今、「科学」入門に最適な名著3選――NHK「100分de名著」シリーズ【NHK100分de名著キャンペーン】
科学の名著で、知識を広げよう!
シリーズ開始から、累計1000万部以上の発行を記録しているNHK「100分de名著」シリーズ。番組では、古今東西の名著を25分×4回の100分で読み解き、今の世の中を見通すためのヒントを得る構成が人気です。司会の伊集院光さんとゲスト講師とのやりとりも、毎回話題に。
今回は、2025年7月から全国の書店とNHK出版ECサイトで開催中の「100分de名著」フェアを記念して、数百もの名著に触れてきたNHK「100分de名著」テキスト編集部に、「今の世の中を理解するために必読の『科学』にかかわる名著」を聞きました。
「科学」入門におすすめの3冊
科学の名著を通じて、宇宙の謎や進化論、量子力学の世界に触れ、知識を広げましょう。アインシュタインの『相対性理論』、ダーウィンの『種の起源』、カントの『永遠平和のために』を読むことで、自然科学や社会科学の発展を理解し、未来の技術や社会の変化に備えることができます。
アインシュタイン『相対性理論』
20世紀における物理学の最大革命の一つを読み解く
――別の見方をすれば、相対性理論は天才にしか理解できないものではなく、ある程度の物理学の流れを知っていれば、私たち誰にでも理解できるものだといえます。ですから、相対性理論を知らずに人生を送ってしまうのは非常にもったいないことだと思うのです。(名著ブックス「はじめに」より)
ダーウィン『種の起源』
現在もアップデートされ続ける進化論の礎を読み考える
――すべての生き物は「歴史の産物」です。物理学や化学では、対象の歴史的な変遷はあまり問題になりませんが、生物学は「今」だけに注目していては何も見えてきません。歴史のなかに散らばるさまざまな現象をジグソーパズルのように複雑に組み合わせながら「生命がいかなる道筋を経て、今に至るのか?」を探っていくのが生物学です。そうした壮大なパズル全体の完成予想図を、完璧ではないにせよ、私たちに最初に示してくれたのが、ダーウィンの著書『種の起源』なのです。(名著ブックス「はじめに」より)
カント『永遠平和のために』
争いの火種が消えない現代にあらためて考えたい
――本題に入るまえに、あらかじめ断っておきたいことがあります。『永遠平和のために』はそのタイトルから予想されるような理想論が書かれている本ではまったくありません。むしろそのタイトルから予想される内容とは正反対の本です。理想論が結局は「人びとが道徳意識をより高めれば問題は解決する」という議論に帰着するのだとしたら、このカントの著作は逆に「人びとが決して高い道徳意識をもたなくても問題解決の可能性はあるのか」という問題意識に貫かれています。
(名著ブックス「はじめに」より)
今回ご紹介した「名著」読み解きのための「NHK『100分de名著』ブックス」の情報は、全国の書店、またNHK出版のホームページでもご覧いただけます。