ジュビロ磐田が運命の2試合へ。選手もサポーターも人事を尽くして天命を待つのみ。ペナルティ・ヒデ「J1に残ってみんなで泣こう」
SBSラジオの静岡サッカー熱血応援番組「ヒデとキトーのFooTALK!」で、静岡新聞運動部のジュビロ磐田担当、名倉正和記者がチーム状況を報告しました。聞き手はパーソナリティのペナルティ・ヒデさん。(2024年11月26日放送)
ヒデ:ジュビロのビッグニュースが入りました。山田大記選手が突然の引退。まだやれるのでは?
名倉:8月にエコパスタジアムの鹿島戦で決めた、振り向きざまのボレーシュート。まだ全然できると思います。素晴らしいキャプテンシーもありますし…。
ただ、1月の必勝祈願の時に引退をほのめかすような、それらしきことをちょっと言ってたことを思い出します。
ヒデ:他クラブもオファーしたかったでしょう。
名倉:山田選手は子どもたちへの支援などいろいろな活動をされているので、これからはそちらの方でも頑張ってほしいなと思いますが、その前にまず仕事がありますからね。あと2試合。本当に最後、目に焼き付けて、磐田の背番号10をみんなで送り出したいなと思いますね。
守備の立て直しが急務
ヒデ:磐田は第36節が終わって18位。非常に厳しいです。自動降格圏から抜け出せていない。
名倉:そうですね。3試合で10失点と守備が崩れてるのが…。得点は2試合連続で3ゴール取れているので、まずは守備。その立て直しが急務です。
ヒデ:16日のホーム横浜マリノス戦の話を伺いたい。まず前半5分、ジョルディクルークス選手が決めて2試合連続先制。ところがですよ。前半アディショナルタイムに追いつかれて、後半3失点。ちょっと不運なところもありましたが…。ただ、そこからジャーメイン選手が2得点。
名倉:厳しく言うと、1点差まで追い上げたのはもちろん素晴らしいんですが、やっぱりエンジンの掛かりが遅いというか…。
ヒデ:今更なんですけど、何がチグハグなんですか?
名倉:もう点を取るしかないと押せ押せになったら、磐田は強いんですよね。ただ、ゼロの時間を長くするぞっていう時に1点取られると、先にガクッときてしまう。
ヒデ:尻に火がついたら強いということ?そこまでいかないのは慎重になりすぎてるから?
名倉:それもあると思いますが、尻に火がついた状態を最初からやってくれれば…。
ヒデ:個々の能力も高いですし、実際にマリノス相手に3ゴールですからね。
名倉:自信にしていいと思うんですけどね。マリノス戦の後、横内監督は「こぼれ球を拾えずに押し込まれていった。残り2試合あるから、とにかく勝ち点6を奪って、必ず何かを起こしたい」と話していました。
ヒデ:ガンバ戦もそうだったじゃないですか。
名倉:同じ3対4のスコアでしたからね。
ヒデ:天皇杯準優勝のチーム相手にやれるんですよ。ゴールを奪う力はあるチームなのに…。
名倉:スタートが遅い…。
番記者「攻撃的な姿勢が見たい」
ヒデ:失点が多くなっている守備面はどうですか?
名倉:最近は3バック、守備時には5人で守る5バックの形になるんですが、マリノス戦は後半途中から4−1−4−1みたいな形に変えました。選手に話を聞くと練習であまりやってない形で、方針がしっかり浸透しきれずに、攻めるのか守るのかどっちつかずになったと話している選手もいました。
監督はとにかくゼロの時間を長くしたいということで3バックの布陣を敷いていますが、個人的には残り2試合は、4バックで前線に人数を掛ける、エンジンが掛かったジュビロをみたいなと思うんですけどね。
相手によって少しずつやり方を変えたりしてるんですけど、やっぱり3バックだと5人で守るので後ろに重たい布陣になってしまう。なかなか相手コートに踏み込めなくなる。3バックで失点ゼロの時間を長くしたいのは分かるんですけど、立ち上がりから攻撃的な戦いを見たいですね。
ヒデ:もう今の状況を考えてもそうですよね。
名倉:次はもう勝たないといけないですからね。
FC東京戦のポイントは?
