大型の肉食魚・スズキに学ぶ<職場の上司との関わり方> 釣り方のコツとは?
誰でも一度は、職場の上司に対して「むむむ……」と思ったことはありますよね。
今回は、筆者が出会った魚・スズキの思い出とともに、スズキから学んだ<上司との関わり方>を綴ります。
スズキってどんな魚?
スズキは、主に海に生息する1メートルを超えることもあるような大型の肉食魚。いわば“暴飲暴食ギャング”といったところです。
淡水と海水が混じりあう汽水域に生息し、春から秋にかけては厳つい執着心をもって遡上するアユなどを追い、私たちの住んでいる街中を流れる川にも遡上してきます。
夜中に川の近くで耳を澄ますと、「バコンッ!」と小魚を丸のみにする捕食音が聞こえることもあります。
肉食魚で豪快な印象を受けるスズキですが、実は「賢さ」も兼ね備えていて、エサとなる小魚が集まる街灯の作り出す明暗部や川の流れが緩むスポットで待ち構え、タイミングをうかがいながら効率よくエサを食べる狡猾なハンターなのです。
スズキとの熱き思い出と恋
筆者は釣りに憑りつかれたひとりの男ですが、その大きなきっかけとなったのがこのスズキでした。
釣りを始めて最初の半年間、全く釣れない時間を過ごしました。半泣きになりながらも、謎の我慢強さで釣り続け、その生態を研究しながらついに釣り上げたのは67センチのスズキ。
これまでに経験したことがない強烈な引きと水面を割るジャンプ、猛々しい顔立ち、銀色に輝くボディ、筋肉質なプロポーション──その全てにハマりました。
それ以降、週に10回はスズキを釣りに行く生活が始まりました。
その時にスズキが食べているエサや捕食行動が活性化する時間などをしっかり考えないと釣れない、そう易々とは釣らせてもらえないところが大好きです。
スズキから学ぶ「対上司戦略」
社会人になった筆者は、この魅力あふれるスズキに、どこか重なる“ある存在”を感じてきました。
それは「職場の上司」です。
普段は「あーせい!こうせい!」と叫ぶギャングのような横暴なふるまいを見せるけど、時に「まだタイミングじゃねえわ、もっと考えろ」などとどこか繊細さも垣間見える……。
「この言動……スズキのそれだ……」
初めは付き合い方が掴みきれなかった上司でしたが、彼を“気難しいスズキ”だと思ってみると、見えてくるものがありました。
上司の機嫌の良い時間を見計らって話しかける、資料を上司好みに編集して渡す、上司の中のブームを押さえる(押さえたふりをする)など──スズキを釣るときに意識する時間やエサの考え方を応用すると、“スズキ系上司”を釣り上げることに成功したのです。
そう、これがスズキ系上司の基本的な攻略法です。
スズキに出会うコツ
スズキは釣りの定番魚でありながら、闇雲に狙ってもなかなか出会えない魚。そこで、スズキに出会うコツを伝授します。
まず、狙うは夜! スズキは夜に効率よく餌を食べる習性があるので、なかなか釣れないという人は夜間に狙ってみてください。
そして、使うルアーは根がかりしないように、水面近くを泳ぐタイプを選びましょう。諦めずに投げるのがポイントです。
狙うのは河口にある橋や、街灯の明かりでできる橋の影付近がおすすめ。橋の影付近では、スズキが餌を待ちぶせしています。
もちろん橋でなくても、河口付近を投げ歩くことで出会えたりもします。
他にもコツはありますが、まずはこれらを意識してみてください。きっと姿を見せてくれますよ!
(サカナトライター:かわお)