【進む建設DX】AIを用いた石測定判別アプリを廣瀬とトップライズが共同開発、高精度で工事現場の効率化へ
株式会社廣瀬(新潟市西区)と株式会社トップライズ(新潟市秋葉区)が共同開発した建設現場のDXシステムの見学会が、10月23日に新潟市江南区の阿賀野川護岸工事現場で開かれた。
工事現場で使用する石の寸法測定と判別をアプリで行う
このDXシステムは、AIを用いて河川改修工事などの現場で使用する石の寸法を測定し、国土交通省が定める基準に適合しているかどうかを判別するもの。通常、工事に使う「石」は、その寸法によって「玉石」「栗石」などに分けられる。一般的には選別されていない石がトラックなどで現場に搬入され、それを現場の職員が一つづつ取り出して手で並べて寸法確認を行っていた。かなりの手間がかかるうえ、どうしても「基準に適合した石ばかりを選び取ってしまう」ため厳正な測定につながっていなかった面もあった。そのうえ石に手を挟んで指を負傷するなど、安全確保の面でも課題の残る作業だった。
石の集積を撮影すると、瞬時に個別の寸法や平均値、基準に適合しているか否かがAIで割り出される
従来はこのように、手で石を取り出してひとつひとつ並べる必要があった
新しいシステム「StoneSizer」は、タブレットでまずアプリを立ち上げ、積まれた石群を撮影すると、AIが一つ一つの石を判別。寸法を割り出し、平均値を出して、基準値を満たしているかどうか瞬時に判断できる。面倒な作業が一気に解消し、現場が大いに効率化される上に作業の制度や安全性も高まる。
開発については、廣瀬が「こういうDXができないか」と発案して、建設DXの分野に強いトップライズに開発を持ちかけたという。今後、プロダクトの販売はトップライズが展開する予定になっている。
見学会には、多くの建設業界関係者や国土交通省北陸地方整備局から参加者が集まり、熱心に説明を聞いていた。参加者からは「これで河川関連の工事はかなり効率化できる」「危険もなくなってありがたい」といった声があがっていた。
AIの画像認識で、効率的な草刈りができるロボット「カリゾー」のデモも行われた
また当日はAIの画像認証機能を活用し、カラーコーンで囲われた範囲を認識して草刈りを自動で行うロボット「カリゾー」のデモンストレーションも行われ、参加者が建設DXの進歩を体感する貴重な機会となった。