あしがら環境保全 開成町補助金でEV車 町内運行で脱炭素をPR
あしがら環境保全(株)(南足柄市狩野/加藤誠一代表取締役)は、開成町中小企業GX戦略設備導入補助金を活用してEVパッカー車を導入。3月14日、開成町役場で出発式を行った。
開成町のごみ収集委託業者である「あしがら環境保全(株)」。屋上に設置した太陽光パネルの電力を活用したリサイクルプラントの稼働とEVトラック1台を1月から、運行している。同社は現在10台のごみ収集「パッカー車」を運行するが、新たにEV車を導入した。同社によると、プラスチックごみの回収から運搬、中間処理までの一連の流れを太陽光を使用した自然エネルギーで行うのは、日本で初めて取り組み。
購入費は約1600万円。約半額を開成町の補助金を活用しているため、EVパッカー車は基本開成町で運行される。町担当者は「車体には町のキャラクターあじさいちゃんがデザインされ、町内を走行するので脱炭素へのPR効果にもつながる」と期待する。
災害時、蓄電池に
同社は開成町と南足柄市と「災害時における太陽光発電設備による非常用電源としての活用に関する協定」を1月10日に締結。災害時に地域のEV車に急速充電器を開放し、リサイクルプラントを災害廃棄物回収・処理などの業務に関する活動拠点とすることを取り決めている。
今回、災害時に町内の避難所で電気が必要になった場合、EVパッカー車を蓄電池として利用できることが加えられ、新たに協定が締結された。出発式で山神裕町長は「脱酸素を進めるには企業の協力が不可欠。補助金を通じて協力を呼び掛けていますが、こうして有効に使っていただき感謝しています」と挨拶した。
加藤社長は「取り組みは、開成町をはじめ地域が進めるカーボンニュートラルへの第一歩となるのでは」と話した。