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「まだ木曜かと絶望」「2人分、3人分の仕事をしている」教員不足の危機的状況

文化放送

大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日13時~15時30分)、1月15日の放送に慶應義塾大学教職課程センター教授・佐久間亜紀が出演。昨年11月に発売した著書「教員不足 誰が子どもを支えるのか」にちなみ、教員不足の問題を語った。

大竹まこと「佐久間さんの今回の御本は教員不足(がテーマ)。現場は深刻だ、とおっしゃっています。非正規の増大、軽視される専門性、激務に追われる先生たち。公としての学校をどう立て直すのか……といった帯がついています。いま先生が足りないし、それ以外にも問題をたくさん抱えていますか?」

佐久間亜紀「おっしゃるとおりなんです。大学で私、教員を育てる仕事を30年間、しているんですね。最初に教壇に立ったのが1996年ぐらいでした。そのとき教え子たちに言っていたのは『時間があれば、学校の先生になったら、とにかく子供と遊びましょう』ということ。子供と関わって、一見無駄に思える時間がいちばん先生として子供の気持ちを掴む、先生として育つのに大事な時間だ、と教えていた。そんな時代でした」

大竹「はい」

佐久間「でも2010年代の後半からですね。教え子、卒業して現場に出た先生たちから、ほぼ悲鳴に近いような連絡が来るようになったんです。ある日、スマホのLINEアプリを開いたら『きょうがまだ木曜日であることに絶望しています』という連絡が入っていて、思わず『ええっ?』と画面を見入ってしまいました」

大竹「うん」

佐久間「その先生なんかは中学校の理科の先生に、望むべくしてなった、子供大好きという先生だったんです。もともと中学校で担任の先生をして、子供たちの世話をして。それから理科の授業を持って、学校全体の役割として研究主任というのがあります」

大竹「はい」

佐久間「各学校で先生たちが、よりおもしろい授業をするために勉強しましょう、という研究をする、そのリーダーを務める仕事をしていた。そうしたら同僚の理科の先生が産休に入ってしまって、その代わりの仕事をする人が来ない。しょうがないから、もうひとりの理科の先生と分け合って、1.5倍の理科の授業をするようになったと。そうしたら今度は教務主任という、別の先生が心を病んでしまった。校長先生から『申し訳ないけど代わりが来ないというから、教務主任の仕事もして』と言われたらしいんですね」

大竹「ああ……」

佐久間「教務主任は授業を全部免除されて取り組まなければいけないぐらい、学校の司令塔の役割を担う管理職なので、本当に大変なんです。つまり2人分か3人分の仕事をしろと言われて、なんとか踏ん張っている状況の中で、まだ木曜日なのか、と。土曜日がどれだけ遠いのか、という思いで私につぶやいてくれた」

大竹「現場はもうギリギリな感じですね」

佐久間「はい。いつ援軍が来るか、というのを皆、すごく待ちながら。なんとかここを踏ん張らなければいけない。そういう状況で、いま学校を回している、ということです」

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