古着をリペア! デニムパンツの裾上げ方法を伝授!【ふるぎ道】
ボロボロな古着も格好いいけれど、着倒して、着倒して修理しながら着続けるのが本当に格好いい古着の楽しみ方。挑戦すれば自分でもギリギリできる、そんな「お直し」を教えます。今回はパンツの裾上げ。パンツの裾上げは一見単純なようで、その種類は実に多彩。今回はその中でもデニムの裾上げを実演。カットして縫うだけに見えて、雰囲気が大きく変わる奥深い技術。その違い、ぜひ体感してみてください。
岩城リョージ|三軒茶屋の古着専門お直し屋ヴィジティングオールドのオーナー。。「お直しの目標は、忠実な再現。単純な裾上げと侮るなかれ。」
デニムパンツの裾上げにトライ!
古着、特にデニムは長年の経年変化やその個性が魅力なのだが、それゆえにサイズやダメージに悩むこともしばしば。ウエストとレングスの両方がオリジナルでないと穿きたくない、なんて人も多いのは事実だ。「ただ裾を上げればいいだけじゃないか」と思うそこのあなた。それもひとつの考え方で、間違ってはいない。しかし、今回のお直しを見ていただければ、その考えも変わるはず。ただのデニムの裾上げだからと侮るなかれ。古着のお直しとは、見た目よりもとてもとても深いのだ。
Before
アイテムは「リーバイス」[505]のブラック。一般的にデニムの裾上げはチェーンステッチで行うことが多いが、オリジナルのブラックデニムはシングルステッチのことがほとんど。今回は忠実にシングルステッチで裾上げに挑戦。
After
参考価格 / 1本2500円〜
裾上げの手順
デニムに使われている糸の色をよく見て、使用する糸を選んでいく。選ぶ糸を間違えると、縫い上がりにかなりの差が出るので注意が必要だ。
股下を測り裾上げする長さを決める。デニムは特に生地のねじれがあるため股下を測り、地の目に平行となるように仕上げ線を引く。
反対足にも仕上げ線を引いていくのだが、股下を測り、アウトシームはデニムを半分にたたみ裾を重ね、先ほど引いた位置を確認しながら写す。
先ほど引いた仕上げ線よりも、デニムであれば縫い代を3cmをとりハサミでカットしていく。古着は特に縮みやねじれがあるため、慎重に。
仕上げ線の長さになるように、3cmの縫い代を1.5cmずつの二つ折りに。生地のねじれを再現するため、右手でねじりながら縫っていく。
縫い上がった後に、高温の蒸気アイロンを当てる。コットンの生地は蒸気が当たることで縮みが生まれ、縫った際のねじれがより際立つ。
蒸気を当てた箇所に、ドライヤーで温風を当てていく。乾く過程で黒色の生地が白っぽく変化する。縫い終えた後まで、こだわるのが岩城流だ。
左が今回連載でお直ししたもの、右は裾をねじらずに普通に裾上げをしたもの。差は一目瞭然で、古着好きならば左のお直しをしたいものだ。