ウィル・スミス、ビンタ事件からの学び語る「憎しみで憎しみに応えてはいけない」「誰もが人生苦しんでいる」
『バッドボーイズ』『インデペンデンス・デイ』『メン・イン・ブラック』などで知られるウィル・スミスは今やハリウッドスターとして知られるが、俳優として花開く前の本業はラッパーだ。この頃スミスは音楽活動に精力的で、2024年7月には息子ジェイデンをフィーチャーした『Work of Art』をドロップ。日本の千葉雄喜とコラボレーションを果たした『Team Tomodachi (Remix)』も話題を集めた。
そんなスミスはサンディエゴのイベントに登場。音楽のキャリアに舞い戻ったことは、2022年のアカデミー賞授賞式で起こしてしまった「ビンタ事件」に関係があることを語っている。
「アカデミー賞の後、俺は……ちょっとやられてた。でも戻ってきた。2年かけて、自分は誰なのか、何になりたいのかを見つめることができた。そして突然、6ヶ月くらい前に、音楽がまた俺に降りてきた。新しいアイデアがたくさんあるし、言いたいことがたくさんある。どうやってそれを吐き出そうか、どんな芸術の形にすべきかと考えていた時、音楽と詩が、俺が心で感じている矛盾すらも表現できる唯一の方法だと思ったんです。」
スミスは第94回アカデミー賞授賞式にて、プレゼンターのクリス・ロックが妻ジェイダ・ピンケット・スミスの脱毛症をジョークで揶揄したことに腹を立て、カメラの前でロックを平手打ちにし、放送禁止用語も口にした。これは大変な騒ぎとなり、スミスは映画芸術科学アカデミーから退会、業界からは“干された”ともいえる状況が続いた。
イベントでスミスは、平手打ち事件からの学びを次のように続けている。
「アカデミー賞の件で言うと、俺にとって一番苦痛だったのは、憎しみに対して憎しみで答えてしまったこと。それは絶対にうまくいかない。絶対にダメです。たくさんの人が傷ついてしまった。それで、そこから生まれた考えというのは、本当に頭の中で何度も何度も繰り返していたんだけど、誰もが何かを経験しているということ。どんな人でも、人生で辛い思いをしているのです。
さぁ、一呼吸おいて、周りの人たちに気を向けてみてほしい。別れを経験した人もいる。愛する人を失ったばかりの人もいる。必要な仕事から解雇された人もいる。今あなたの隣にいる人が、どんな境遇にいるかなんて、わからないものです。
だから立ち止まって、周りを見渡してほしい。誰もが人生をもがいている。人生は辛い。そうでしょう。俺たちにできる、今俺たちができる最高のことは、喜びと愛を分かち合うこと。だから今から、周りにいるみんなに、愛を送ろうじゃないか!」
2024年の『バッドボーイズ RIDE OR DIE』ではブロックバスター映画に復帰を果たし、現地でのプロモーション活動にも励んだ。同作のLAプレミアでは「ここにいるファンだけでなく、世界中です。僕たちが一緒に外に出ると、そこにあるのはいつだって愛だけ。きっと、ファンのみんなもRIDE OR DIEってことだね」とファンへの感謝を述べていた。
今後の映画作としては、『バッドボーイズ』シリーズのマイケル・ベイ監督にのアクション映画『Fast and Loose(原題)』がほか、『アイ・アム・レジェンド』も進行中だ。失敗から学び、俳優としても再起したスミスの活躍にも期待したい。
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