オリックス山下舜平大が完全復活?データ比較で見えた逆転CSへの光明
日本ハム戦5回2安打9奪三振1失点で今季初勝利
オリックス・山下舜平大が18日の日本ハム戦(京セラドーム大阪)で今季初勝利を挙げた。
2回に1点を失ったものの5回2安打9奪三振4四球1失点。打線も杉本裕太郎の2打席連続本塁打で逆転し、昨年8月5日の西武戦以来379日ぶりの白星をつかんだ。
身長190センチ、体重100キロの大型右腕は昨季プロ初登板で開幕投手に抜擢され、9勝を挙げる大活躍。山本由伸が抜けた今季は新エースとして期待されていたが、開幕から8試合に投げて0勝4敗、防御率6.38と苦しんでいた。
しかし、二軍で一から立て直し、11日のウエスタン・リーグくふうハヤテ戦では7回3安打11奪三振無失点。確かな手応えをつかんで臨んだマウンドで見事に結果を出した。
大幅に改善された対左打者の成績
完全復活と言えるのかどうか、たった1試合で判断はできないが、それでも残り少ないシーズンで巻き返し、クライマックスシリーズ進出するためには山下の復活が欠かせない。
そこで18日の試合と7月までの8試合を比較してみた。まず7月までよく打たれていた左打者の数字が下の表だ。
右打者の被打率.220(41打数9安打)に対し、左打者は.383(47打数18安打)。右打者には0だった与死球が、左打者には4個もあった。この数字だけを見ても、左打者へのコントロールが悪かったことがよく分かる。
このデータは当然、日本ハムも考慮していただろう。8月18日の試合では、調子を落としている右打ちの松本剛をスタメンから外し、淺間大基、五十幡亮汰、清宮幸太郎、上川畑大悟、田宮裕涼、水野達稀と6人の左打者を並べた。
しかし、山下はキレのいいストレートを低めに集め、左打者から7三振を奪う快投だった。
表の通り、右打者の被打率.250(4打数1安打)に対し、左打者には.091(11打数1安打)を完璧に封じ込んでいる。与死球もなく、面白いように外角低めに角度のあるストレートと落差の大きなフォークが決まっていた。
先頭打者も抑えてペースつかむ
7月までの課題はもうひとつあった。先頭打者を塁に出していたことだ。
しかし、18日の試合では2回に上川畑大悟を歩かせた以外は先頭打者を抑え込み、1安打も許していない。下の表を見比べると、その差は歴然だ。
7月までの8試合では先頭打者の被打率.400(20打数8安打)、1本塁打、6四球と散々だったが、18日は被打率.000(4打数無安打)1四球。結果的にリズムも良くなり、自分のペースに持ち込むことができた。
チームはこれで4連勝。まだ借金は7あるが、山下がシーズン終盤にローテーションに復帰すればひと筋の光明が差し込む。ポストシーズンに向け、今後に期待を抱かせる山下の初勝利だった。
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記事:SPAIA編集部