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石の「生き死に」とは? 本当に知りたかった! 13路盤で学ぶ囲碁の基本【囲碁講座】

NHK出版デジタルマガジン

石の「生き死に」とは? 本当に知りたかった! 13路盤で学ぶ囲碁の基本【囲碁講座】

NHKテキスト『囲碁講座』の2024年10月号からの別冊付録「本当に知りたかった! 13路盤で学ぶ 囲碁の基本」では、アマチュアへの指導経験豊富な水間俊文八段が、上達のためにぜひ押さえておきたい「囲碁の基本」を13路盤を使って分かりやすく解説しています。

10月号では「石のつながり・強弱」をテーマに展開。入門直後の方や初級者はもちろん、上級以上の方にとっても目からうろこの気付きがありました。

つづく11月号のテーマは「石の生き死に」。石を生きるためには、実は「眼」を作るよりも優先すべきことがあるのです。

生きている石とは取られない石のこと

「石の生き死に」について、皆さんはどのようにお考えでしょうか。大抵の方は「二眼ある石は生きている石」「二眼がない石が死んでいる石」と思われたり教わったりしたことと思います。しかし、囲碁のルールブックである日本囲碁規約(日本棋院のホームページから閲覧可能)の第七条には「相手方の着手により取られない石を『生き石』という(一部抜粋)」としか書かれていないのです。

 まずは1図をご覧ください。▲は生きているでしょうか? 死んでいるでしょうか?もちろん▲は周りに敵である白がいないのですから伸び伸びとしており、堂々と生きています。まずはこの考え方を知っておいてください。ここから互いの石が増えていき「黒石の多いところ」や「白石の多いところ」が出来てくると、さまざまな条件によって「石の強弱」が生まれ、「石の生き死に」へとつながってくるのです。

 囲碁は盤上へ互いの石を置いて増やし合い、取り合っていくゲームですが、あまり最初から生き死にを気にし過ぎる必要はないのです。

※本文では▲と表示しています

死んでいる石とは

 日本囲碁規約では、「死んでいる石」についても「生き石以外の石を『死に石』という」とこれまた漠然としたことしか書かれていません。皆さんが心配している「二眼」があるかどうかは、石の生き死にのいくつもある条件の中の一つにすぎないのです。

 私なりの生き死にの条件は「相手に囲まれているかどうか」「周りの仲間とつながれるかどうか」「相手の石を取れるかどうか(反撃の可能性)」「相手の打てない場所を持っているかどうか(これが眼に通じる)」の四つになります。

 2図をご覧ください。右上の▲はどうでしょうか。▲は白に囲まれてaやbも白が打てますし、周りに黒の仲間がいないため白を取ることもできそうにありません。ということで▲は死に石となりそうです。

 では左下の■はどうでしょうか。今度は黒がcのほうへ石を増やせば敵に囲まれづらくなりますし、仲間とつながって安心できるため死にそうにありません。むしろ△を孤立させて死に石とさせる可能性まで出てきました。これが生き死にの条件にあった「相手の石を取れるかどうか(反撃の可能性)」です。

※本文では、▲と■と△と表示しています

石を取られないためには

 石をなるべく取られないようにするためにはまず、盤面全体を見渡して危ない石を見つけることが大切です。石数や手数が少なく、相手に囲まれそうな石には特に注目しましょう。
 
 危ない石を助けるときにもコツがあります。それでは練習問題をやってみましょう。3図をご覧ください。▲を生きるためにはaからdのどこへ黒石を増やすとよいでしょうか。

 正解はbです。考え方のポイントは「広いほうへ進む」こと。bに打つことで、黒は上方だけでなく左右にも進路が増えて逃げやすくなりました。大切なのは「強い相手の待っているほう(a、c)」や「碁盤の端(d)」に向かわないことです。何しろ強い相手に向かっていっても苦しいだけでよいことはありませんし、碁盤の端は行き止まりなので相手に囲まれやすくなるばかりだからです。

 ところが「眼」を意識し過ぎると、不思議と「狭いほう」へ石が向かってしまいがちなので気を付けてください。

 相手に囲まれつつある危なくなりそうな石を見つけたら、まずは簡単に取られないように相手の石が少ない広い場所へ向かうことを大切にしましょう。

※本文では▲と表示しています

問1 「黒番」

【正解図】
黒1(B)と相手がいない広い場所へ進出するのが正解です。白2にも黒3と一間トビで進出し、白4に黒5と打つことで左辺と右下の黒がだんだん連携してきます。弱い石を助けたい場合には、このように広い場所へ出ていけば、取られにくくなります。

【失敗図】
黒1(A)からすぐに生きようとするのは失敗です。黒5まで丁寧に守っていけば確かに黒は取られないかもしれません。しかし黒石が狭い場所に縮こまっている点と、左上と左下の白を固めてしまった点が黒にとってマイナス。白6と広い場所に先着され、早生き作戦は苦戦の元となっています。

問2 「黒番」

※本文では、△と▲と表示しています

【正解図】
黒1(B)と広い中央に向かって進出するのが正解です。この場合は▲と△が接触しているので、穴を空けないよう一歩ずつつなげて打つことが大事。これで▲は手数が増えて強くなり、進路も増えました。黒3と打てばこの一団はほぼ安泰。白4には黒5など他の場所に回る余裕があります。

※本文では、▲と表示しています

【失敗図】
黒1(A)から3とすぐに生きようとするのは失敗です。白4の切りが厳しく、▲の手数が2手しかないので黒は▲を見捨てるしかありません。黒7まで生きても陣地は小さく、▲を切り離されたことで周囲の白が強くなりました。さらに白8と広い場所に先着され、黒に不満の残る進行です。

別冊付録「本当に知りたかった!13路盤で学ぶ 囲碁の基本」11月号では、さらなる解説を紹介しています。

囲碁は盤上の広い空間で石たちがさまざまな生き死にのドラマを繰り広げていくゲームです。どんどん打っていって、その世界を楽しんでください。

講師

水間俊文(みずま・としふみ)
1973年鹿児島県出身。大窪一玄九段門下。90年入段。2020年八段。日本棋院東京本院所属。14年8月から11月まで『囲碁フォーカス』講師。アマチュアへの指導実績多数。

◆『囲碁講座』11月号別冊付録「本当に知りたかった!13路盤で学ぶ 囲碁の基本2 石の生き死に」より
◆構成 保田大地 /デザイン knoma

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