音楽劇『あらしのよるに』出演・南野巴那(ヤギのメイ役)にインタビュー~日生劇場ファミリーフェスティヴァル 2024
音楽劇『あらしのよるに』が、2024年8月24日(土)と25日(日)、日生劇場ファミリーフェスティヴァル 2024にて上演される。
本作は人気絵本シリーズ『あらしのよるに』を音楽劇として舞台化したもので、2019年に初演、2021年に再演、今回が3回目の上演となる。今回は、心優しいオオカミのガブ役には白石隼也(しらいししゅんや)、好奇心旺盛なヤギのメイ役には南野巴那(みなみのはな)と新キャストを迎え、立山ひろみの脚本・演出、鈴木光介の音楽、山田うんの振付により、ガブとメイの間に生まれた不思議な友情を描いた絵本の世界を臨場感あふれる迫力の舞台として立ち上げる。メイ役として本作に挑む南野巴那に意気込みを聞いた。
■ヤギの動画で動きを研究中!
──今回メイ役のお話しが来たときの率直なお気持ちを教えてください。
私は幼稚園の頃に絵本の「あらしのよるに」に出会って、見たり読んだりしたことをずっと覚えているくらい好きなお話でしたし、アニメ化されたものも見ていたので、メイ役と聞いたときは信じられないくらい嬉しかったです。
──南野さんにとってなじみのあった作品が音楽劇として上演されるということについてはいかがですか。
メイとガブの歌ってどんなふうになるんだろう、と思って前回上演されたときの映像を見せていただいたら、ちゃんとお互いの心情が歌になっていたり、出演者の方々が自然を体で表現されていたり、生で演奏しているところが客席から見えたり、音楽劇として『あらしのよるに』がとても素敵に表現されていたので、今からお稽古が楽しみです。
──小さい頃と今現在で、この作品から感じるものに変化はありましたか。
やはり子どもの頃と、大人になった今では感じ方が違いますね。子どもだったからこそ「オオカミって怖いな」とか「心の優しいオオカミもいるんだな」とか素直に受け止められた部分もあると思いますし、大人になってから読んだからこそ「ガブはメイのこと食べないようにずっと我慢しているんだな」とか気づけた部分もあると思います。
──メイはどんなキャラクターだと思いますか。
メイはすごく好奇心旺盛で、新しい世界を見つけるために飛び出していくところが素敵だなと思っています。オオカミのガブは身体が大きくて強そうで怖そうに見えるけれど、でも中身はすごく心優しくてちょっと弱い部分があって、そんなガブをメイが明るく励ましている場面がたくさんあるんですよね。私も絵本を読んだときに、メイの言動に元気をもらう感じがしたので、そういうメイの明るさとか、度胸とか、元気いっぱいなところとかに注目してもらえたらいいなと思います。
──ヤギのメイ役ということですが、人間以外の役は初めてですか。
初めてです! 人間じゃない、というのがまず未知の世界なので、最近ヤギの動画をたくさん見ています(笑)。どういう動きをするのか気になっていろいろ見ているのですが、子ヤギと大人のヤギは動きとか表情とかがちょっと違ったりして、色んな発見があるんです!
■生の舞台の魅力を余すことなく感じて欲しい
──今回、ガブ役の白石隼也さんとは初共演とのことですが、白石さんに対してはどのような印象をお持ちですか。
ビジュアル撮影で初めてお会いしたときはワイルドな方だなと思って、まさしくオオカミのガブ、という印象を受けました。でも白石さんの方から気さくに喋りかけてくださって、微笑んだときの表情がとっても優しくて、そういうところがガブに似ているところなのかな、と思いました。白石さんは役者としての先輩でもあるので、これからお稽古の中でいろいろ吸収して学ばせていただけたらと思っています。
──南野さんはテレビ番組「にほんごであそぼ」の「のはーな」役としてご活躍ですが、テレビと舞台では違う部分もいろいろあると思います。
舞台は全てが生のものなので、より緊張感もあるんだろうなと思います。まずはしっかり自分の体調管理をして、不安な気持ちをなくして、ちゃんと舞台の上でメイとしていられるようにお稽古を頑張るぞ、と今から気合がみなぎっています。
──オオカミのギロ役で阿南健治さん、おばさんヤギ役で平田敦子さんもご出演されます。ベテランの方々との共演についてはいかがでしょうか。
本当に光栄です。こうしてご一緒させていただける期間の中で、私自身もしっかりと役と向き合って成長していけるように、皆さんの背中を見ながらついていくというか、食らいついていくくらいの気持ちで、皆さんと一緒に『あらしのよるに』を素敵な作品にできるように精進します。
──最後にメッセージをお願いします。
30年という長きにわたり愛され続けている作品で、3度目の音楽劇ということで、すごくメッセージ性のある作品です。「食うものと食われるもの」という、種族を超えて深い友情を育んでいく2人の姿から、好奇心を抱くことでこんなに素敵な秘密の友達という存在に出会えて、様々な経験ができるということが伝わったらいいなと思います。見に来てくださる皆さんに、生の舞台の魅力を全て余すことなく感じ取っていただけたら嬉しいです。
取材・文=久田絢子
写真=曳野若菜
ヘアメイク:橘 房図
衣装スタイリング:清水拓郎
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