釜石・国際外語大学校で入学式 日本語学科開設、希望胸にネパール出身16人 観光系と2学科体制に
釜石市鈴子町の「釜石市国際外語大学校」(竹内新也校長)に留学生を受け入れる日本語学科が開設され、28日、入学式があった。1年半コースの第1期生として、ネパール出身の16人が仲間入り。「日本語の勉強をがんばりたい」「日本で働きたい」との夢や希望を抱き、実現へ新たな一歩を踏み出した。日本人向けの外語観光学科との2学科体制が始動。同校にとっても新展開が予想され、関係者らは“わくわく感”を膨らませる。
同校は学校法人龍澤学館(盛岡市)が運営する専門学校。若者の定着や地域活性化を狙いに釜石市が誘致し、今年4月に開校した。外国人対象の日本語学科は1年半と2年の2コースを設け、定員は各40人。法的手続きの影響で開講が予定より1年遅れていたが、ようやく1年半コースの10月開始にこぎつけた。
日本語学科開設・入学式は大町の市民ホールTETTOであった。「サリー」など華やかな民族衣装や真新しいスーツに身を包んだ18~22歳の留学生16人が参加。学校や市の関係者ら約60人が拍手で迎えた。
竹内校長は「ようこそ、日本、岩手県、釜石へ。皆さんが思い描く夢や希望の実現を導くために全力を挙げる」と式辞。2学科体制が本格化し、「わが校がどのように進むか興味深い」とワクワク感を募らせた。留学生を迎えるにあたり、市民から食器や調理器具などの提供があったことも紹介。「釜石のコミュニティーの一員として、自覚を持って生活をしてほしい」と望んだ。
新入生を代表し、ラワル ユブラズさん(20)は「日本語の勉強をがんばります。卒業したら、日本でビジネスを勉強したいです。自動車のメカニックにも興味があります」と意気込みを伝えた。16日に来日し、釜石での生活は始まったばかり。「まち、道、海がとてもきれい。人も親切で優しい」と好印象を持った様子だ。
先行する外語観光学科1年生の2人が歓迎の言葉。「多様性を尊重し、皆が分かり合うことを大切にするこの学校で一緒に学び、互いに成長できることを楽しみにしている。支え合いながら楽しい学校生活を送りましょう」と激励を込めた。
同法人が取り組む日本語教育は20年目を迎え、これまで世界20カ国、1000人超を受け入れてきた。仕事の都合で入学式に参加できなかった龍澤尚孝理事長は「思いっきり勉強、アルバイトに励み、釜石での暮らしを楽しんでください。生きる学びで地域に溶け込み、多文化共生社会につなげてほしい」などとメッセージを寄せた。
日本語学科の授業はすでに始まっている。学生らはある程度日本語は理解できるというが、今後週に20時間、日本語を学習。日本の大学や専門学校への進学を見据えており、1年半後には日常生活に必要な言葉が分かる程度の習熟を目指す。
学生は市が整備したアパートで生活。学内の交流のほか、地域活動も進めながら異文化理解を深めていく。アルバイトについて、出入国管理法では申請すれば週28時間以内(長期休暇中は週40時間)の就労が可能となっていて、学校と市が市内事業所を訪問活動中。また、来春には2年コースが始まる予定で、ネパールやミャンマーからの留学生20人ほどが入学を希望しているという。