ヒデ:そんな中、次節は11月30日。ホームに8位のFC東京を迎えます。
名倉:監督や選手がどれだけ吹っ切れて攻撃的になれるかだと思います。前回対戦は1対1で引き分けてます。最近対戦した神戸やガンバ、広島が相手よりも十分勝機はあると思います。監督も選手たちも開き直ってじゃないですけど、「ここから残留できれば俺たちすごいよね」っていうそれぐらいの声掛けをして、選手にハッパをかけて。思い切って戦ってほしいです。
ヒデ:FC東京がどういう感じで来るかも興味深いですけど。
名倉:選手や監督の見立てだと、FC東京はビルドアップで崩すというよりも前から引っかけてショートカウンター狙いがやっぱり多いと。あとは磐田が課題としているセットプレー。
ヒデ:磐田は若い選手にチャレンジさせようみたいなことはないですかね。
名倉:公開練習では、しばらく試合に絡んでなかった平川怜選手が主力組に入っていました。FC東京は古巣で、本当にメラメラと燃えるものが…。
前半戦はずっとサイドで使われていて、なかなか本領発揮できていませんでしたが、最近は真ん中で使われるケースが多くなっています。本人も「中央の方が自分の武器が出せる」と言ってましたので注目です。
ヒデ:そして最終節が最下位のアウエー鳥栖戦。
名倉:でも、全然侮れないですね。開き直ってますし、選手も来季どこで自分がプレーするのかって売り込むチャンスですし、調子もいいみたいですし。
ヒデ:僕もそっちの方が怖いなと思ってるんですよね。
名倉:磐田はとにかく勝つだけなので、まずはFC東京に勝ってから。一つ一つです。
ジャーメインは大台に乗せられるか
ヒデ:ほかにキーマンはいますか?
名倉:やっぱり現在得点ランク3位のジャーメイン選手。今19得点まで来ていて、20得点に王手を掛けてます。磐田で20得点は前田遼一選手以来。10台で終わるのと20台で終わるのでは、やっぱり印象は違ってきます。最後はエースの決定力にかけたいですね。
ヒデ:前節の敗戦から2週間。チームとしては逆にいい感じでは?
名倉:選手のインスタとか見ても、リカルドグラッサ選手が富士山に家族で遊びに行っていたとか(笑)
ヒデ:ちょっとした気分転換は大事ですもん(笑)
名倉:リラックスもできていますし、練習の雰囲気はもちろん今までと同じで引き締まっています。こうした状況でも、チームが壊れてる雰囲気とか、ふてくされてる選手は全く見られません。
ヒデ:なるほど。
磐田は2連勝が絶対条件
ヒデ:残留の条件は?
名倉:磐田は現在勝ち点35ポイントで、残り2試合で2連勝が絶対条件ですね。連勝すれば勝ち点41ポイントになります。
現在勝ち点41ポイントの16位新潟が連敗した上で、得失点差の争いに持ち込めるか。
もう一つのライバルが現在勝ち点40ポイントで17位の柏。磐田が連勝し、柏が連敗すれば逆転できます。柏が1敗1分けだと、こちらも得失点差の勝負になります。
ヒデ:可能性は残っているわけですから、磐田にはやってもらうしかないですよね。名倉さんも胃がヒリヒリですね。
名倉:そうですね。僕が担当してから毎年、山あり谷ありを味わっているので…。
ヒデ:サポーターの皆さんも信じてますし、諦めてるわけじゃないから。
名倉:今日の公開練習にもサポーターの方がいっぱい来てました。最近ヤマハスタジアムでもブーイングはないですし、選手を一丸となって後押ししようという雰囲気が出来上がっています。選手たちはやってくれると思います。
ヒデ:そこですよね。ここでブーイングしてもしょうがないもんね。J1に残って泣きましょう。