができます。
上山さんは住職だけでなく大学の教授もされていて、数学やプログラミングなど子供のころから慣れ親しんできたこともあり、iPhoneがでてきたタイミングで何かアプリを作りたいと考えていたそうです。そこで、毎年混乱していた除夜の鐘を管理するアプリなら簡単に作れそうだし役立ちそうとのことで開発しました。特に都内のお寺などは自分たちも突けると人が大勢くる場合、108回とあえて決めない方針を取っているところもありますが、こだわっているお寺にとっては絶対にミスは許されない除夜の鐘を完璧に遂行できます。
実際同業者からの反響はどうなのか、再び住職に伺いました。
浄泉寺の住職 上山 大信さん
ちゃんとうちのように108回きっちりついてやりたいという方には、これがないとなかなか難しいので、実際使ってる方も結構おられるみたいですよ。で、フランスとかでもダウンロードしてる人いるしアメリカもいるんでですね。最初の頃結構面白がってこれどういう人がダウンロードしてるか見てたんですけど、アメリカの人がダウンロードしてどうも使ってるっぽくって、なんかこういうのインターバルタイマーっていうんですけど、この間隔ごとに鐘の音が出るので、一定間隔で何か音が鳴るっていう使い方っていうのは何かあるみたいで、例えば瞑想とかですねそういうときとか、トレーニングなんかで使ってる人は多少いるみたいですね。
同業者はもちろん、除夜の鐘と関係ない使い方にも広まっているそうですが、何か役に立つアプリをという住職の願いは様々な形で叶っているようでした。
(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材:竹内紫麻)