都筑警察署 詐欺防止で4人に感謝状 相次ぐ被害に注意喚起も
都筑警察署(下山幸男署長)管内でも特殊詐欺の被害が問題視される中、同署は7月31日、特殊詐欺の被害を未然に防いだ銀行員や郵便局員ら4人に感謝状を贈呈した。下山署長は「多岐にわたる犯行手口で認知が難しくなる中、適切な判断・行動で防いでくれたことに心から感謝申し上げる。これからも詐欺被害防止に協力いただきたい」と感謝した。
今回、表彰を受けたのは、青山尚恵さん、十河登さん、渡邉誠さん、本田義幸さんの4人。
タブレット端末にウイルス感染の警告を表示し、ギフトカードを購入させようとする「架空請求詐欺」や、区役所職員を名乗る男性が「医療費のかえりがあります」と騙し、金融機関での手続きを促す「還付金詐欺」、「少額の投資で高額の利益を得られる」と騙して、現金の振り込みを促す「投資詐欺」などの被害を未然に防いだ。
贈呈式で、下山署長は「これからも最後の砦として、詐欺防止に協力いただきたい」と呼びかけた。
三菱UFJ銀行港北ニュータウン支店で案内係を務める青山さんと警備員の十河さんは、携帯電話で通話しながらATMを操作する男性に対し、詐欺の疑いがあるため操作を止めるよう促した。青山さんは「感謝状をいただき、大変光栄な思い。詐欺被害について、ニュースで見ることはあったが、直面したのは初めて。身近に潜む犯罪だと実感した。これからも目配りと気配りを徹底したい」と話した。
区内の被害状況
区内の特殊詐欺発生件数は7月30日時点で20件(昨年同期比1件増)、被害総額はおよそ3千万円に達している。神奈川県全体では、発生件数が988件(昨年同期比162件減)、被害総額は約28億2千500万円に上る。
生活安全課の蒔田克課長によると「区内の特殊詐欺の犯行手口は『オレオレ詐欺』『還付金詐欺』『架空請求詐欺』が主流で、一件あたりの被害額が高額になるケースも多い」という。
蒔田課長は「詐欺の疑いがある場合は、すぐに電話を切り、家族や警察に相談してほしい。また電話の留守録機能を活用し、対策を徹底してもらいたい」と注意を促す。
同課では、年金支給日に都筑防犯指導員会の会員らと、センター北駅やセンター南駅周辺などでチラシ配布などの啓発活動を行っているほか、65歳以上の高齢者が高額の取引を行う際、金融機関から通報があり、事情聴取を実施するなど特殊詐欺の被害防止に努めている。
また「特殊詐欺防止漢字テスト」や「特殊詐欺被害防止クロスワード」を独自に制作。「口座を教えない」や「貯金を渡さない」などの注意点を、漢字テストの答案用紙を模して伝えている。